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さん、結石したってよ(2)


えっ、出席するっつって・・・

前回
おしっこが出なくなって夜のうちにたいそう具合が悪くなり病院に駆け込んださん(と飼い主)。原因は結石。無事処置を終え数日間の入院が決定。


診察及び入院で分かったこと
1、体重が激増していた!
 いや、分かっちゃいたけれど・・・
 ちょうど1年前、保護して初受診の時、チミは4㎏そこそこではなかったかね。それがどーーんと6㎏。誰にも止められない食欲、みるみる膨らむお腹。お腹のチャームポイント・ハート模様はまん丸になり果て。センセイも脂肪が厚くて触診しづらいと・・・

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2、やっぱり元は野良ネコだった。
 野良だとは思っていたけれど、餌付けの期間がそこそこあったけれど、さんを保護したとき彼はあまりに我々にフレンドリーだった。というか自ら我が家に転がり込んだ、押しかけ保護猫、志願兵。心臓を捧げよ。
 トイレも最初からとても上手だし(現在までノー粗相)すごく甘えるし、こんなに薄汚くてケガもしてるし痩せてるけど、もしかして飼い猫?の疑惑は付きまとい、飼い主探しにも一応手を尽くしてから去勢手術をした。窃盗および器物損壊とかの罪に問われるのは嫌!
 

しかしさんは入院してみたら、ビビりにビビり、一度も緊張を解かなかった。どこがフレンドリー?


センセイは入院するときに、自分からゴハンをバクバク食べられるようになったらもう安心とおっしゃった。私は、じゃあもう余裕、体調不良の原因が取り除かれてさんがゴハンを食べないなんてありえん、と高を括った。
その日の夕方様子を見に行った時はともかく、次の朝のお見舞い、少量のカリカリと小皿にチュールをもらっているのに、まったく口をつけていない。

食べない、のだそうだ。それが日曜日の朝。

さらにその次の朝、夜誰もいなくなってからチュールだけは食べたそうだが、後はもうずっとケージの奥で固まっていてそのまま。カリカリには全く手を付けず。
私たちが行って撫でるとゴロゴロと喉を鳴らすようにはなっていたが、手でチュールをあげようとしても全く食べてくれない、月曜日の朝。

センセイのお見立ては具合が悪いのではなく緊張しているから。
院内に人の気配がするともうフリーズ。

さんを見舞う隣のケージでは、入院でなくご主人の不在で預けられたちびっこが、超絶かまってアピールでニャーニャー鳴きまくり、超絶かわいく我々にじゃれてくる。ケージの隙間から手を出し何ならさんの点滴のチューブにもじゃれついている。こらこら。

さらにその隣では、仏頂面のおっさんのような茶とらがケージの奥でふてくされていた。

超絶元気なちびっこの隣で、さんはずっとこちらにお尻を向けてフリーズ。オットが「これで少しは痩せるだろ」と冗談を言ったら、センセイはいや、急に食べなくなるのは肝臓にくるから・・・とおっしゃる。

次の日までは入院が望ましい感じだったけれど、土曜日の朝入院して月曜朝の時点でほとんど食事を摂れていない。まる二日間。
点滴でカリウムバランスが崩れた血液を元に戻しているので、水分など最低限のものは摂れているけれど、とにかく自分の口で食事を摂るのは生きるものの基本。
その日一日は点滴を入れるが、様子で夕方には家に戻りリラックスできる環境にしたほうがよさそうだった。

先生曰く、「この子、ビビりだから

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夕方。
予想はしていたけれど、やっぱりさんはビビっていた。
ハイ、さんちゃんめでたく?ご退院。


そうか、やっぱり君は誰にも飼われたことのない野良だったのか。
誰にでもフレンドリーなのではなく、私たちにだけ心を許してくれていたのだなぁ。うむうむ・・・

後に何回も通院して、先生には「普通嫌なことをされている猫は、おとなしくしていても尻尾ぐらいはばたんばたんと大きく動かして『やーだ』のアピールをするものなのに、この子はこんなに固くなっちゃって尻尾も動かさないねぇ」と言われた。
さんよ、センセイ優しいじゃん、もう少しこう、感謝の念とか、身を預けてみるとか・・・うん、わかった、ムリか。

通院診察の時キャリーバッグから出るのを嫌がって徹底抗戦の末引っ張り出されるのに、診察が終わってバッグの蓋を開けるとものすごく素早く、それはもう笑っちゃうくらい素早く自主的にそこに入り込むという特技を、さんは身につけることになる。

退院の時結石のできない餌も購入したのだけれど、「この子の場合ビビりだから、精神的にリラックスできる成分入りのやつを」だそうだ。

この餌、2㎏にゃんと5,800円。
我が家のお米、一応地元産コシヒカリ5㎏2,300円ほど。

おい。

さんはいろんな意味でプライスレスな猫だったのに、ここにきて妙に生々しいお値段がついてきた。
入院費と、その後の通院その他でこの夏十数万円がとんだ。

さんの命に比べればなんてことないけどね、てへ。

ちなみにまる女王陛下は、飼い主の自己評価額3,000,000,000,000,000円である。三千兆円。1円たりとも負かりません。↓

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しかし入院中気になっていたのだけれど、さん君チミ、ケージの奥のペットシーツの上でちっこしちゃってて家と真同じのトイレと砂なのに全然そこでしてないよね。トイレ、避難用のシェルターじゃないからすっぽり収まるとかやめてほしいんだけど。
結石治ったんだからトイレでちっこしないのかね。
そしてなんだか、いつも下半身がびしょびしょしてるよね。

なんで?

疑問は残るが、先生もスタッフの方もそれについては何も言わないので、心配する状態ではないのだろうと、病み上がりでなんだかぐったりして謎の下半身びしょびしょ猫のさんを連れ、我々は家へと向かった。

さん、退院おめでとう!!!


しかしそれは、我々の新たな闘いの始まりに過ぎなかった・・・

♪ ダダンダダン・ダダンダダン・ダンダン ダダンダダン・ダダンダダン・ダンダン かぜのなかのす~ばるー


入院したその日の夕方、お見舞いに行った私はセンセイがさんを「さんたろー」と呼んでいるのを聞き逃さなかった。
ええセンセイ、わたしも「さん太郎」と呼んでいます。

♪ ダダンダダン・ダダンダダン・ダンダン ダダンダダン・ダダンダダン・ダンダン かぜのなかのす~ばるー


続く


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