BizDevの民主化を目指す
BizDevに携わって早5年が過ぎました、吉澤和之と申します。
いきなりですが、みなさんはBizDevという職種をご存知でしょうか。最近はスタートアップやSaaS業界で耳にすることが増えましたが、まだまだ広く普及している訳ではありません。一方アメリカでは比較的広く認知されていて、CBDO(Chief business development officer)という役職も多く輩出されています。日本ではまだCBDOという肩書きの人と出会ったことがありません。いたとしてもごくわずかです。
僕は、BizDevという職種の民主化を進めたいと考えています(その理由は後述します)。しかし、そこには高い壁があり、なかなか浸透しないのが現状です。その理由はなぜでしょうか。
その要因を挙げるなら、BizDevにはフレームワークが存在しないからだと思います。つまり、手本となる人物や教科書がないために、属人的な職種になりがちなため、人材育成・教育プロセスを踏むことができないのです。
またそれに加えて、BizDevとは何をする職種なのか、その定義ですら曖昧なため、説明が難しいのも要因の一つでしょう。実際、BizDevが課せられる任務は企業によってばらばらです。代表的なものを挙げると、
・ソリューション開発
・パートナーアライアンスの推進
・業界・市場リサーチ
・新規事業立案
・機能開発(時にはPMM*プロダクトマーケティングマネージャーも)
・既存事業再構築・拡張
という感じです。どうでしょう。幅広すぎませんか?(笑)要は「何でも屋」さんです。BizDevであるということは、営業も出来なければいけないし、開発側の知識も必要だし、ソリューション開発のためには創造性も鍛えなければならないし、リサーチやP/Lの管理なども行うので左脳も重要になるし、とにかくいろんなスキルを持たなければなりません。しかし裏を返せば、スーパーマンとして活躍できる魅力的な職種とも言えます。
こうした曖昧さと難しさが故に、会社に1人は必ず存在する「何でも屋さん」に白羽の矢が立ち、その人が何でもこなせるよう「事業開発部」という部署が立ち上がり、企業課題ごとに設定されたミッションを特命係長として担うことになるのです。
国連人口部は17日、世界人口について、2057年に100億人を突破する一方で、日本の人口は58年に1億人を下回り、2100年には7500万人になるとする推計を発表した
日本の若年層はこれから減少の一途を辿ります。そのなかで、「何でも屋さん」は貴重な戦力になります。単一の職種・スキルに依存している時代は終わりを告げ、マルチスキル・多動力が重要な鍵を握る時代へと変わります。つまり、BizDevがいよいよフォーカスされる時代がやってきたのではないか、と思っています。
BizDevの民主化を進めるに当たって、僕は自分が考えるフレームワークを公開することにしました。何をもってBizDevと言うのか、その定義も作ることにしました。そして、BizDevの組織作り、仕組み作り、人材育成を支援していこうと考えています。
マーケティングテック、SaaSビジネスというニッチな分野からの発信ではありますが、皆さんにとって少しでも役立つヒントになれば幸いです。
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