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#読書

書くということの根っこにあるもの

編集者を長く続けている方とお話をしたことがある。 そのときあるベテラン作家さんの話になった。日本を代表する著名な作家で、本もたくさん書かれている。 「自分が書くエネルギーの源は、“怒り”なんだ」と、その方が言っていたそうだ。 その怒りこそが、書くという行為を長年続けさせてきたのだ、と。 「そういうもの、あなたにもありますか」 とその編集者さんは私に聞いた。自分がものを作りだす、書くという行為をさせる、そのおおもとにあるものは、なんなのかと。 かなしさでしょうか。そう答え

『星の王子さま』が教えてくれる、世界がちょっとだけ輝く秘密。

この物語は、ある1枚の絵から始まります。それはちょっとつばが長い、帽子のような絵。 皆さんは、何の絵に見えますか? 王子さまが教えてくれる、たいせつなこと。世界中から愛されるフランスの名作、『星の王子さま』。日本でも絵本や映画になったことで話題になりました。 絵本のようなタイトルと、ファンタジーなストーリー。登場人物の愛らしいキャラクターに、心をくすぐる可愛らしい挿絵。 一見子供向けの本のように見えますが、実は「大人のための童話」と題されるほど、多くの大人たちを魅了し

ここのとこ楽しく読んでいた本を読み終えてしまった。さみしい。初千早茜さん。良すぎて別の本すぐ借りた。華と正和の恋愛が良かったなあ。自分の今の恋愛にも重なる部分もあり。リアルだった。リアルなの好き。美味しいご飯に浸ってたら動物の解剖シーンが来たりしてカオス感も良かった。

この春チャレンジしたいことー勉強・読書編ー

また寒い日が訪れてげんなりしていますが、 早く春が来てほしいという気持ちも込めて noteの企画に参加したいと思います! (抽選当選するといいな〜♫) 2023年になってスケジュール帳にその月にやりたいことをリストアップしているのですが、これが結構良いです!楽しい気持ちになれるし、出来ると達成感があります。 その要領で、春にやりたいことを考えてみました。 いろいろ出てきたので、今回は勉強・読書編をまとめてみます。 ①漢検の勉強 普段ノートに字を書いていると、漢字が思

今朝、川上弘美さんの「わたしの好きな季語」を読了。フォロワーさんが紹介していたのでとても気になり図書館で借りて読んだ。川上さんの言葉ひとつひとつを丁寧に扱う感じが好き。過去の思い出や家族のこと、自虐も混えつつなホンワカした内容で楽しく読めた。次は海と山のオムレツが控えてる。

この司書さんに会いたい!(青山美智子:『お探し物は図書室まで』)

青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』を読みました! noteでもよく感想文を見かける本で、いろんな方の感想を読んでずっと気になっていました。 今作では仕事や家庭の悩みを、コミュニティハウスの図書室の司書・小町さんの選書と「付録」の羊毛フェルトによって乗り越えていく人々の物語が描かれました。仕事をテーマにしたエピソードが多かったので、今の私に参考になった箇所もありました。 小町さんは図書室の利用者が求めている本だけでなく、「なぜこの本を選んだ?」と思ってしまう意外な本

図書館が楽しい

最近は本屋で買うことの方が増えましたが、図書館へ行くことも小学生の頃から大好きです。 図書館に行き出したきっかけは、学校の図書室にない本にも出会いたいと思ったことだったと思います。 学校の何倍もの本に出会え、知らないシリーズや図書室にはまだ入っていなかった好きなシリーズの新刊を見つけた際には感動しました。 高校生の頃は、学校帰りに図書館に寄るのも楽しみでした。この頃に好きでよく借りていたシリーズは、今でも印象強く残っているものが多いです。この頃からミステリー系や青春小説が

向田邦子によせてⅠ 『嘘つき卵』

 向田邦子の遺作となった短編集『男どき女どき』のなかに『嘘つき卵』という話がある。  結婚してから妊娠するまでの十一年の間、私はしょっちゅうこの話を思い出していた。  タイトルは忘れてしまっていて、この記事を書くために確認した。そうか『嘘つき卵』という題だったのか、と思ったが、ストーリーは鮮明に覚えていて、特に冒頭の朝食の卵をめぐる夫婦の様子は、ほとんどフラッシュバックかというくらい、よく思い出した。  結婚して数年になるが子供ができず、妻は自分を責めている。周囲からも

第134回:ヒガクレ荘で「棚店主」はじめました

こんにちは!あみのです。 先日、静岡の「ヒガクレ荘」という本屋で、貸し本棚の棚店主をはじめました。(いわゆる古本コーナーです)屋号は「つつじ森文庫」といいます。 今回の記事は「つつじ森文庫」を始めたきっかけや、この本棚に置く本を選んでいた時の私の気持ちのお話になります。 始めたきっかけ学生時代に読んでいた本など自宅に読まなくなった本がたくさんあるけど、1冊1冊に思い出があるから簡単には売りたくない…と思っていた私。 せっかくだから本が好きな人に私の思い出を受け取ってもら

第112回:「自分の気持ち」で、生きづらい世界を変えよう。

こんにちは、あみのです。 今回の本は、櫻いいよさんのライト文芸作品『図書室の神様たち』(小学館文庫)です。 正直今作は、嫌な現実の中にずっと閉じ込められているような物語で、読むのが辛くなる展開も多いかもしれません。 でもこの物語が、世の中に溢れる「生きづらさ」と向き合うひとつのヒントを教えてくれるのは確かだと思います。理不尽な話題が多く飛び交う今だからこそ心に刺さるメッセージがたくさん詰まっている1冊です。 あらすじ(カバーより)  家に帰りたくない爽風が、放課後足を踏み