なんで、勉強しなくちゃならないんだ。
「私たち、どうして学校で勉強しなくちゃいけないんだろう。
楽しくないことも、興味が湧かないこともたくさんあるし、
もっとやりたいことはたくさんあるのに。」
6歳からの長い長い、21歳の今でもまだ続いている、“学校に通う”生活の中で、幾度となく浮かんできた疑問です。
私自身も何度も何度もぶつかり、そのたびに人に聞いてきました。
納得できる理由や考えるためのヒントをくれた人もいたし、
生意気なと頭を押さえつけられることもありました。
「なんで、苦手な教科も嫌いな教科も満遍なく勉強しないといけないの?」
に対する私なりの答えを書いていきます。
勉強するのは、情報を探すためだ
「今の時代、何でも検索すれば情報は得られるのだから、自分の頭に入れておく必要はないじゃないか。」
一見もっともらしいと思いますが、私は自信を持って異を唱えます。
むしろ、何でも検索できる時代だからこそ、勉強している人と勉強していない人との差はどんどん開いていって閉じることはない。
それはどうしてか。
私は、情報を検索するためには3つのステップが必要であると考えます。
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情報を探すために必要なステップ1 【気づく】
何かに疑問をもつためには、疑問を持つための背景知識が必要です。
何も知らない状態で検索をはじめることはできません。
例えば、カフェでコーヒーを注文するとき。
「コーヒーって、身体に良いのかな…?」という疑問を持ったとします。
ここで、[コーヒー 健康]と検索するでしょう。
さまざまなページが出てきます。
もし、コーヒーにはカフェインという物質が含まれていることを知っていたら、違う方法で検索することができます。
[カフェイン 健康]
カフェイン以外にもさまざまな物質が含まれることを知っていたら。
[コーヒー 含まれる 物質][コーヒー ポリフェノール][コーヒー クロロゲン酸][コーヒー ナイアシン]
コーヒーには様々な種類があり、それぞれに成分が少しずつ違うことを知っていたら。
[コーヒー 品種 健康][コーヒー 産地 焙煎][コーヒー 淹れ方 成分 違い]
ひとくちに健康に与える影響と言っても様々な種類があることを知っていたら。他のワードとの合わせ技もありです。
[コーヒー 集中力 原因物質][カフェイン REM睡眠 影響][アクリルアミド 発がん性 焙煎][カフェイン アレルギー 発症機序]
もちろん、検索しているうちに出会うこれらのキーワードを使うこともできます。
しかし、もともとその情報に関する知識があれば、より短時間で求めている情報にたどり着くことができます。
勉強していて広く知識のある人と勉強していない人との差はまずここで開きます。
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情報を探すために必要なステップ2 【疑う】
さて、たくさんの情報が集まりましたね。
これらの情報はすべて正しいでしょうか?
NO. すべてが正しいとは言えません。
残念ながら、インターネット上には根拠薄弱な情報もたくさん転がっています。
それでは、それらが正しいのかは どのようにしたら確かめられますか?
情報源を明記しているサイトの方が信憑性が高いかも。その情報源は信頼に値するものか、見てみよう。
全体を検索するよりは、官公庁や大学など公的な研究機関の出しているものの方が、情報の正しさに気を使っている情報が得られるかも。これらのみを検索結果に表示するためには、site:go.jp とか ac.jp を使えばいいんだ。
自分の知っている知識と照らし合わせると、このあたりを疑問に感じる。追加で調べてみよう。
せっかく情報を集めても、鵜呑みにしてしまうのでは正しいかどうかがわかりません。
正しそうな知識を集めるのにも、情報を疑うのにも、知識は必要です。
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情報を探すために必要なステップ3 【確かめる】
「正しそうな情報」が「どれくらい正しいか」を表すためには、何が必要でしょうか。
複数の「信憑性の高そうな情報源」がそれを言っているから、大丈夫。
統計が取られていて、その論理構造や方法を追ってみたところは正しそうだ。
「この情報は、このくらいの確率で正しい」を言いあらわすための学問が統計学で、科学の分野では非常に重要視されています。
統計手法のトリックに騙されないためには、統計学を読み解く数学がわかっていることが重要です。
日本語文献だけでなく、英語でも検索してみた。
日本語で得られる情報は限られています。英語で表現されている情報まで拡張して検索したら、もっと多くの情報源から確かめることができるでしょう。日本語話者であっても英語で情報が取れる人は、わざわざ日本語に訳してくれないことがほとんどですし、自動翻訳は1つ1つの単語に含まれる絶妙なイメージまで解説してはくれません。
自分でその方法を再現して確かめてみた。
その方法を試している人の出した情報を読んでみた。
わからないことがあったから、情報の発信者に連絡を取って質問してみた。
自分でやってみる方法も、充分考えられるでしょう。
ただし、いくら自分の体験であってもサンプル数は1に過ぎないということも忘れないでいてください。
どんどん“学問分野の壁”がなくなっていき、分野横断的な検索能力が求められている今、嫌いな教科や苦手な教科を必要ないものとして全く勉強しないことによる損はかなり大きいのではないでしょうか。
カフェで注文したコーヒーから始まった今回の話だけでも、知識をあえて教科に分けてみた場合、地理/化学/生物/情報/英語/統計学/数学 などの知識が役に立ちました。
検索が手軽にできるからこそ、興味を持って調べ続け勉強し続けるということが何よりも重要な世の中になっていると感じます。
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勉強するのは、より多くの情報を手に入れて、
世界をもっとおもしろく生きるためだ
幅広い知識を持っておき、
それを使うことで深い知識を手に入れ、
組み合わせて使ってより多くの知識にアクセスする。
知性をもつことで、目に見えないものが見えるようになる。
退屈な日常生活はもっともっとおもしろくなれる。
この世界はあなたが思っているよりずっと素敵だよ。
一緒に、目には見えない煌めきをたくさん見てワクワクしながら生きてこ。
なんて、未来の私に言われたいし、
勉強に退屈している子どもたちに伝えたいな。
星座のことを知ってるから、星空に物語がみえるんだよね。
サポート、ありがとうございます(*'ω'*)!