書くことがないので読書録「ぽんこつポン子」 2021-8-29

休みって本当に短いな。
ついさっき始まったばかりだと思ったらもう終わっている。
時間を有意義に使えていないことの証明なのかもしれないが。

先週の休日末は一切仕事に対して苦しさがなかったので「薬の力ってスゲー!」と思っていたが、普通にワクチン接種で休みを取ることが決まっていたからだったようだ。
明日からフルで働かなくてはならないことを思うと気が重すぎる。


今日は部屋を片付けて友人と遊んだだけで特に書くこともないので昨日読んだぽんこつポン子のレビューをします。

ぽんこつポン子は、妻を喪い田舎に一人で住む偏屈な老人吉村のもとにやってきたメイド型ロボット、ポン子が巻き起こすドタバタコメディだ。
マンガワンで読むことができたので、ちまちま読み進めていた。
単行本を買うかはずっと迷っている。読後でも全巻買いそろえたいと思えるほどには面白かった。

基本的に一話完結で、ポン子が何かしらをやらかして吉村さんに怒られたり吉村さんを巻き込んで大変な目に合わせたりして終わる。

最初の方は「話も面白いし田舎の空気感とかの描写が絶妙でいいな~」くらいに思っていたのだが、読み進めるうちに吉村さんやポン子、町に住む人々の心情や生き方の描写に惹かれるようになっていった。
技術の発展で栄える都市とは反対に昔ながらの装いを保ったまま穏やかに死にゆく集落。そこで生き続ける意味や覚悟、町や自分に近づく死に対する寂しさ等が相応の重さをもってそこにあり、心を打たれた。
純粋にコメディとしての質も高いのだが、ドタバタの裏でそういった心象描写等が多々盛り込まれており、単純な一話完結系コメディと思っていた私は大変な衝撃を受けた。
一話の中で笑って泣いて寂しくなって笑い泣いてと感情が両極を行ったり来たりする。

田舎の空気感や登場人物の心情の描写、その他いろいろな要素が絡み合って「なんかいい」としか形容することのできない良さが醸成されている。
儚くて切なくて面白くて寂しくて笑えて嬉しくてなんかいい。


基本的に私はコメディの最終回が苦手だ。
しっかりと時間の流れを持っていなかったものが、突如として流れの中に戻り終わりを迎えることに対するやるせなさや、もっといろんなエピソードを見たかったという寂しさに耐えることができない。
終わりなんてないという顔をしている癖に何の前触れもなく終わるので悲しくて仕方なくなる。

ただ、ぽんこつポン子に関しては終わりをすんなりと受け入れることができた。
一話ごとに確実に時間が進んでいたこともあり、「この物語は終わりを見据えて動き続けているのだ」と理解することができたのが大きかったと思う。
吉村さん達が終わりを見据えながら過ごす姿をみて早いうちからこの物語は終わらなくてはならないと感じ、少しずつ収束し続ける物語に対して心の準備をすることができた。
ポン子がぽんこつさで吉村さん達を振り回しながらも手を引いてすっきりした終わりにまい進する話なのだなと思ったし、作者さんが物語の最後を意識しながら書き進めているのだろうなという感覚が序盤からずっとあった。


個人的に好きな話は二話だ。
先ほど書いた残されたものの儚さなどの描写とコメディの落差をしっかり感じ取れるし、ここから少しずつポン子が吉村さんに受け入れられ始める本当の始まりという感じがして良い。


やっぱり全巻買ってしまおうかな。
何度読み返しても面白いのだと思う。10巻で完結なのでそこまで揃えるのが大変というわけでもない。

是非皆にも田舎の祖父母や両親、故郷そのものに思いを馳せながら読んでみていただきたいと思う。


それとこういう雰囲気の漫画があったら教えてください。大好きなので。

今日はここまで。

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