市バスに乗って行こう!
仕事で月に一日だけバスに乗ることがある。
どこにでもある市バスだ。
そのバスに乗る時間帯は決まってお昼過ぎ。
シートは狭くて硬い。
走行中は危なくて立ち歩けない。
それにいちいちベルを鳴らさないと降ろしてもらえない。
不便極まりない乗り物だ。
しかしなぜか風情がある。
電車にはない、上手く言えないが、何かのんびりした雰囲気だ。
ぼくはいつも最後尾の席に座る。
後ろからバスの中をぼっーと眺めてみる。
うたた寝をしながら買い物に行くお婆さん。
2人掛けの座席でわちゃわちゃするお母さんと女の子。
友達同士、密着状態で楽しそうに話す高校生。
悲壮な顔をしたビジネスマンに出会うことはほとんどない。
この雰囲気はそのせいだろうなぁ。
通勤電車ではあまりお目にかかることのないどこか和やかな空気。
たまには市バスでのんびり行こう。
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。