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※ネタバレ有※『あなたの番です 劇場版』が期待の数倍面白かった

劇場版『あなたの番です』がめちゃくちゃ面白くて、誰かに話したい! と思って。プライベッターに投稿する用の感想を書いてたんだけど、書き終えて投稿ボタンを押す寸前にnoteの存在を思い出したのでこちらに。
あんまり推敲してないけど、今の熱量のままアップしちゃおう。
 
めちゃくちゃねたばれ

(いらすとやには何でもあるなあ)

ドラマを経て、登場人物の背景や過去がきちんと頭に入った状態で、まったく違う筋書きの事件を観ていくっていうのが悔しいくらい面白かった。
通常は、2時間の映画を観ていくなかで登場人物の背景や動機が徐々に見えてきて徐々に引き込まれていくと思うんだけど、今作は最初からストーリーだけに没入できちゃうというか。この仕組み、ずるいなあ。

ドラマ版で、実行犯だった内山を二部まで出さなかったのは反則だと思っていて。だからあのドラマは「ミステリ」のカテゴリに入れるべきではないと思っているんだけども、映画はしっかりミステリだった……。
いやいやそれは無いわ、ってシーンもあるにはあったけど(内山の頭は何事?)、フーダニットの作品で犯人が明らかになった瞬間に「え!?」ってなったのは久しぶり。これだけでミステリファン的にはもう満足。わたしがチョロいだけかもしれない。

でも、黒島が乗船してるのを見つけた神谷の表情とか、伏線がなかったわけじゃないのよね。
さらに、ドラマ本編を観た我々は「神谷はただの善良な刑事じゃない」ということを知ってたはずで。なにかの弾みで世界のシナリオが変われば、大きな罪を犯す素質は十分に持っていたわけで。
そういう意味では、分かってみればめちゃくちゃ説得力のある犯人像だった。でもわたし、神谷が翔太を絞め殺そうとする直前まで田宮が犯人だと思って観てた(田宮はただただトイレに行きたいだけのかわいそうな人だった……笑)

普段ミステリを嗜む媒体が小説ばかりなので、映画ならではの演出にも感心しちゃった。
中盤の、二階堂と黒島のやり取りの場面。「曖昧な態度だったからちゃんとさよならを言おうと思って(大意)」と告げる黒島に、別に二階堂に対する態度は曖昧に見えなかったけどな……と違和感は抱いたものの、それ以上は考えが及ばなかったなー。
ちょっとずるくない? とも思ったけど、振り返ればこの映画、わりと序盤から「別の船室の同時間帯の様子を次々に映す」という見せ方を(明確にそうとわかる形で)提示していて、なるほど騙された! と。間取りが同じ船室だからこそできる演出。映画って面白いね。

この場面も含め、映画でもキーになったのは黒島。パラレルワールドであっても黒島の「人を殺したことがある」「殺人が楽しい」という過去や性質は変わらないので、そこをどう織り込むのかなと思っていたんだけど、その性質ゆえに死ぬことになるっていうのは腑に落ちた。人の生死に「腑に落ちた」とか、なんてこと言ってるんだろうわたしは。

事前特番で「ドラマと映画、あなたが演じた役にとってはどちらの世界のほうが良かった?」という質問に、黒島(西野さん)は「映画」と答えていたのよね……。殺人を重ねず、「二階堂のために殺される」という選択をしたほうが幸せだった、と……。一方の二階堂は「ドラマ」と答えていて、どれだけ自分が危険な目に遭っても、黒島が手を汚しまくっていても、それでも黒島には生きていてほしかったのか、と思うと(語彙力の敗北)。
ちなみに、個人的には、西野さんの演技は黒島にぴったりだと思っている。へたに激昂したり不気味に笑ったりするより、あのくらい無邪気で淡白なほうが"本物"感があってわたしは怖い。

というわけで、空くんが出なかったこと以外は大満足の劇場版でした。大スクリーンで田中レイくんを観たかったけど、空くんが怖い思いをしない世界で良かったです。サメなんだったの? とかあんな物騒なもんバーに飾ってある? とか翔太くんの体力バケモンか? とかはとりあえず気にしないことにしましょう。
船室の部屋番号を頭にたたき込んでもう一度観たい!!!!

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