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最近SaaSの壁打ち相手をして感じたこと

 今年に入ってから、オフライン・オンライン問わずSaaSの相談を受けることが増えてきました(月2~3件くらいはコンスタントに壁打ち相手をしている。2020年4月に札幌にきてからは全てオンラインで壁打ち相手)。そんなに優秀な人間ではないし、壁打ち相手として不足している部分もあるかと思うのですが、SaaS業界には長くいるし色んな事例や組織は経験&見聞きしているので可能な限り壁打ち相手(要はサンドバック要員w)としてお応えするようにしています。その時によく聞く言葉が「THE MODEL型の組織を作りたいんです」「THE MODELのとおりやっているのに上手くいかない」などの言葉たち。私自身も過去導入したてのころ同じように考えていて、かつ、かなり失敗したのでもの凄く身に染みる言葉。よくわかる。しかし、現在私は「THE MODELと同じにする必要はなくて、あくまでも市場環境、自社フェーズ、人員、組織に適したフレームワークを構築すれば良いと思います」とお応えしています。

【そもそもTHE MODELのメリット(個人的な意見)】

 あくまでも個人的な意見(各人・各社によって感じるメリットは変わる)としてTHE MODELの導入メリットは下記だと感じ導入しました。

・各パイプライン担当部署が「やるべき仕事」にリソースを集中できる

・組織内での再現性が高まる(属人化が防げる)

 最近は最初から分業スタイルの組織で仕事をしている方も多いがTHE MODELが出てくる前の営業活動は全く異質のものでした。

・私個人が営業をやっていた時代の例は下記

顧客訪問5~6件/日(合間に1日200件テレアポ)→クロージング→サポート

※時間があるときにはFAXDMやメールDMなど送付

※訪問する顧客はランク分けしている人としてない人などみんなバラバラ

・THE MODEL導入後

顧客訪問5~6件/日→クロージング

※訪問の中にはいわゆるLTVが高い優良顧客(ビックアカウント)も計画的に各メンバーに合わせて組み込まれている

 主要KPIであるクロージングに注力できるようになり、営業によっては徹底していなかった顧客ランク分けもされてビックアカウントのクロージングにも注力できるようになりました。

また、ビックアカウントに訪問する前は事前にシナリオシートを作成。各営業マンのノウハウが自然と共有される仕組みを構築したことにより営業成績は向上しました。また、各パイプライン部署のメンバーが同じ活動を短期間で相当数こなすので成長が早く戦力人材になる時間が短縮されました。

 通常のTHE MODELと違うのはビックアカウントのアポ取得はインサイドセールスではなく各フィールドセールスが行うようにしたことです(その方が顧客業界構造的にアポ取得率、クロージング率が高かったから。)。導入メリットを高めるためにあえてTHE MODELとは形を変更しましたが結果良かったと今でも思います。

※上記はあくまでも2014年とか2015年くらいの話です。当時が現在のような状況だったならインサイドセールス&オンラインセールスでクロージングまでもっていくフレームワークを構築します(リード供給する部隊、ビックアカウント攻略部隊、オンラインセールス部隊)

 上記のように享受するメリットや時流に合わせて変化させていくことが肝要でありTHE MODELの「形」が全て正解という考え方は避けた方が良いと感じます。

【分業の弊害】

 また、壁打ちの時に聞くもう1点が「各パイプライン部署同士の情報連携がうまくいかない」といった言葉です。フィールドとインサイドがアポの質で対立する、マーケとインサイドがリードの質で対立する、カスタマーサクセスとフィールドがクロージング対応で対立する・・・など。この点に関してはお互いの部署同士で話をすると対立がこじれるだけになることが多いので第三者機関として組織全体の情報連携を促進する担当者・部署の設定をオススメします。今風の担当者でいえばCRO、部署ならセールスイネーブルメントを拡張させて各パイプライン部署全体をみて組織最適化を図るようなイメージでしょうか。要は顧客起点で組織を横断的に見て、部署間の狭間で宙ぶらりんになっている機会損失をなくし、機能的に動かせる仕掛けを作るのがよいと感じます。(自社に適した人材がいない場合は外部人材を非常勤で入れて知見をもらうというのも一つの手だと思います。社外の人間の方が社内人間関係を忖度しないのでフラットな意見が出たりしますしね。)

 さらに分業の弊害を減らすためには各パイプライン部署のメンバーを計画的に異動させることも必要だと思います。2~3年間くらいかけてマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを全部署経験させるとどの部署でも全体を理解しながら活動をできる人材になるります。(長期間が難しい場合は入社研修も兼ねて最初3ヶ月間だけでもいいので必ず全部署を経験させることくらいは必須としてた方がよいです。)

【最後に】

 最近SaaSの壁打ち相手(サンドバック要員)として感じたことをつらつらと書き連ねてみました。すでにSaaS業界では一般的にいわれているような話もあるかと思いますが個人的な備忘も兼ねて記載しております。

 私はSaaSに限らずビジネス全般で重要なことの一つに「変化に適切に対応する」を掲げています。フレームワークに関してもその形にこだわることなく本質的なメリットを得られるように市場環境、自社フェーズ、人員、組織などを勘案し柔軟に変更し適用することがとても重要だなぁという個人的な思いを込めて記載しました。

今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

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