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とある歳男さんを追いかけた私の2020-後編-




↓前編はこちら↓

新型コロナが猛威を奮った2020年

Bリーグは2019-2020シーズンの中止を発表し
学生バスケも主要な大会が軒並み中止になるどころか、チームで集まって練習することすらできなくなる事態に。

私自身の生活も大きく変化し、これまで通りの日常を送れなくなる中で「これからいったいどうなってしまうんだろう…」と不安に襲われる日々が続きました。

そんな中、飛び込んできた一本のニュース。

アメリカ行きを考えるくらい追いかけていた彼が、日本のプロバスケットボールチームであるB1・大阪エヴェッサでプロとしてのキャリアをスタートさせることが決まったというお知らせでした。
このおかげで、白黒になりかけていた私の日常が、一気に色を取り戻しました。

「大阪の女」、パワーワードにも程がある。(笑)

でも、こんな狂ったようなツイートをせずにはいられないくらい、私にはこのお知らせがすごく特別で、すごくすごく嬉しかったんです。

まずは彼がバスケットボールを続けることを改めて決断してくれたことが嬉しくて、
プロの道を選んでくれたことが嬉しくて、
いろんな選択肢があったであろう中、日本のBリーグを選んでくれたことが嬉しかった。

「あぁ、これでまた大好きな彼のプレーを見れるんだ」
「会場へ行って応援することが許されるんだ」
「会いに行くのに時差ナシ!パスポートもナシ!やったー!!」

新型コロナの影響で、スポーツに限らずイベント関係は軒並み中止、延期、できても無観客開催という厳しい状況で、Bリーグが新シーズンを無事に迎えられるかこの時点では正直わからないところではありましたが、このお知らせは私にとって一筋の光になりました。

日本へおかえりなさい

その後、関係各所のご尽力により、Bリーグも例年通り10月から2020−2021シーズンを行う方向であることが発表され、彼の所属する大阪エヴェッサではプレシーズンマッチが行われることになりました。


プレシーズンとはいえ、彼がプロとしてはじめてユニフォーム姿をお披露目する場。
アメリカ行きを諦めてからずっと「見れなかった」という悔しさが残っていたし、どうしてもその場に立ち会いたかった。

そして8月30日、おおきに祭当日。
彼はちゃんと私の目の前にいました。
ユニフォーム姿で立っていました。

もう嬉しくて嬉しくて嬉しくて、人目もはばからず客席で泣きました。
何も知らない人が見たら、私は完全に不審者だったと思います。
いや、知ってる人から見ても不審者だったかも…。(笑)

でもそれだけ彼は私にとって特別な存在で、待ちに待ったプロとしての彼を見ることができたこの日は、とても特別なものだったのです。
泣きながらシャッターを切って、たくさんたくさん写真を撮りました。

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アリーナに入場してきて早速笑顔が見えたシーンも

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緊張してたのかな、ボールをぎゅっと抱えたまましばらく椅子から動かずにいたところも
(落ち着かせたいとき無意識に顎ひげ触る癖は相変わらずだったな…)

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スターティング5として堂々とユニフォーム姿で入場した瞬間も

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頼もしくコートを駆け回る姿も

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プロバスケットボールプレーヤーとしては「はじめまして」なシュート、そして得点シーンも

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うっかりファウル(確信犯)で見せる、おなじみの可愛いびっくり顔も

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持ち味である”得点力”を見せようと、攻め気いっぱいでゴールに向かう姿も

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試合が終わってチームメイトと楽しそうに談笑する姿まで

目の前の全てが私には尊くて、我慢してた感情がどばっと一気に溢れ出て、冗談抜きでほんとずっと泣いてました。
彼のおかげで、ほんとに楽しく、幸せな一日でした。

日本におかえりなさい。
プロの道を選んでくれてありがとう。

このご時世なのでその想いを直接伝えることはできなかったけど、回り回って届いたらいいな…と思ったり。

2020-2021シーズン、開幕

その後もプレシーズンマッチが何試合か組まれたり、練習風景の映像が公開されたり、チームの公式SNSに投稿される写真や動画に彼が登場したり…
まるで濁流のように毎日たくさんの情報が流れてきて、彼がアメリカにいた頃の過疎っぷりとのギャップがすごくて少しあっぷあっぷしたりもしましたが(笑)
彼のことをこまめに取り上げてくださったチームには本当に感謝しています。
毎日「今日は何が出てくるかなー?」と楽しみで、それがあの頃の私の心の支えでした。
ありがとう大阪エヴェッサ。ありがとう広報ちゃん。ありがとうけーさん(デザイン・映像チーム)。

↓個人的には、U15クリニックの動画がいちばん嬉しかったです↓


そんなこんなで、シーズン開幕はあっという間にやってきました。
大阪エヴェッサの開幕戦はホーム開催で、相手はB2からB1に昇格したばかりの広島ドラゴンフライズ。

暗転・炎の演出、オープニングムービー、会場BGM、アリーナMCの声…
いろんな制限下ではありましたが、Bリーグというプロスポーツ興行が私の日常に戻ってきてくれたことが何よりも嬉しかったです。

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そして、プレシーズンマッチを経験していたとはいえ、公式戦デビューって私にはやっぱり特別でした。

あー、この日のことは今思い返しても幸せな気持ちになれちゃうなぁ…
始まるまでは緊張の塊がもうプ◯デターのように自分の身体を突き破りそうで、いろんな人に「ウッ、無理…ドキドキしすぎて吐きそう…」と助けを求めたりもしましたが。
コートに立つ彼をこんなに近くで見たら、やっぱりワクワクして、やっぱり楽しくて、やっぱり嬉しくて。
「私はファンとしてほんとに幸せものだな」と実感して、彼への感謝の気持ちでいっぱいになった、そんな開幕戦になりました。

