5500名申込を達成したSaaSスタートアップのオンラインイベント事例を集客観点で話します
primeNumber社でマーケティングを担当している尾島です。
自社アドベントカレンダーへの参加も兼ねて、2023年11月28日に開催した自社イベント「01(zeroONE) 」についてお話します。
どんなイベントでも、コンテンツの質が最も重要であることは変わりませんが、やはり周囲から最も聞かれるのが「集客どうやってる?」という点。そこで、発展途上のスタートアップが5500名集客をやりきった方法にフォーカスしてお伝えします。
こんな方に読んでいただけると嬉しいです
「BtoB イベント 集客」的なキーワードで他社事例をググってる方
複数広告媒体を利用する集客・リード獲得の運用担当者の方
(主にBtoB)大型イベント集客の改善・効率化を目指す方
すんごく長文になってしまった本記事に、最後までお付き合いいただける方
第3回目となる「01(zeroONE) 2023」の集客目標は5000名
「01(zeroONE) 」は「あらゆるデータを、ビジネスの力に」を大枠のテーマとするprimeNumber社の年次オンラインカンファレンスで、今年は3回目の開催。私は2回目から携わっています。
1回目が1000名、2回目が2800名の方々にお申込いただいており、3回目となる今回の目標は5000名。スタートアップの私たちにとってはかなりハードルの高い数値でしたが、なんとか5500名という結果を出すことができました。
素晴らしいゲストや社内メンバーをはじめとする関係各所の皆様のご協力により魅力あるコンテンツが完成しても、イベントの存在を知ってもらわなければ何も始まりません。
本記事では割愛するご登壇ゲストや取り扱うセッションテーマの選定の目処が立ったら、集客手配のスタートです。
5500名を実現するための集客の流れ
基本的には、シミュレーション>媒体選定>初期クリエイティブ作成>運用>クリエイティブ変更>運用>進捗をもとに再シミュレーション>アロケーション>運用・・・の繰り返しです。
頭では分かっていても「できる」と「やる」は大違いで、実際けっこう心折れがちですよね。
なお私たちの場合、広告に使うクリエイティブ制作も媒体運用も基本的には自社で行なっています。
将来的にはより効率的な体制に改善していきたいものの、限られた予算での目標必達を重視しているため、今のところは最も小回りを効かせやすい方法を選択しています。
具体的にやったこと1:シミュレーション
primeNumber社の場合は、チームの年次予算計画をたてる際に「01(zeroONE) 」予算も大枠確保していますので、それに基づいて目標集客数と獲得単価を計算。達成に向けたシミュレーションを行ない、具体的な媒体と配分の目星をつけます。
ざっくり、以下の4種類に分類しています。
運用型広告(GoogleやMetaなど)
先述のとおり完全自社運用のため、ここの小回りはかなり効かせやすい体制です。とはいえ獲得単価に変動があるためリスクも伴います成果報酬型広告を中心とした外部媒体(PeatixやITmediaなど)
単価や獲得件数を想定しやすく、大変お世話になっています。全体集客数やCPA上限のバランスを保てる範囲で各媒体様と件数をご相談。ハウスリストへの周知
過去実績もみつつ、ある程度の獲得目標数を決めておきます。メールを中心に、複数回告知し、結果を見ながらタイトルや文面も適宜組み替えます。オーガニック、その他
こちらも過去実績をみつつ、ある程度の予測を立てておきます。
さらにイベント本体の準備側のスケジュールともつけあわせ、各媒体の集客期間を決めます。
当初は約2ヶ月を見込んでいましたが、なんやかんやあり約1ヶ月半程度で実施しました。
具体的にやったこと2:媒体選定
今回は計21媒体で構成。それ以外にも結果的に見送ったメニューもありますので、調査・シミュレーション段階では2〜3倍程度の選択肢を検討しています。
運用型広告
使用するメニューは、できる限り小規模セミナー等の施策で事前に傾向と対策を把握しておくことでシミュレーションの精度を高めます。
今回はGoogleのPMAX、Metaのリード獲得広告を中心に計4媒体で構成しました。
成果報酬型広告を中心とした外部媒体
同様に事前にご一緒させていただくことで、計画しやすいことはもちろん想定よりも進捗が芳しくなかった時にできることの有無や相談先を理解でき、すぐさま意思決定を下すことができます。
とはいえ、媒体さまによっては大型イベントのみが掲載対象となり事前把握が難しいことも。その場合は、平均CTRや参考CVRの情報をお伺いしたり、実際にメルマガ登録するなどで具体的な発信内容を理解しておくといいと思います。
今回は成果報酬型広告11媒体、メール広告1媒体、バナー広告1媒体、無料告知枠4媒体にご協力いただきました。
具体的にやったこと3:クリエイティブ作成
一番作業工数がかかるのがクリエイティブです。
集客開始時はイベント準備自体が鋭意進行中のタイミングなので、素材や情報もやや限られていることも多いと思いますが、とにかくできるものからどんどん着手。ある程度いろいろ揃ってきたら、段階的に追加制作していきます。
運用型広告
ひとまず以下のようなパターン×媒体別のサイズで静止画を用意しました。
まずはイベントLPのトンマナに寄せたクリエイティブをベースに、いくつかの仮説のもと数種類の色味やデザインで展開します。
本番放映用に用意していたアタックムービーも広告用に手直しして活用したりもしました。
手直しとは、主に「頭3秒」の調整です。パッと目に入る情報のわかりやすさ、動きの多いシーンを頭に持ってくるなどで即スルーを最大限防ぎたい気持ちで試行錯誤しました。
成果報酬型広告を中心とした外部媒体
媒体規定に従いアイキャッチやテキストを用意しますが「淡々と集客LP丸コピ」ではなく、できる限り媒体特性や申込導線を考えてしっかり調整することをおすすめします。
この準備をするタイミングはおそらく結構忙しいのでパパッと済ませたくなりがちですが、タイトル・アイキャッチのヒキやわかりやすさはCTRに、中身のテキストや画像、導線はCVRに影響することをお忘れなく!
