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三島市で歴史・文化を活用した観光地域づくりシンポジウム「鎌倉殿・北条氏が生きた地 伊豆・富士山地域のこれから」を開催しました!

 静岡県では、令和5年12月16日(土)に三島市民文化会館で、歴史・文化資源を活用した観光地域づくりシンポジウム「鎌倉殿・北条氏が生きた地 伊豆・富士山地域のこれから」を開催しました。

 県では、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「どうする家康」の放送を契機に、令和3年度から令和5年度までの3か年にわたり、歴史・文化資源を活用した誘客・周遊促進、消費喚起に取り組んでいます。
 今年度、伊豆・富士山地域では、観光事業者や学生等を対象としたワークショップやセミナー、デジタルスタンプラリーを連携させながら実施し、歴史・文化資源を活用した誘客・周遊促進の定着を目指す取組を実施してきました。
 これまでの取組の集大成として、大河ドラマの舞台になった地域の今後の歴史・文化資源活用のあり方について考えるシンポジウムを開催しました。
 
 伊豆・富士山地域だけでなく東京都や神奈川県など、県内外から多くの皆様に参加していただきました。

【第1部】基調講演
 北条義時とその時代-伊豆・富士山地域との関わりを中心に-

鎌倉国宝館学芸員・青山学院大学非常勤講師 山本みなみ

 第1部では、『史伝 北条政子』などの著者で中世の政治史研究の新鋭、鎌倉国宝館学芸員の山本みなみさんが基調講演を行いました。
 講演では、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公となった北条義時の生涯を、伊豆・富士山地域との関わりを踏まえながら辿りました。
 文献史学・考古学双方の視点から、北条氏の歴史を捉えていくことで、「鎌倉幕府草創に関わる聖地」である伊豆・富士山地域の歴史的価値や重要性がよく伝わる内容でした。

【第2部】事業報告
令和5年度 歴史・文化資源を活用した観光地域づくり定着促進事業

株式会社JTB総合研究所 主任研究員 安藤勝久

 第2部では、今年度県が実施した観光事業者や学生・企業等を対象としたワークショップ等の成果と今後の伊豆・富士山地域での歴史・文化資源活用の方向性について、株式会社JTB総合研究所の安藤主任研究員が報告を行いました。
 歴史・文化資源を観光誘客やまちづくりに活用することの効果や、それを支える上で重要な地域住民の存在について伝えました。

【第3部】パネルディスカッション
伊豆・富士山地域の歴史・文化資源に関連する地域の動き

ファシリテーター:株式会社JTB総合研究所 主任研究員 安藤勝久
パネリスト:大泉寺 住職 小島健布
      酪農王国株式会社 執行役員 事業統括本部長 伊藤嘉一
      ながいずみ観光交流協会 事務局長 牛島康祐

 第3部では、実際に伊豆・富士山地域で歴史・文化資源活用に取り組む3人をパネリストに迎え、地域での歴史・文化資源活用のあり方についてディスカッションを行いました。
 各パネリストは、「消しゴムはんこ」や「あみにょん焼き」、「御城印」など、自地域での歴史・文化資源の活用事例を紹介するとともに、「楽しみながらとりあえずやってみる」「見方を変えれば価値が生まれる」など、地域住民を巻き込んで資源活用を進めていくためのポイントを伝えました。

大泉寺(沼津市井出)
 沼津市根方街道沿いにある阿野全成ゆかりの地として有名な寺。住職お手製の消しゴムはんこを活用したグッズや地元店舗と連携した商品開発、観光協会と共同した観光マップの作成等を通じて、原・浮島地区の地域活性化に取り組む。
酪農王国株式会社
 函南町丹那にある「酪農王国オラッチェ」を運営。函南町の食と文化財の継承のため、「かんなみ仏の里美術館」の阿弥陀如来像にヒントを得た丹那牛乳とのコラボ商品「あみにょん焼き」の開発・販売を行う。
ながいずみ観光交流協会
 長泉町下長窪にある長久保城趾の保全と活用のため、地元高校生と協働した「御城印」の作成等を通じて地域おこしに取り組む。同町にある「割狐塚稲荷神社」では、住民の自発的な清掃活動が資源保全や来訪者との交流につながっている。

 また、会場前のロビーでは、登壇者や県の「ぶしのくに静岡県」に関連する展示も行い、多くの来場者が足を止めていました。

(参加者の声(一部抜粋))
・山本先生の本を読んでみようと思いました。また、静岡県内をいろいろ観光したくなりました。
・地域、地元の見逃しがちな歴史や環境を再度見つめ直したい。
・地元を自慢することが人の交流をうむばかりではなく、まちづくりにもつながるということが良く理解できた。私もアイディアを発信していきたい。
 
 東部地域局ではこの一年、観光事業者向けワークショップや学生等を対象とした商品開発セミナー、デジタルスタンプラリー、そして県民向けシンポジウムと、歴史・文化資源を活用した観光誘客・周遊促進に取り組んできましたが、本シンポジウムの開催をもって終了となります。
 一連の事業に御参加・御協力いただきましたみなさん、ありがとうございました。
 
(担当:小玉)