仕事・ビジネスに役立つ!チャットGPT完全攻略ガイド【企業向け業務改善・DX】
本記事は、「チャットGPTって最近テレビで目にするけど、実際どう活用できるのさ?」と思っている方に向けて、ChatGPTの活用事例を具体例とともにできるだけかんたんな言葉で紹介し、企業やビジネスパーソンのAI導入の手助けになることを目的としています。
企業でのチャットボット導入を通じた業務効率化や、競合優位性を築くための具体的なアプローチを提案します。
チャットGPT (ChatGPT) って何?
ChatGPTは、AI(人工知能)を活用して、さまざまな業務を短時間で高品質にこなすことができるチャットボットです。まるで人間かのような自然な文章を書いてくれる最新鋭の汎用AIと、会話形式でやりとりすることが出来ます。
ChatGPTは、あなたの仕事の優秀なパートナーとして、一言も文句を言わずに働いてくれます。業務の効率化と、より創造的な発想の手助けとなるでしょう。
チャットGPT (ChatGPT) を使うとどんなことができるの?
ChatGPTの最新モデル「GPT-4」は、平均的な人間を上回る知能があり、司法試験を合格できるほどの賢さがあるとさえ言われています。
業務の中でChatGPTが活躍できそうなシーンを例を交えてご紹介します。
メールや契約書などの文章要約・解説
新企画のアイデア出しとブレスト
データ分析と整理
リサーチやアンケートシミュレーション
デザインのアイデア提案
文章の構成・校正・品質チェック
要件定義・与件整理
翻訳サポート
営業企画・提案書作成
スケジュール・プロジェクト管理
次項から、順を追って説明します。
チャットGPT活用事例1. メールや契約書などの文章要約・解説
ChatGPTが最も得意と言われているのが「要約」です。長くて複雑だったり、難解で読みづらかったりする文章もいい感じに要約してくれます。
今回は日本国憲法前文を要約して解説してもらいます。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
憲法のような難しい文章でも、ChatGPTなら小学生でもわかるような平易な文章に要約してくれます。
チャットGPT活用事例2. 新企画のアイデア出しとブレスト
ChatGPTを活用すれば、頭を悩ませる新企画のアイデア出しもお手の物です。しっかり前提条件を伝えれば、非常に的確なアイデアを提案してくれます。
それでは、洗濯用洗剤メーカーの商品企画部になりきって、新商品のアイデアを出してもらいましょう。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
ちゃんと梅雨というお題から速乾や防カビ、香りなどを汲んでいて、なかなかいい感じです。ただ、商品名がいささかチープなので無茶振りしてみます。
エレガントになりました。
チャットGPT活用事例3. データ分析と整理
ChatGPTは、データサイエンティストとしても非常に優秀な働きをしてくれます。
テキストで渡せるデータであれば、表形式やCSV形式でも読み取ってくれます。コピペするときに表示が崩れてしまっても、AIはよしなに解析してくれますよ。
それでは、ちょっとしたデータを渡して自由に分析してもらいましょう。データ部分は、Webサイト上の表をまるっとコピペしただけです。人間が見ると非常に分かりづらい表ですが、果たして……?
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
おお、シンプルに最多・最少を指摘してくれました。でもこれでは分析とは言えませんね。もう少し掘ってみます。
■入力文:
■ChatGPTの回答:
真偽はさておき、可能性としてはそれらしい回答をしてくれている気がします。もう少し質問してみましょう。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
いや~~、素晴らしいですね。同じ質問をされて、即座にこれほど学際的な理由を推測できる人ははたしてどれだけいるでしょうか。少なくとも私は無理です。
ChatGPTはインターネット上のあらゆる文献をもとに学習していますから、それらの情報を統合して回答していることには違いないのですが、Google検索をいくら駆使してもここまで理路整然とまとめ上げるのはちょっと難しそうです。
ChatGPTの凄まじさがだんだんお分かり頂けてきたかと思います。
チャットGPT活用事例4. リサーチやアンケートシミュレーション
市場調査やアンケート調査は、事業の成功の確度を上げるためには必要不可欠なもの。それゆえ、企業は大量の時間や人員、費用をかけて調査しレポートを入手しています。
しかし、いくら苦労して作成したレポートであっても、バイアスが掛かっていたり、副次的な要因を考慮出来ていなかったりすることも多々あるでしょう。現実的に、完全な調査を行うことは難しいのです。
しかし、今はもう違います。なぜなら、ChatGPTがあるから。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
少ない情報を与えただけでも、これだけ「それっぽくて生々しい」レビューのシミュレーションが生成できてしまいました。与える情報を増やせば増やすほど、レビューの精度は上がっていくでしょう。同様に定量的なレポートを作成させても、ChatGPTは根拠付きでそれっぽい結果を提出してくれます。
もちろん本当に調査した結果ではないため信用しすぎるのも問題ですが、少ないコストで実施した「リサーチ的な何か」よりはいささか信用に値するのではないでしょうか。なんていったってGPT-4は膨大なデータを学習していますから。
