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寄付ビジネスの色

4社のコンペに参加して僅差で落ちたとき、提案したクリエイティブの一部を採用したいと連絡が来て、迷った末に断った。その時の先輩に「お金に色はついてないんだからもらえばいいのに」と言われたことが心に残っている。 電車で「8億人が並んでいます」というポスター広告を見た。地球規模で見ると食糧難らしい、ということはわかっている。でも自分が生活するお金の一部をこの寄付に回したところで8億人どころかせいぜい1人分の数日分くらいにしかならない。人は何十年も生きることが前提であれば、とうてい

    • お金はこわい

      世の中はまさに「資産運用ブーム」。運用するほどの資産があるならともかく、株もギャンブルも、なけなしの金をはたいてやることじゃない。 大手広告代理店社員は高給取りと言われるのはなぜかというと、仕事で知り得ることの大半が重要な未公開情報だから、その社会的意味がわかるぐらいに賢い人しか雇わないよ、という前提だから。実態は別として。社員は株や先物取引は基本NGで、仕事のなんたるかを理解する初期レクチャーのレベルで先輩などから「投資とかやったらだめだよ。親兄弟にやらせてもだめだよ、ク

      • 日本のデジタル社会の現在地

        マイナンバーの他人との取り違え話を報道で耳にすると、エクセルデータでも作ってるつもりなのかなぁという軽さを感じる。簡単なデータベースでも例えば氏と名を別枠にするかでデータの項目数が変わるわけで、適当に統合したらそりゃズレるよね。ハイフンひとつで文字化けしたりするし、桁の違う市外局番を1枠にするかだけで作り方が変わってくる。ログアウトしてないと処理が完結しない、というのはシステムの開発側から見れば不思議な条件ではない。にもかかわらず、登録作業を代行できるくらいのデジタルスキルを

        • 多様性の腑に落ちない話

          多様性って言われ出したのはいつからだったか。 人の個性は千差万別で、それを認めようという世の中になるのはすごくいいと思ってた。自分はたいがいの人生イベントでマイノリティなので。でもその象徴にLGBTとかLGBTQとか言い出して、社会運動にしようというエネルギーが湧いてきて、「声を上げる当事者」みたいなのが出てきた。自己アピールってのはちょっと足りないぐらいがちょうどいい。男だけど男が好き。女だけど女が好き。その他バリエーションがいろいろあるとしても、それはそれでいい。聞いた方

        寄付ビジネスの色

          広告業界の罪深さ

          自分は30年以上お世話になってきた仕事だけど、やっぱり広告業界って変わってるよね。 人の気持ちがどういうことになびくか、とか、いいと思うか、ということを、大のオトナが集まって話し合って、意図的に狙う商売。広告表現や拡散に「影響力」という言葉で桁違いの大金が動いている。ヒトの気持ちを動かすことがビジネスなんだから、エゲツない。 たとえばテレビCMなんてスポット1本単価は50万円かもしれないけど、じゃあ100万円で2本お願いします、なんて言ったらバカにされて断られる。億単位のお金

          広告業界の罪深さ