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もうひとつの故郷・熊本を想う

大切な場所を、想う。


今日で、熊本地震から7年が経つ。

僕にとって生まれ故郷ではないけれど
とてもとても、大切な、もうひとつの帰る場所。

去年、久しぶりに熊本に帰ったとき
震災からの復興には、驚かされたのを、強く記憶している。

震災から1年以内に帰ったあの日。
じいじに実家から車で迎えに来てもらって
「震災の場所も通って行こうか」と言われ
益城町を経由して実家に帰った。

あの時の、益城町の光景は
いまも鮮明に覚えている。

じいじは大工だから
震災後にあちこちを周り
瓦礫の撤去などを行なっていたので
実際の現場での話を、聞かせてもらった。

言葉では、簡単には表現できないけれど
とても胸が苦しくなったのと
何か自分に出来ることはないのかと強く思ったけれど
そのタイミングでは動けなくて、僅かな寄付だけをして。

日々、真ん中には、その故郷があった。

いつも帰りたい場所。

都会にはない柔らかな空気感
会話をすれば温かい言葉でのやり取り
熊本の人と接する中で生まれた感情は特別なモノだった。

大したことは、言えないけれども
自分にとって大切な場所なんだというコトを
ちゃんと書き残しておきたくて
少しばかり、言葉にした。

いつか熊本で仕事がしたい。
いつか熊本で暮らしたい。
いつもいつも、想っている場所。
いつもいつも、帰りたい場所。

きっとその時は来るから
僕はそれまで、自分に出来ることを続けて
その日まで生き続けること。

「想う」ことから、始まる。


久しぶりに帰った実家で
親戚も総出で歓迎されて行われたバーベキューの席。

普段はあまり口数が少ないじいじと
他愛のない話をしていたとき
ふと、じいじの口から出た言葉。

「やっぱり顔を見るのは、嬉しい」

僕は泣きそうになった。
いや、正直、ちょっと泣いていたのかもしれない。
潤んだ瞳で、少し大きな声で

「僕も嬉しい」

素直な気持ちを、伝えた。

夜の空はとても澄んでいて
数え切れない星が綺麗に見えた。

言葉では伝え切れなかった。

でも、言葉で伝えたかった。

また、帰るから。

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