チャットGPT活用事例5. デザインのアイデア提案
ChatGPTは、なんとデザインにも使えます。
……といっても、あくまでチャットボットなので完成デザインを出してくれるわけではありません。ありませんが、テキストで完結する範囲のアイデアであればなんとかなるでしょう。
好例はカラーパレットの提案です。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
漠然としたオーダーに対しても、それっぽい色をちゃんと出してくれました。即戦力になるかはさておき、アイデア出しのたたき台としては十分なのではないでしょうか。
たとえば、さらに用途を具体的に指定したり、テイストやトーンのイメージを追加で指定するとよりよいかもしれません。思いつかなかったら、そこからChatGPTに聞けばいいのです。「○○な人をターゲットに○○のデザインを作るのだけど、どんなトンマナにすればいいかな?」といった風に。
チャットGPT活用事例6. 文章の構成・校正・品質チェック
ChatGPTは文章を整えることももちろん大得意。
たとえば伝えたいことをざっくり箇条書きにして「この記事の構成を考えて」といえば見出しを作成してくれるし、「このプレスリリースを校正して。ちなみに正情報は~~」などと伝えれば正情報と照らし合わせて誤字脱字ミスチェックも完璧にこなしてくれます。
また、「この文章を対外的な表現に直して」といえば、すぐに社外向けの公的な文章にしてくれます。
チャットGPT活用事例7. 要件定義・与件整理
ChatGPTが真価を発揮するのが「要件定義」。社内外のメンバーに仕事を依頼する際には要件をしっかり定義することが大切ですよね。しかし自分だけで抜け漏れなく要件を決めることは難しいもの。そんなときにもChatGPTが役立ちます。
ChatGPTに「こんな目的でこういうことをしたいです。要件定義をしてください」と語りかければ、すぐに網羅的に回答してくれます。もちろん、リクエストの内容は具体的にすればするほど要件定義の精度は高まります。
そうなんです。もう人間に仕事が残らないのです。
チャットGPT活用事例8. 翻訳サポート
あなたは、英語を翻訳するときに何のツールを使用していますか? Google 翻訳? DeepL? ともすればエキサイト翻訳かもしれませんね。
ChatGPT の登場によって、それらは全て過去となりました。今日から考え方を変えてください。
ChatGPT は全ての翻訳ツールより高性能かつ自然に翻訳することが可能であると言われています。そもそも ChatGPT の根幹をなす技術 Transformer は機械翻訳のための技術でした。Google の研究者たちが2017年に執筆した論文 “Attention Is All You Need(=注意こそが全て)”では、Transformer が英語の翻訳タスクで高い性能を発揮したことが紹介されています。ちなみに GPT の T は Transformer の T です。
チャットGPT活用事例9. 営業企画・提案書作成
クライアントへの企画提案書の作成にももちろん ChatGPT は活用できます。
たとえば「以下の企画をクライアントに提案するためのプレゼンテーション資料の具体的な内容を作成してください。クライアントの心を掴むような魅力的なコピーを使うこと」などと指示すれば、きっと下手な人力資料よりよっぽど強力なプレゼン資料ができあがるでしょう。
チャットGPT活用事例10. スケジュール・プロジェクト管理
ChatGPTはスケジュールも作成してくれます。
■入力文:
■ChatGPT (GPT-4) の回答:
ChatGPT に作図させたい場合は「Mermaid記法」が便利です。Mermaid記法はNotionで利用できますが、https://mermaid.live/でブラウザ上で試すことも可能です。https://mermaid.live/では、完成したMermaid図を画像として保存することもできます。
Mermaid記法ではこの他にもフローチャートやシーケンス図なども作画することができます。
なおChatGPTはそのチャットの最初のメッセージの送信日時を把握しているので、上記の例では何も言わずともプロジェクト開始日が執筆時点での本日になっています。
チャットGPT活用事例11. 見積もり作成
全く工数の見当がつかない、そんなときでも見積もりを作らなければいけない。生きていれば一度や二度そんなこともありますよね。
ChatGPT は、なんと要件さえ伝えれば「それっぽい工期・人件費」の概算を見積もってくれます。流石に厳密なものは不可能ですが、相場を知っているので、桁を間違えるようなことはないでしょう。要件が決まらない?要件もChatGPTに考えさせればいいのです。
チャットGPTを使うと他にもこんなことも……
簡単レシピ提案
学習のサポート
俳句や詩の作成
ラップ作詞
Webサイト構成案
よくある質問と解答の作成
小説執筆
漫画のストーリー作成
プログラムコードの作成・レビュー
トリビアや雑学の提供
はい、本当にできます。
レシピ・献立提案や学習サポートは私が作成したLINE botでも無料で簡単に試せるのでぜひ利用してみてくださいね(宣伝)。
チャットGPTを使いこなすコツ
さて、具体的な使用例がお分かりいただけたかと思いますが、いくつか注意しなければいけないポイントもあります。このコツを覚えておかないとせっかくのAIの利点を台無しにしてしまうかもしれません。しっかり抑えておきましょう。
2021年9月までの情報しか持たないので注意すべし
高性能なGPT-4を使用すべし
正確さよりも発想やアイデアが必要な局面で使用すべし
人間への依頼と同様に、抜け漏れなく要件を指定すべし
