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祈り

私の母はサツマイモにバターを付けて食べるのが好きだ、進駐軍が当時会社をしていた母の親の所に持ってきたバターを食べてから好きになったらしい。

「進駐軍に渡された物には毒が入っとるから、食べたらあかんで。」大人がそう言っている手前、大人に隠れて食べたらしい。

無条件降伏ってそう言う事なんだ、母に聞いた時にはそう思った。

何されてもいいから許してください、国がそう言っているのだから、日本で戦争の後に虐殺が無かったのは幸運なんだと思う。

高校生の時に皇學館って高校で独自の視点で歴史を学んだ、私の知っている第二次世界大戦は無かったが、その頃の人間が虐殺されると思っていたのは事実みたい。

今、戦争の真っ最中の状況を見て、すぐ無条件降伏すべきと言う言葉もあるが、日本の状況より厳しい。

簡単に侵攻を許せばいいなんて、外から見た人間が云うべきものじゃ無いと思う。

イワンの戦争が読みたいと思った、こんな時にしか紹介されない本なのだろうなと思う。

私もこんな状況じゃ無ければ知りようが無かったと思う、戦争の所為で話題に上がった本だ。

この本で考えさせられるのは、イワン(ロシア兵士を指す)が戦争で勝った後に美しいドイツの街並みを見て、戦争に勝ってもあの豊かな街並みは手に入れられないだろうなと愕然とするところ。(読んでないので噂です、この本高すぎて手に入らない。)

結局、戦争って勝った方も負けた方も、良い状態になるには時間が掛かるし、戦争で勝っても豊かにならなければ、国民には意味が無いのだ。

子供の時に父親の本棚にアンブローズビアスの本が有って、戦争を皮肉に描いていたのを思い出す。

指示を出している人間は上から見て、自分の生命に関係なくチェスでもしているように戦況を見る。

国の為だったり自分の家族の為だったり人により理由は有るが、戦闘員は自分の命を懸けて戦っている。

戦況を見ている人間を見て、自分の命を懸けるのに疑問を持つという話だ。

侵略戦争に巻き込まれた国の人々は勿論大変で、彼らの命が脅かされているのも大問題だと解っている。

侵略されてしまうと自由も命も相手の手のうちにある、近しい人たちの為にもそれが許せないのは理解できる。

こうしている間にもきっと戦争は続いているのだろう、私には祈る事くらいしか出来る事は無いのだ。

でももっと前から戦争は有った、私達が見てみぬふりをしていただけ、1人の独裁者は平和の均衡を崩す、それは誰もが分かっていて、独裁者だと断じるのが難しかっただけ。

誰もが選んだ場所で自由に生きる権利を。

祈っています。

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