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「ぼくの名前当てたら、いいよ」/『だいくとおにろく』

sachiです。
絵本とか児童文学が大好きです。子どもたちに読む前に自分がはまってハッとすることもしばしば。特に、自分が小さいころに親しんだ絵本をみつけるとすぐに飛びつきます。(だから、わが家の本棚はわりと初版が古いものが多い・・・)

長男が産まれる前からいそいそと子ども向けの本をそろえはじめておよそ6年。その中から、子どもの反応が良かった本の記録を作ります。

『だいくとおにろく』あらすじ

ご存知の方も多いと思いますが、まずはあらすじを。
福音館書店さん掲載のものから引用します。

何度橋をかけてもたちまち流されてしまう川に、橋をかけるよう村人に依頼された大工が、川岸で思案していると、鬼が現れて、目玉とひきかえに橋をかけてやるといいます。いいかげんな返事をしていると、2日後にはもうりっぱな橋ができあがっており、鬼は目玉をよこせとせまります。「おれのなまえをあてればゆるしてやってもええぞ」と鬼がいうので、大工は……。日本の昔話の絵本。(https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=65)

子どもたちの反応は?

この絵本、実は、数年間本棚に眠ったままになっていました。子どもたちにとっては、どうやら画が恐くて敬遠していたようです。
ですがあるとき、「今日はお母さんの好きな本を読んでいいよ」と長男からお許しが出たので、この本を読むことに。

最初は渋っていた長男・次男も、読み始めたとたんに引き込まれ、続けて3度も読まされたのでした。

"ぶく ぶく ぶくと あわが うかんで” おに が現れるところで、息をのむ二人。

ページをめくると、おにが出てくるのですが、にかっと笑った表情にちょっとだけホッ。

でも、おにとだいくのやりとりにまた背中をこわばらせる二人。
「え、めだまよこせ?!」どきどきは続きます・・・。

橋があっという間にかかり、だいくがあきれて見ていたところ、またおにが”ぶっくりと でてきて"、「さあ、めだまぁ よこせっ」。

擬音が独特なので、ちょっと強調して読むのが楽しい。
おにのセリフも、いろいろな声音でアレンジしたら面白い。

だいくが逃げた先で、こもりうたが聞こえてきた。
このこもりうたの主が誰か、ということが、子どもたちは気になった様子。
おにのお母さんかな、おばあちゃんかな、と読んだあとも会話がふくらむのでした。

名前を当てるくだりでは、でまかせの名前を言うたびに、子どもたちが「え〜(笑)」と顔を見合わせて笑います。
"「・・・なかなか おにの なまえが いいあてられるもんじゃない」と にかにか” 笑っているおにの表情も、ユーモラスで笑いを誘います。

クライマックス。
ページをめくったとたんに「おにろくっ!」と叫ぶと、子どもたちは晴れやかな表情。読み終わると、「えーーー」と、その終わり方に驚きつつも、「もっかい読んで」のアンコールが。
余韻にひたるエンディングではなく、いきなり終わる感じなのが「もう1回」を誘うのかもしれません。

起伏のあるスリリングな展開のなかに、ユーモラスな画と軽妙なやりとりがあって、大人も一緒に楽しめます。

特に、お父さんがおにやだいくの声音をアレンジして読んであげたらより楽しんじゃないかなぁ、と思う絵本。(機会をみつけてわが家の夫にも勧めようと思っています)

「ぼくのなまえ当てたら、いいよ」

日常でも、突然登場する「だいくとおにろく」ごっこ。

「お母さん、手伝って(食べさせて)」(3歳次男)

「え。自分でやれると思うよ。かっこいいところ見たいな〜」

「じゃあさ、ぼくの名前を当てたら、いいよ」

「うーん・・・がわたろう!」

「ちがうちがう」

「おしりたろう」

「あはは、ちがうよ〜」

「かわいいたろう!」

「ちがーう」

「じゃあ・・・❍❍❍!!」

「ひゃ〜〜アタリ〜! じゃあ食べるね(パクっ)」

拍手!!

絵本をきっかけに、日常の会話にも幅ができるのでした。絵本の「ごっこ遊び」もおすすめです。



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