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「推し」が気になる!

最近「推し」が気になる。

「推し」

「推し」という言葉が気になるのだ。


「推し」
ワタクシ50代半ば、近年になり時々目や耳にするようになった。どういう字を書くのかもすぐわかったし、意味も何となく分かる。「今はそんな風に言うのね」ぐらいだったのだが・・

「気になる」言葉となったのは「裸一貫つづ井さん」という漫画に出会ったからだ。

noteで次の記事(驚異の支持率)に感銘を受け、すぐさまスキを付けた。
そしてウェブで漫画を読んでみた。ほのぼのととてもいい作品で、本も買った。

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その「裸一貫つづ井さん」の『新たな出会い』編を読んでほしい。

2次元女子だったつづ井さんは初めて、3次元のとある俳優さんの存在が気になる。そして彼のことを調べるのだが、彼はブログもSNSもしておらず年齢さえ分からない。
つづ井さんは、日本各地の地方公演にも赴き、追っかけをしながら情報収集を続けるが、全くと言っていいほど収穫なし。

つづ井さんは悩む。

便宜上「推し」とは呼んでるけど 具体的に彼のどこが気になるのかすら明言できない つらい もっと知りたい 胸張って「推し」って言いたい

(引用の太字は私が付けた)

それを聞いたつづ井さんの友人は「・・・いやもう推してるよ!!」とツッコむ。
・・・だよね。

また、『自覚』編では、オタクではない友人に近況を聞かれ、

「推しができたから」・・・って言いたいけどオタクじゃない人に「推し」って伝わ・・・る・・・?
一般的な語彙?

と、懊悩する。
挙句に「推し」の代わりに「好きな人」という言葉を使ってしまい、「私・・・彼のこと好きやったんや」と自覚し、照れる。
おやおや?

「好きな人」という言葉は恋の芽生えかも知れず、「推し」とは一線を画す感情の自覚ともとれるが、その後の漫画でもそういう方面には全く発展しない。恋じゃない。とすれば、やはり

おやおや?

である。
「好き」だから「推す」んちゃうんかい!


「つづ井さん」で気になった「推し」の要点をまとめる。
・相手のデータがないと「推し」とは言えないのか。
・「推し」はオタク用語なのか。
・「推し」は「好き」とは違うのか。

ここで私の勝手な「推し」のイメージを説明する。

ここ10年ぐらいで耳にするようになった言葉だ。「アイドルグループのメンバーの誰を応援するか」といった時などに使う(AKB48の総選挙あたりが元かと思う)。漫画やアニメのキャラにも使うのね。

といったイメージ。
漫画なら漫画、アイドルならアイドルと、同じジャンルやグループの誰・何を特にいいと思うか、といった感じ。

でも「いいと思う」と「推す」はちょっと違うと思う。
さらに「推し」は名詞だ。自分が「推す」人物や作品などを指す。もはや彼・彼女などと同じ代名詞みたいだ。

「推す」 推進力、推薦、推測 「僧は推す 月下の門」・・故事成語「推敲」の元ネタ・・これは「押す」でもいい気がする。
「押すなよ、押すなよ、絶対押すなよ!」 字が違う。

押忍!

いや、暑い。

さてここで、ほぼ半世紀に渡る「アイドルに対する気持ちを表す言葉遣い」を、あくまでも私の記憶の中で振り返ってみたい。

小学生の頃アイドルと言えば「百恵ちゃん・淳子ちゃん・昌子ちゃん」とか「ヒデキ・ひろみ・五郎」、さらにはキャンディーズの「ランちゃんスーちゃんミキちゃん」にピンクレディーの「ミーちゃんケイちゃん」など。
※分からない方は調べてみてねw
学校での会話は「百恵ちゃんと淳子ちゃんと昌子ちゃんの誰が好き?」とか「ミーちゃんとケイちゃんとどっちがいい?」とか。

「好き」とか「いい」という言葉だった気がする。

中学時代、金八先生が流行った時私は3年B組だった。そしてたのきんトリオが世の女子をキャーキャー言わせていた(メンバーはマッチ・トシちゃん・ヨッちゃんよ)。その時も、たのきんの誰が「いいか」といった言葉遣いだったと思う。
そして3年B組の夏、聖子ちゃんの「青いサンゴ礁」が大ブレークした。後を追って明菜ちゃんデビュー(一部のコアな男子はYMOにはまっていた)。

その時初めて「聖子ちゃん派・明菜ちゃん派」という言い方が出てきたような記憶がある。
派閥の誕生である。

しかし派閥ができても結局は、どっちが「いいか・好きか」である。
「推し」てはいない。
(ちなみに私は聖子ちゃんが大好きである。今でも2枚組のベストアルバムをかけて熱唱したりする。)