例や形式を提示すべし (Few-shot Learning)
段階的に思考させるべし (step-by-step, Chain of Thought)
チャットGPTのコツ1. 2021年9月までの情報しか持たないので注意すべし
これはよく言われている話ですが、ChatGPTは2021年9月までの情報しか知りません。なので、新型ウイルスの流行は知っていますが、日本の首相が岸田文雄さんになったことは知りません。最新の情報は検索しましょう。
チャットGPTのコツ2. 高性能なGPT-4を使用すべし
ChatGPT には現在2つのモデルが搭載されています。1つが GPT-3.5 で、もう一つが GPT-4 です。無料プランでは現在 GPT-3.5 しか使用することができません。これは非常にもったいないことで、GPT-3.5 だけを使用して「フフーン、AIもしょせんこの程度か」と考えることは危険です。有料の ChatGPT Plus プランに加入し、最新の GPT-4 を使用しましょう。
なお、後続のGPT-5は2023年末に公開されるという噂があります。
チャットGPTのコツ3. 正確さよりも発想やアイデアが必要な局面で使用すべし
ChatGPTは検索の代用としてはいけません。もう一度言います。ChatGPTは検索の代用としてはいけません。
どういうことか。
自分の名前をChatGPTに入れて、知ってるか聞いてみる
地元のゴミ出しの曜日を聞いてみる
今日の天気を聞いてみる
ChatGPT は、こういうことを聞くためのものではありません。聞かないでください。
GPT はデータベースの中から検索して回答してくれるものではなく、広い記憶空間 (ニューラルネットワーク) の中から最もそれっぽい単語を選び出して連結する仕組みです。なので、聞くたびに微妙に答えが変わったりすることもあります。
また GPT-4 にはハルシネーション(幻覚)と呼ばれる、間違った回答を出力してしまう問題も(GPT-3.5 ほどではないにしろ)まだ残っています。
ChatGPT は、正確さが求められる局面では使用すべきではありません。ググれば分かることはググってください。
チャットGPTのコツ4. 人間への依頼と同様に、抜け漏れなく要件を指定すべし
人間への指示が上手な人ほど、AIを使いこなすことが上手です。
逆に言えば、今まで部下に忖度させてきた人には残念ながら使いこなすことは難しいでしょう。
ChatGPT はとても優秀ですが、毎回まっさらな状態でやってきます。そのため、ちゃんと前提や条件、制約やスコープを与えてあげる必要があります。もちろん、あなたの態度や顔色も伺ってくれません。ChatGPTの前では皆平等ということです。AIによって却って人間側があけすけになってしまうとは得てして皮肉ですね。
聞き方のコツですが、まず最初に指示内容を簡潔かつ明確にします(instruction)。たとえば「○○を作成してください」「次の文章を校正してください」のように。その後、加工したい文章や条件を「###」等で区切って、明確に渡します。ちなみにこの手法はOpenAIのサイトにベストプラクティスとして紹介されている公式なものです。
以下は公式ドキュメントを機械翻訳したものです。
つまり、
のように命令と文章を明確に切り離す。そして「箇条書きで」「表形式で」等のように出力形式を指定する。これが基本の基本です(意外と出来ていない人が多いのですが……)。
チャットGPTのコツ5. 例や形式を提示すべし (Few-shot Learning)
ChatGPT に狙った回答をさせるために有効なのが例示です。出力の例や形式を指示文に含めてあげると、ChatGPT はよりしっかりと理解したかのような回答をしてくれます。
チャットGPTのコツ6. 段階的に思考させるべし (step-by-step, Chain of Thought)
ChatGPT にやや複雑で論理的な回答をさせるときに効く有名な呪文、それが「段階的に考えてください (Let's think step by step) 」です。これは、東京大学の学生が論文「Large Language Models are Zero-Shot Reasoners」で発表したテクニックです。
やや複雑な指示をするときには「段階的に考えて」のキーワードを入れてみてください。
チャットGPTが使えないと取り残されます。マジで
ChatGPTはいまだかつてない速度で急速に普及しています。一方で「知ってはいるけど使いこなせていない」という人が本当に多いのです。
無料版で性能の低いGPT-3.5しか使用していなかったり(これはこれで低コストで高速なので使いようなのですが)、そもそも使ったことすらなかったり。
しかしChatGPTは本稿で紹介したように非常に強力なツールで、手足の如く使いこなせれば人間の何倍もの効率で仕事をしてくれたり、柔軟な発想で新たなアイデアを無尽蔵に提案してくれたりします。
ぜひあなたの仕事や趣味、生活に積極的にChatGPTを採り入れてみてください。AIは、きっとこれからの人生をより拡張させてくれるはずです。
なお、ChatGPTやAIの導入補助・コンサルティングも受け付けております。無料でのご相談も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
✉ sa1p.diffusion@gmail.com
↓サポートを受け付けています。このnoteが役に立ったと思っていただけたら少額でもご支援いただけると励みになります。
無料公開を継続するためにご支援お願いします。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?