【ショートショート】「ザ・ゲームブック～未知の惑星からの脱出～」《１ページ》

　不時着した宇宙船ＤＭ２０５２——通称トイボックスは航行不可能な状況であった。

　地球から物資の運送のために木星の衛星であるガニメデに向かっていたのだが、急なエンジントラブルによって別の惑星への不時着を余儀なくされたのが四十八時間前のこと。
　不時着時の衝撃で相棒のサカタはトイボックスから放り出されてしまい、周囲を探しても見つからないので仕方なくトイボックスの修理を試みてみたが、航行システムの管理はすべてサカタに一任していたため、俺はトイボックス内にあるネジを締めたり緩めたりするだけで貴重な時間を浪費してしまった。

　食料もなくなっており腹が減ったので仕方なく外へ出ると、一応は大気があるようで宇宙服なしでも即死することはなかった。そこは緑があり、地球によく似た環境だった。
　不時着しといてなんだが、どうやら俺はツイていたらしい。

　目の前には不気味な薄暗い森が広がっていた。ひょっとしたら食べ物があるかもしれない。森の入口には怪しげな洞窟もあり、中から生き物の気配を感じた。
　俺は——

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