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《ショートショート集》

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傑作間違いなしのショートショート集です。たまに傑作以外も混じっています。探してみてください。
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#SF

【短編小説】「人間の檻」(8,121字)

 広い空間だった。  俺が通った小学校の体育館よりも二回りほど大きいだろう。どこかの研究…

10

【ショートショート】「静寂と喧騒の中で」(7,160字)

 やかましい。  なんとかならんのだろうか。  田中一は怒っていた。  齢四十を迎え、新築…

5

【ショートショート】「ともだち条例」(5,282字)

 加賀谷町に“加賀谷町ともだち条例”が制定されたのは二〇二一年の年末のことだった。 “加…

6

【ショートショート】「その男の誕生を防げ!」(5,420字)

 俺の人生がめちゃくちゃになったのはあいつのせいだ。  それまで俺の人生は順風満帆そのも…

9

【ショートショート】「鳥人間グランプリ優勝者コメント(一部引用)」(3,792字)

 鳥人間グランプリとは、一九八〇年に滋賀県の琵琶湖ではじめて開催された人力飛行機の滞空距…

16

【ショートショート】「ザ・ゲームブック~未知の惑星からの脱出~」《1ページ》

 不時着した宇宙船DM2052——通称トイボックスは航行不可能な状況であった。  地球か…

1

【ショートショート】「エヌ博士と“足して2で割る装置”」(3,855字)

 エヌ博士が、俺が住んでいる安アパートに駆け込んできたのは、俺が昼飯に食おうと思っていたカップ焼きそばの湯切りをしているときだった。 「いま忙しいから、また今度にしてくれ」  俺が言うと、「カップ焼きそばくらい後から食べればいいじゃろう」とエヌ博士は不服そうな顔をした。  このエヌ博士というのは近所に住んでいるうさん臭い老人だった。数年前に公園で怪しげな実験をしているところを俺が面白がって声をかけたのがきっかけで付き合いが生まれたのだ。  ちなみにそのときの実験は、ハト

【ショートショート】「2人いる!」(1,755字)

 小型宇宙船U-507号は天の川銀河の最果ての星まで到達し、人類初とされる地球外生命体と…

2

【ショートショート】「革命を目指す文章屋」(5,782字)

 ヨハンは小さいころから作文が上手いと言われてきた。  物心ついたころから、ヨハンが書く…

7

【ショートショート】「蠅2022」(817字)

 向こうから蠅が飛んできた。自分に似てハンサムな蠅だと蠅は思った。  蠅は香ばしい臭いを…

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