見出し画像

二度と出会えないだろう名作ロボゲー

 子供の頃からのロマンといえばやはり巨大ロボを操ること。豪快に剣を振り回し、ミサイルで爆撃、とどめは必殺技でフィニッシュ。そんなロマンを叶えられるゲームがあるんです。DSには。

 『超操縦メカMG』。それがそのゲームタイトル。もう15年くらい前のゲームです。サンドロット製作の巨大ロボゲーです。

 マリオネーションギア、通称MG(ゲーム内では「人形」と呼ばれることが一番多いかも)という巨大ロボを操って街の平和を守ったり、最強の人形使いを目指したるするというゲームです。物語は完全自動人形「オートマン」の暴走から全てが始まります。線路を塞いでしまっている岩を撤去するなど街の人の困りごとを助けたり、最新の人形を求めて旅したりしながらストーリーが進んでいきます。オートマンの暴走の裏に潜む巨大な組織、人形を使って破壊活動を企む組織など、主人公に立ちはだかる悪いヤツら。若き少年がライバルたちと共に成長し、人形を楽しみながら、倒すべき悪は倒していく、そういう物語です。どちらかというと正義と悪が明確に分かれていてややこしくない、王道といった感じです。

 肝心なこのゲームを推したい理由ですが、その操作にあります。まず、操作についてですが、DSの良さを最大限生かしたゲームと言えます。2画面で下はタッチパネル、そして十字キー。これら全てを最大限魅力的に活かしたゲームです。人形の移動は基本的に十字キーで行います。ちなみに、左利きの人向けにABXYキーでも移動が可能です。移動は単純な操作です。移動だけでややこしい操作をしてしまうとそこで作業を持っていかれてしまうのでシンプルなのが一番ですね。

 そして、剣を振り回す、ミサイルを打つなどの動作は全てタッチパネルで行います。DSの上画面は自機の背後からの視点で、下画面が全てコックピットになっています。しかも、レバーをガチャガチャいじったり、安全装置を解除してから必殺技を発動させたりといい感じにロマン溢れる操作をさせてくれます。単純なレバーやスイッチのON/OFFだけで動く機体もあれば、いちいち弾丸を装填したり、コックピット内でミサイルを組み立てなければならない機体もあります。個人的にはDSの下画面をこの世で一番上手く使ったゲームだと思っています。移動だけは単純にして、機体を操っている感が出るところは完全タッチのコックピットでさせてくれる、ロマンの塊みたいなゲームです。

 「単純なレバーやスイッチのON/OFFだけで動く機体もあれば、いちいち弾丸を装填したり、コックピット内でミサイルを組み立てなければならない機体もあります」と述べましたが、そうですこのゲームで使える人形はめちゃくちゃ多彩です。全121体です。といっても、ある人形の強化版、それのさらに強化版みたいなのも含めて全121体なので、実質操作方法の種類としてはその大体1/3くらい、40種類くらいです。いやそれでも十分多いです。しかも、多少似通った操作はあるものの、どれも個性豊かな操作方法ばかりなので好みや気分に合わせて機体を選ぶことが出来ます。剣を振り回したい時、銃で狙って倒したい時、爆撃で一掃する戦い方がしたい時、使いにくい機体で強い敵を倒す縛りプレイとしたい時、気分に合わせて楽しめます。ビームを発射できるのもあります。ロケットパンチができるものも…。そしてこの人形の外見ですが、これもまたどれもかっこいいです。正統派かっこいいから、渋くてかっこいい、なんか可愛らしい、ちょっと面白いのまで多彩です。前述した強化機体に関しては、同種の色違いになっていることがほとんどで、強くなるごとに機体の色が強そうでかっこよくなっていきます。

 ちなみに、ストーリーの進み方ですが、自動的に進んでいくのではなく、イベント一つ一つが独立したミッションの形をしており、それを順番にこなしていくことで進みます。過去にクリアしたミッションを何度でもやり直すことができます。そしてそのミッションは四段階の難易度にわかれているため、過去にクリアしたミッションの別の難易度にもすぐ挑戦が可能ですし、過去にクリアしたミッションを別の機体で挑むことも出来ます。ミッションによっては一定確率でアイテムを手に入れることができ、それで機体の強化や新しい人形の収集もできます。ぶっちゃけストーリーもあってないようなものですが。

 こんな感じにめちゃくちゃ褒め称えているゲームですが、欠点も沢山あります。まず、処理落ちがひどいことです。敵が多数登場するミッションでは動作がめちゃくちゃもっさりしてしまいます。せっかくの操作性がもったいなく感じてしまいます。次に通信プレイのしょぼさです。通信プレイではアイテムの交換しかできません。対戦や協力プレイができればなあ…。最後に背景のイマイチさです。人形そのもののデザインやその操作はかなり洗練されています。しかし、街の背景やビルとか建物がミニチュアの箱みたいな感じです。ビルを破壊したときも一瞬で無に還ってちょっと土煙が上がる演出があるだけです。メモリや予算や技術の都合もあり仕方ない側面もあるのでしょうが、せっかくの臨場感が減ってしまいます。

 このように多少欠点はありますが、それを差し引いてもロボゲーとしての完成度がトップクラスに高いと主張したいゲームです。裏返していえば、ロボゲーとして大事な部分を洗練させるために犠牲にせざるをえなかったものがあるのかもしれません。それくらいロボゲーとしての完成度は高いです。こんなにロマンを叶えてくれるゲームは私は知りません。プレイ時間もカンストし、全機体を集め、全ミッションを全難易度でクリアした、つまり全クリをした唯一のゲームです。ロボゲーは沢山ありますが、今後これを超える名作ロボゲーには私は出会えないでしょう。

 


#全力で推したいゲーム

この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

よし涸れよ濁さんよりは