ハウスリストメール
集客期間開始〜本番までに確保できる配信枠を把握したら、その内訳を考えます。10本配信と仮定すると、たとえば以下など。
しつこいようですが、タイトルはCTRに直結します。
無心でやらず本当にお伝えしたいことを書きます。あまり長くせず、ほぼ確実に表示される冒頭20文字以内目安に最重要テキストを、見切れるかもしれない後半は、20文字程度で次に伝えたいことを記載するイメージ。深い意味のない装飾や、なくても伝わる文言は極力省きます。
ターゲット別など何かしら配信を分けたり、分岐させたい場合は、フロー図を作っておくと整理・管理しやすいです。
具体的にやったこと4:運用
準備が揃ったものから運用開始します。
基本的に「進捗悪いものは要因特定して改善アクション、それでもダメならアロケーション。良いものも同じく要因特定して、頭打ちに備えていいとこ取りした代替案を用意しておく」に尽きます。
次のここでは運用型広告のGoogleとMetaに関していくつか取り上げます。
前回の「01(zeroONE)」ではGoogleのリスティングとディスプレイをうまく活用しきれなかった反省点がありました。今回はメニューをPMAXに変更して再チャレンジすることに。
PMAXはテキストと静止画・動画素材を用意したらあとはGoogleさんにお任せです。細かい設定ができず要因特定もしづらい、ヘタにいじらない方がいい時もあったりとうずうずしますが、そういう時代なんだとありがたく受け入れ、評価の悪いクリエイティブがあれば差し替えます。
初期クリエイティブで方向性の異なるものを入稿しておくと要因特定の推測に役立ちます。逆に、違いをうまく説明できないものばかり入稿してどれかだけがいいとなると、謎が深まるだけで改善に繋げづらいのでご注意ください。
今回は、以下のような推移をたどりました。
Meta
前回の「01(zeroONE)」ではLPに飛ばすタイプの通常コンバージョンとリード獲得広告を併用しましたが、今回はリード獲得広告に振り切りました。
今回は、以下のような推移をたどりました。
短期間であんまりこねくり回すのも良くないかと思いつつ、ダメそうな部分はガンガントライアンドエラーを繰り返すスタイルにしました。
CV時に取得したい項目は事前に社内でルール決めしていたこともあり、CVRに直結するフォームの内容はあまり変えられません。よって主にCTRの改善で全体の底上げにつながるようクリエイティブのメンテに注力しました。
共通点
上記2媒体からもお分かりになる通り、ずっといい感じだったというわけでもありませんでした。が、シミュレーションをしておくと、定量的にどこが想定と異なるのかがパッとわかりますので、どうしようと思い悩む時間(と精神的な負担)をかなり減らせます。
CPMが高すぎて無理・COST進捗が改善不可とかならターゲット再考や媒体アロケ、CTRが低いならクリエイティブ改善など。
さらに、途中でシミュレーションを実態にあわせて計算し直していくことで精度を上げ、限られた予算の中で達成可能かを判断しやすくします。気合いと根性も正直必要ですが、ここで「達成できるかわからない」要素を極力減らしていくことが大切だと思います。
なんといっても要はデータ統合と自動化
以上が全体の流れになりますが、運用当事者がなんだかんだでかなりの時間を取られがちなのが、数値集計・レポーティング・各所への進捗報告ではないでしょうか。
手動やそれに近い体制で対応していると、時間がいくらあっても足りませんし、そもそも社内のデータを色々連携させないとわからないデータってたくさんありますよね。
私たちの場合は「trocco®」がこれを助けてくれています。
スプシや各広告媒体、CRMにSFAツールなど、各所に散らばりまくってるデータの統合を自動化してくれるものです。
最終的にはこんなダッシュボードを作成できます。可視化に活用しているのはLooker Studio。広告媒体の数値とMA/SFAツールのデータをぎゅぎゅっと統合して、毎日最新の状況を自動で把握できるようにしています。
「trocco®」の登場シーンはこんなイメージです。
みなさんお気づきかと思いますが「trocco®」はprimeNumber社が開発・提供しているプロダクトです。でも心の底からおすすめしていますので、どうかご安心ください。
といいますか、この資料も頑張ってわかりやすく作ってみたつもりなのでよかったらチラ見しに来てほしいです。クリック!そしてDL!
課題はバッチリ当てはまっている気がするけどイメージが掴み切れないという方は、社内データ管理・分析職の方に資料を見せつつ、これやりたいのだが??とお伺いいただくとスムーズかもしれません(先ほどお見せしたダッシュボードも私が1人で作ったとかではなく、社内の方々にご協力いただいています。感謝!)。
目標の高い集客を達成するために
さて、とっても長くなりましたが、何が言いたいかというと以下です。
集客自体は最終的に諦めない気持ちが大事
施策の改善につながるアクションに注力する。変にめんどくさがらない
諦めずに最後まで食らいついて、とにかくやりきる
数値把握周りで時間取られると大ダメージ。社内報告用レポートばっか作ってる時間ない
騙されたと思って3分でわかるtrocco®(資料)を見てみていただきたい
データ分析💫入門セミナー的なやつもやってます。激推し
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最後までお読みくださった優しいあなたさまのお役に立てる部分があれば幸いです。
今日もがんばりましょうー!