【ショートショート】「エヌ博士と“足して2で割る装置”」(3,855字)
エヌ博士が、俺が住んでいる安アパートに駆け込んできたのは、俺が昼飯に食おうと思っていたカップ焼きそばの湯切りをしているときだった。
「いま忙しいから、また今度にしてくれ」
俺が言うと、「カップ焼きそばくらい後から食べればいいじゃろう」とエヌ博士は不服そうな顔をした。
このエヌ博士というのは近所に住んでいるうさん臭い老人だった。数年前に公園で怪しげな実験をしているところを俺が面白がって声をかけたのがきっかけで付き合いが生まれたのだ。
ちなみにそのときの実験は、ハト