営業とバックオフィスは生きてる時間が違うから数字(と話)が合わない
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ITコンサルに入る企業の約10割から言われる「数字が合わない問題」についての考察noteです。営業/経理/情報システムの方はぜひ読んでみて感想いただけると嬉しいです。
「数字が合わねぇ」
情報システムのお仕事をしていると営業部長くらいの役職の方と経理部長/経営企画部長の方からこんな嘆きを伺うことが多いです。
これ、実は仕事のスタンス上仕方がないことです。なぜなら。
「営業と経理で数字を認識したいタイミングと数字が違う」
からです。
把握したいタイミングも違えば、見たい数字も違うので、お互い「数字が合う」ということは永遠にありません。
営業時間と経理時間
営業時間と経理時間の関係を図表にしました。
営業組織は4月には4月の数字(=営業成績)を追いかけ、経理組織は、4月には3月の数字(=計上金額)を追いかけます。
営業が見たい数字と経理が見たい数字
営業が見たい数字は、4月の営業成績が達成できるかどうか?です。
「売上」ではなく「営業成績」とあえて言葉を変えているのは理由があります。経験上、ほとんどの営業組織で会計上の金額をKPIとして置く企業はないからです。※1
経理が見たい数字は、計上金額です。計上金額は、営業成績(受注)を売上が発生する期間に割り振った結果で求められます。
お互いの立場を理解できないのは仕組のせい
お互いの立場を理解して仕事しましょう!という話ではあるのですが、ほとんどの組織で「営業時間と経理時間&営業数字と経理数字」を考慮してシステム設計/オペレーション設計がされていません。
そのために、お互いの立場を理解できるきっかけがないことが問題です。
お互いを理解できるきっかけがないために、コミュニケーションギャップが発生していることが多いのではないでしょうか。
このnoteを書く発端になった「CRMで作成し、承認を経た見積を販売管理システムに転記しているオペレーション」はまさにです。
そのオペレーションは、営業/経理/情報システム、どんなメッセージの元構築されたのか?投げかけるメッセージ、コンセプトによって実際のオペレーションを行っている人の仕事の質が変わるんじゃないでしょうか。
システム設計/オペレーション設計はITの出番
このnoteは営業の方、経理の方向けというよりは、IT部門の方向けです。
「業務理解」というと「プロセス」の話に目が行きがちですが、本当に理解しないといけないのは、時間感覚です。
各事業がどんな時間感覚を持って業務をし、どのように情報が連携されていっているか。プロセス理解以前の問題です。
ITシステムの設計をミスると、ビジネススピードの低下、しいては事業価値の毀損に繋がります。
事業価値を高めるシステム設計/オペレーション設計はITが肝です。事業価値を高められる仕組みを作っていきましょう!
次回予告
※1について
「会計上の売上」→「営業成績」への変換が営業組織のマネジメントの肝なのですが、そちらは次のnoteテーマ「営業組織のインセンティブ設計」で書く予定です。
元気になります。