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こぎん刺しで思い出す青森県弘前のこと

皆さまは読書をするときにブックカバーを使いますか?

わたしは電車とバスを使って通勤していた時期によく使っていました。文鳥が好きなので文鳥柄のブックカバーを見つけるとついつい買ってしまうのですが、その他にもいくつか持っています。

今回ご紹介するのはこちら。

青森県弘前を中心とする津軽地方で生まれた伝統工芸「こぎん刺し」のブックカバーです。数年前に青森県の弘前を訪れたとき、しおりと一緒に購入しました。

こぎん刺しは、江戸時代に麻の着物しか着ることが出来なかった津軽の農民たちが冬の厳しい寒さをしのぐため、補強と保温を兼ねて麻布に木綿の糸で刺繍を施したのが始まり。

明治時代に木綿の糸が自由に手に入るようになると、女性たちはこぎん刺しを楽しむようになり、様々な幾何学模様が生み出されました。現在までに約40種類もの伝統模様があるそうです。

広げてみるとこんな感じ。

1目、3目、5目……と奇数の目数で織り糸を拾いつつ、横一列に刺し進めていくのがこぎん刺しのルールなのですが、伝統模様の中には奇数ではなく偶数の目数で刺されたものもいくつか存在しているのだとか。

繊細で美しい模様

こぎん刺しの模様は「もどこ」と呼ばれ、「豆こ」や「花こ」、「てこな(蝶々)」、「うろこ形」、「猫の足」といった動植物や昆虫にちなんだ名前のものもあります。なんだか可愛いですよね。


こぎん刺しのブックカバーが手に入るのは青森県弘前にある雑貨や衣類、コスメなどを取り扱うセレクトショップ「green」。

白を基調とした明るい雰囲気の店内にはこぎん刺しの普及活動を行っているこぎん刺し研究所とコラボしたオリジナル商品が並び、ブックカバー以外にも印鑑入れやポケットティッシュケースなどのアイテムもありました。

こぎん刺しというと藍で染めた紺色の布地に白い木綿の糸で幾何学模様を施すイメージがありますが、「green」で取り扱っている商品は色彩豊か。

落ち着いた深緑色や、爽やかな水色。山吹色に漆黒色。同じ模様でも布と糸の組み合わせによって印象が変わります。

優柔不断なのであれこれ悩んでしまいましたが桜色を選びました。

銀鼠色の布は弘前市内に立ち並ぶ洋館の壁。糸は降り注ぐ桜の花びらのイメージ。

弘前といえば桜の名所。4月下旬になると弘前公園で開催される「弘前さくらまつり」が有名です。

ブックカバーに施されている優しい色合いのこぎん刺しを眺めていると、ゆったりとした空気が流れていた弘前市内を思い出します。

少し話が逸れますが、弘前といえばりんごの生産量日本一。市内にはアップルパイを提供しているお店が40店舗以上もあり、弘前アップルパイガイドマップが作られるほど。(地元の方が羨ましい🍎)

旅の途中で立ち寄った大正浪漫喫茶室では、弘前名物のアップルパイを数種類の中から選ぶことが出来ました。

大正浪漫喫茶室は弘前出身の実業家・藤田謙一の別荘として建てられた洋館の一部を改装したカフェで、レトロな雰囲気を醸し出す窓の格子や床のタイルが印象的でした。

青森を旅したのは9月。いつか桜の季節に訪れてみたい。🌸


今月から電車に乗って外出する機会が少し増えるので、弘前で買ったブックカバーとしおりを使って出先でも読書をしてみたいなぁと考えている今日この頃です。

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