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院長にリーダーシップは必要?歯科クリニック経営改善論(1)

 経営者に無くてはならない能力が「リーダーシップ」。多くの歯科医院では、院長が歯科医であると同時に経営のトップです。院長は診療するだけではなく、医院がしっかりと回るよう経営者として立ち振る舞う必要があります。

今回は、歯科医院の院長に求められるリーダーシップについてご紹介します。

リーダーシップとはなにか?

デジタル大辞泉によると、リーダーシップとは「①指導者としての地位・任務。指導権 ②指導者としての素質・能力。統率力」となっています。これだけは理解しづらいので、もう少し噛み砕くと

リーダーシップ=ミッション・ビジョンを掲げ、部下のやる気を引き出し、未来を切り拓く能力

といえます。組織の目指す姿を示し、周囲を巻き込んで目標を達成する。それがリーダーシップの意味するところです。


歯科医院とリーダーシップの関係

歯科医院にリーダーシップが必要な理由は、成長の限界を超えるためです。院長が診療だけのことを考えていると、歯科医院はいつまで経っても同じレベルのまま変わりません。院長なしでは回らない体制で、スタッフは進むべき方向がわからず、モチベーションの上がらない状態のまま業務してしまいます。

院長がリーダーシップを発揮することで、「業務効率を高めるアイデアを院長へ提案してみよう!」「院長の目指す医院を作るために、私も全力で働こう!」とスタッフのやる気が生まれていきます。医院の顧客である患者さんも、能動的で活気あふれる歯科医院に魅力を感じることでしょう。

リーダーシップの身につけ方

「リーダーシップの重要性についてはわかった。だが、私にリーダーの素質があるとは思えない」そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
経営学者として名高いピーター・ドラッカーは、著書「プロフェッショナルの条件」において次のように語っています。

リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。

つまり、リーダーシップは才能や素質によって作られるものではなく、仕事を通じて身につけるもの、ということです。

「医院のスタッフにやる気を出してもらうにはどうすればいいか?」「患者さんが魅力的に感じる医院へと成長するには何をすればいいか?」といった問いを持ち、日々向き合っていくことでリーダーシップは養われます。

リーダーシップは本業を営む中で身につけていく。そのことを覚えておきましょう。

リーダーシップを学ぶならこの本!

ここでは、これからリーダーシップについて学びたい方へオススメの本を2冊紹介します。

1)人を動かす デール・カーネギー

世界中で読まれている不朽の名作。日本だけでも累計発行部数500万部を突破しているベストセラー本です。

リーダーとして知っておくべき「人間関係の原則」を、豊富な具体例と共に解説しています。人に好かれるリーダーを目指したい方は是非ご覧ください。

2)リーダーになる人に知っておいてほしいこと 松下幸之助

「経営の神様」と高く評価を受けている、パナソニックグループ創業者の松下幸之助。彼が講話の中で語った「リーダーの心得」を抜粋・編集した本です。

素直な心を持って従業員と接していれば、相手の協力を得られ大きな物事を成し遂げられる。財産や学歴の無かった松下氏が成功した要因である「素直な心」、その心得に触れられる本です。

まとめ

最後に、今回お話した内容の重要ポイントを整理しておきます。

1) リーダーシップとは「ミッション・ビジョンを掲げ、部下のやる気を引き出し、未来を切り拓く能力」である
2) 院長がリーダーシップを持つことで、医院の進むべき方向が定まり、スタッフのモチベーションが高まる
3) リーダーシップは才能や素質ではなく、仕事を通じて身につけられるもの

歯科医院経営にも必要となる「リーダーシップ」。経営改善を図る際にはぜひ意識してみてはいかがでしょうか。

今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。


【参考文献・サイト】
・田中 道昭, 「歯科医院経営改善プログラム」, クインテッセンス出版, 2014年
・マックス・ランズバーグ, 駆け出しマネージャーアレックス, ダイヤモンド社, 2004年
・P・F・ドラッカー, プロフェッショナルの条件, ダイヤモンド社, 2000年
・デジタル大辞泉 https://bit.ly/3a7uNGQ

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