ファンが吐きそうなくらいの緊張と戦っていた一方で、彼は試合後のインタビューで「はじめての公式戦だったけど、別に緊張とか特別な感情はそんなになかった」と話していましたが…

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うっそだーーーーーーーー!!!
スタ5で名前を呼び込まれる前、おめめが開きっぱなしでお顔がこーんなにガチガチでしたけど???(笑)

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序盤は身体も動きもバチバチに固くて、「ほんとに大丈夫か…?」とめちゃめちゃ心配しましたけど???(笑)

まぁ、ね、学生からプロのステージに上がったばかりの”ルーキー”としてはそれも当たり前だと思うし、私にとってはそんなところも可愛くて仕方なかったわけですが。
それでも、無事に1本入ってからは力が抜けて、私の大好きなプレーがいくつも見れたときには、シュート1本で変わるなんてやっぱりオフェンシブな選手なんだなぁ…頼もしいなぁ…と改めて感じました。

そんなことも踏まえて、改めてこの開幕戦を振り返ってみると、彼自身「まだまだできる」という想いでいっぱいだったと思いますし、私もいろいろ感動しつつ「こんなん序の口よ、まだまだすごいんだからなー!!」と感じていたりします。
ただ、こうしてリーグ公式からもハイライトムービーを出してもらえるような活躍ができたのはやっぱりすごいし、立派なデビュー戦になったんじゃないかな、とファンの贔屓目も込みで思っています。

駆け抜けたシーズン前半戦

10月3日の開幕戦を含め、レギュラーシーズン25試合、天皇杯1試合の計26試合が2020年内に行われました。
その中で私が行ったのは、ホーム13試合、アウェー9試合、天皇杯1試合の計23試合。
………え、ほぼ行ってるじゃん、この人。(他人事)

この23試合を一言で表すなら、ほんとに「山あり谷ありの谷強め」でした。
選手がガラッと入れ替わって若くフレッシュなチームとなった今年のエヴェッサは、勢いや選手個々のタレント性で勝てた試合もあれば、チームとしての完成度の低さが影響して負けが続くこともあったり…。

彼自身もまだチームにアジャストしきれていないからなのか、コート上で満足のいくプレーができず、どちらかというと悔しそうな表情を見ることのほうが多かったように思います。

見ていてしんどくなるくらい悔しい試合、たくさんありました。
得点力に自信のある彼が1本もシュートを決められなくて、タオルで顔を覆いながら「くそっ!」と大声で叫んだ試合は、しばらく思い返したくないくらい悔しかったです。

それでも「行かなきゃよかったな…」なんて思ったことは一度もありません。

プロ1年目の一発目から毎試合必ず100%実力を発揮できる選手なんてそうそういないのは、私自身いろんな選手を見てきてわかっています。
だからこそ、彼が周りの人に育てられながら、プロの世界で一歩ずつ進もうとしていることを会場で少しでも感じることができたら、私にとってはそれが「会場へ行く意味」になるんです。
たくさん悩んで、もがいて、チームの勝利に貢献しようとコート上を走り続ける姿を見れたら、その日どんな結果だったとしても「今日も行ってよかった」としか思えなかったです。

とはいえ、プロスポーツである以上、競争に勝たなければコートに立つことすらできない厳しい世界であるのも現実。
彼自身のコンディションが整わないことももちろんあったと思いますが、次第にチャンスが回ってこないことが多くなっていきました。

観に行った23試合のうち、10試合がDNP。
プレーしてる姿を見て好きになったので、それが見れないのは辛かったですし、チームが強豪相手に勝った試合でも私は悔しさでいっぱいでした。
2020年内ラストゲームでもユニフォームを着ている彼を見ることはできなくて、それでも私のようなファンにできることは何もなくて…

アメリカでもなかなか試合に出れない時期はあったし、そんな彼を見るのは慣れているつもりではあったのですが、ベンチで悔しそうにコートを見つめる彼を間近で見てしまうと、何の助けにもなれない自分の無力さをより一層強く感じました。

「距離が近いからこそ感じるしんどさ」なんてものもあるんだなぁ、と感じた2020年でした。

ファンとしての身勝手な想い

こうして振り返ってみると、私はほんとに身勝手なファンだと思います。

勝手に観に来て、
勝手に好きになって、
勝手に応援して、
勝手に期待して、
勝手に喜んで、
勝手に悔しがって…

彼からたくさんの元気や幸せをもらっているのに、私はただのファンなので彼に何もお返しはできません。
私はただひたすら「彼を見ていると自分が楽しい。だから彼を応援する」というそれだけのことしかできないのです。

ただ、彼が下を向いてしまいそうなときでも、それを気にせずとにかく彼を「信じる」ことができるのも、身勝手なファンだからこそできる特権だと思うのです。

しんどい思いをするときもあるけど、やっぱりそれ以上に得られる幸せがたくさんある。
だから彼を応援したくなる。

アメリカから日本へ
関係者でもないのに追いかけてきた私がこの1年を通して彼に思うことって、結局このツイートが全てでした。

プロの道はまだ始まったばかり。
これからもきっと山谷たくさんあると思います。
それでも彼がバスケットボールプレーヤーでい続けてくれる限り、目の前でプレーしてくれる限り、大勢いるファンのうちのひとりとして、これからも勝手に応援していこうと思います。



2020年、りょーごを応援できて毎日本当に楽しかったです。
2021年もこの調子でめいっぱい楽しもうと思います。

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これからもたくさんの笑顔が見れますよーうにっ!!!

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