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ここのところの寄付/ファンドレイジング雑感[2020中盤]

「寄付」という言葉を使うと、"そんな高尚なこと自分がすることじゃない"と思われてハードル高く感じさせてしまうから、「寄付」という言葉は使わないほうがいいですよ。「サポート」とか「サポーター」にしたほうがいいのでは。

という話を、数年前に社内のミーティングのなかで言われたような気がする。寄付という言葉を使うだけで嫌煙されてしまうから、別の伝え方をしようという話だ。

でも2020年になって、最近ある寄付者さんが

Webサイトに「サポーター」って書いてあるからなんだろうと思ったら、寄付なんだ。寄付なら寄付がほしいってはっきり言ったらいいのに!

というようなご意見をくださったそうで、なるほどと思った。同時に、そういうフィードバックを受け取れるようになったんだなあとしみじみした。

この数年で、「寄付をする」ということの受け止めかたが変わってきているのかなと感じた。「寄付は高尚なひとだけ/裕福なひとだけがやることじゃない。自分だってすることだ」という感覚を、さまざまなひとが少しずつ掴んでいるような、そんな感じだ。

日本で「クラウドファンディング」という言葉が市民権を得て一般的になったからかもしれないし、ユーチューバーやインスタグラマーが災害時に寄付を募ったこともあったからかもしれない。SHOWROOMやイチナナ、Youtubeなどで投げ銭ができるようになったからかもしれない。(Jリーグなどスポーツの分野でもPlayer!というアプリで投げ銭できるようになった。)

ひとびとが「物やサービスの対価ではないかたち」のお金の使いかたを、感覚的に覚えたから。だから、寄付をするということが「金銭感覚が意味不明な貴族のおこない」というふうには位置づけられなかったのだろう。

わたしはなんとなくこの10年で「寄付者が育っていっている」ような気がする。(育っているというとえらそうだ…!ほかの表現にしたいのだけど、どう表現したらいいのかわからない。)テクノロジーの進化とSNSの発達もあり、この10年くらい「NPOにおける寄付あつめ」は追い風だった。

だからこそというか、これから先の10年は、「NPOの不祥事」というのがポイントになってくるような気がしていて、そのことも書いてみようと思う。

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