その状況はかなり長いこと変わらなかったのではないか。

だが今、時代は「推し」である。
「推す」んだから、誰かに薦めるんだよね。自分の中で「好き」なだけじゃダメで、みんなに良さをおススメするんだよね。行為だよね。

だからつづ井さんは「データ」が欲しいのか?
でも、つづ井さんは「推し」の舞台を見まくっている。演技、はまり役、ルックス、声、表情・・・たとえ情報がなくても好きなポイントは山ほどあるはずだ。

そこを他の人にプレゼンしたらいいんでないの?生年月日とか身長体重とか出身地とかのデータ無いと、だめなの?

わからん。

そしてnote内を見よ。
例えばお題「#マンガ感想文」にはこんな募集がかかっている。

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これはマンガに関する記事だからオタク用語かも。でもきっとみんな通じる。
そしてヤマシタマサトシさんという方の記事にこんなものがある。

(ヤマシタマサトシさん、ご挨拶もせず引用させていただきました。
私もここ1カ月の間にバタバタと、大好きだったり便利だったりしたお店が幾つかなくなってしまい、本当に残念です。気持ちを伝えることもできていません。)

みなさんには推しっていますか?別にアイドルじゃなくても、好きなモノやブランド、漫画家や俳優や映画監督、街の飲食店やフォローしている人でもいいんです。

自分がいいな!と思っている人やモノ、ありませんか?

思い浮かべてみて欲しいのですが、どうでしょうか?思い浮かばない人にはちょっと質問を変えましょう。なくなったら困るものや場所、ないですか?たぶん、それがあなたの推しです。

もう対象は何でもよくなっている。決してオタク用語ではない。

そして、おお!
「推す」には応援する相手の背中を押す意味もある!!
推進力!!!
そしてこの記事は、「いいねと伝え、シェアやコメントで応援する」ことを前提に「推し」という言葉を使っている。「いい」と思うだけでは「推し」ではないのだ。

全文を読んでいただければわかるが、応援する対象も含めた他者に向けて良さを伝えて、初めて「推す」となり、「推し」になる。

アイドルが百恵ちゃんや聖子ちゃんだったころ、好きではあっても、ファンクラブに入ったりファンレターやプレゼントを贈ったりしていても、ステージに行き声援やうちわで「応援」しても、「推し」ている感覚はなかった。でも本人の背中は押しているからそれなら「推し」か。

しかし上の行為は全て、アイドル本人に向けられた行為だ。

「推す」という行為は、対象の本人に届けるだけでなく、それ以外の人に向けても「この人(物・作品)は素晴らしい!」と発信することで初めて「推す」ことになるのではないか。そして共感を得たり自分も他の人の発信に共感したりする。(つづ井さんも他者と押しの魅力をシェアしたがっている。)

百恵ちゃんや聖子ちゃんの頃、世の中に向けて発信することは難しかった。広く世間に向けて「推し活(この言葉もつづ井さんで知った)」する手段がなかったのだ。

だから「推し」という言葉がなかったのでは?

いかがだろうか。違っていたら推して・・・じゃない、教えてほしい。

デジタルネイティブと呼ばれる世代がいて、アイドルは一人でなく集団になり、色々な総選挙があちこちで実施される、そしてかつてに比べて膨大なコンテンツが身近にある、そんな今だから「推し」という言葉があるのかなぁ。

それは、オタク用語(元々そうだったのかは分からないが)を越えて、自分がいいと思うものには何にでも使える汎用性と市民権を獲得している。

お、ちょっと真面目な感じのまとめになりかかってるけど、そんな真剣なモノではない。
気になる言葉についてちょとブツブツ言いたかっただけだ。ついでに若い頃のアイドルたちをちょっと書きたかったw


ここまで敢えて何も調べないまま「推し」についてとりとめもなく書いてきたが、答え合わせがしたくて、ただ「推し」とGoogleに入れただけで・・・出るわ出るわ・・・

noteの「推し」という言葉についての記事も検索上位で出てきた。すぐ読んですごく面白かった!
ミキコさん、ななしさん、お断りもせず引用させていただきました。50代のオババに新しい世界観を下さり、ありがとうございます!

「推し」の答え合わせ

他多数。良ければご自身で検索してみてください。

みなさん「推し」と言いう言葉、気になっているのね。
あなたは「推し」という言葉、使ってますか?


とりとめもない記事を最後までお読みくださり、ありがとうございます。

他に気になる言葉は、最近の「尊い」の使われ方と「わかりみ」という新語。noteでもよく見かけるようになりました。





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