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「びじゅチューン!」愛すべき歌詞係たち【3】 曲の中でも大活躍

Eテレの番組「びじゅチューン!」
その画面の右下でひっそりと頑張っている歌詞係にスポットライトを当てる企画です。

第3回はタイトルにもある通り、曲の中で活躍する歌詞係です。


通常「びじゅチューン!」を見ると、その楽曲やアニメーションのあまりのインパクトの強さに心を奪われ、右下で健気に頑張る歌詞係にまで気が回らないことが多いのではないでしょうか。

それでよいのです。
彼らは隠れた脇役、縁の下の力持ち。

けれど時々、曲の中でも存在感を示す歌詞係がいます。
今日はそんな歌詞係2名をご紹介します。

まず最初は「お互い擬態」の鬼です。


鬼は曲の中で、主役の一人不動明王様に、なかなか現れない待ち合わせの相手の大日如来様を知らないかと話しかけられます。

「えっ、ぼく?」


鬼がストーリー進行の一端を担っていますね。
しかし鬼は可愛らしい外見に反し、主役の不動明王に対して「忙しい、邪魔しないで」感を漂わせてながら邪険に応対している様子。不動明王様に「ごめん」と謝らせています。

歌詞係の表情。おっかないはずの不動明王様に対してそんな態度でいいのか

意外と大物なのかも知れません。

この歌詞係の鬼、DVD BOOKでも「鬼」としか出ていませんが、作品の元となった熊野磨崖仏をWikipediaで調べると、山麓にあるお寺から摩崖仏が彫られた山腹まで自然石で出来た階段があり、その階段は鬼が一夜にして積み上げたという伝説が残るのだそうです。
歌詞係はこの階段を作ったという鬼なのではないだろうかと私は考えています。歌詞カードも石段の板石のようです。

摩崖仏のある豊後高田市の公式観光サイトを見ると、結構大きな石がゴロゴロしていて、さぞかし力と霊力の強い鬼であろうと思われるのですが、歌詞係の外見は可愛らしい小鬼。内面はどうでしょうw
やはり鬼はアフロが似合います。


二人目はさらに活躍します。

「銅鐸仮面舞踏会」の歌詞係です。



歌詞係は服装などから一般の弥生人だと思われます。
有名な誰かや出土品ではない感じです。
ひょっとすると「卑弥呼様~」(鈴木Q太郎風)の可能性も無きにしも非ずですが、それは次のDVD BOOK7の発売を待たなければなりません。

ともあれ、この弥生人歌詞係、持っている歌詞カードも普通のカードで地味な感じは否めませんが、曲の一番の盛り上がり、ブレイクの箇所で一番大事な楽器をソロで演奏しています。

舞踏会の流れの中でも、豊作を祈る一番大事な場面ですね。
活躍ぶりは、ぜひ動画でご確認ください。

鳴らされる銅鐸の音ですが、番組では作品解説でレプリカの桜ヶ丘4号銅鐸が登場し、鳴らされるので、きっとその音でしょう。複製品とは言え実物の銅鐸の音です。

テーマの銅鐸を輝かせる、陰の主役と言ってもいい存在です。
この歌詞係がいなければ、この楽曲は成り立ちませんね。
現在公開されている「びじゅチューン!」112曲の中でも、最も活躍している歌詞係です。
これほど歌詞係が脚光を浴びる作品は他にないかと思います。


おまけで、曲の中で活躍する係とはちょっと違うのですが、曲の中で自然と注目を集めてしまう歌詞係をもう一名ご紹介します。

「縄文土器先生」の歌詞係、遮光器土偶です。

曲中、「ネクタイは土偶柄」の所で歌詞カードの「土偶」に下線が引かれ、その下の「☞」マークが歌詞係の遮光器土偶を指し、彼にみんなの視線を誘導しています。
ネクタイにもたくさんの遮光器土偶がちゃんと描き込まれてれています。
この遮光器土偶は「一人縄文会議」にも登場し、きっと今後も縄文時代の作品の歌詞係を一手に引き受けることになるのではないかと私は予想しているのですが、作者井上涼さんから愛情を注がれているキャラではないでしょうか。


今日ご紹介した3人のように、「びじゅチューン!」の作品を鑑賞している中で自然に曲の中で注目されるようになっている歌詞係もいるのですが、こういう人たちとはちょっと違って、自ら「オレがオレが」と、自己顕示の激しい歌詞係もいます。
今後そんな方々もご紹介したいと思っています。

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