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勝手に10選〜ビートルズが愛したギター、ベース編〜

(前記)
人が楽器を手にするきっかけとはなんであろう。

聴いたことのない楽器、見たこともない楽器を自ら手にしようと能動的に思う事はまずあり得ない。
何だか理解せずに、悪く言えば押し付けがましく、親から、知人から勧められたままに受動的に楽器を手にする事はあるだろうが、そこに熱量というかパッションみたいな事を結果的に感じ取れ、継続できる事例はあるのだろうが、マイノリティであろう。

筆者は自ら宣言するのもおこがましいがギタリストである。
きっかけはチェッカーズだ。
これだ、と思った。
勉強もスポーツもイマイチ、別に背も高くない、こんな俺にはギター、音楽があるのだ、という自信を、まだ実際にギターを手にもしていないのに勝手に得ていた少年時代の自信。
根拠なんかない。根拠があれば、自信ではなく確信だ。

楽器を手にするきっかけは、音だったリ、弾いているアーティストのカッコ良さだったり、単に楽器の放つ魅力であったり、それでよいのだ。

何事も自身が目にし、耳にし、経験し、能動的に手に入れたい物事が正解なのだ。
それなら挫折しても、自分のせいなのだから。
次に夢中になれる物事を能動的に探せば良いだけだ。
何事も受動的に人のせいにするのは面白くない。

そして楽器が相棒となり、継続して奏で続ける結果、そのアーティストが奏でる楽器自体がアイコニックな存在となり、楽器からアーティストを連想させる事にすらなるのだ。

ジョンレノンのリッケンバッカーの様に。

そんな自分勝手なフィロソフィーを胸に秘めながら、アーティストと楽器という観点を考察していく。

今回は、ビートルズのメンバーと楽器について、勝手に10選する。

(John Lennon)

・Rickenbacker 325

Rickenbacker 325

デビュー前、初期ビートルズにおけるジョンレノンの、もはやトレードマーク的なギターである。

ジョン以来、このギターをメインにしているギタリストをあまり目にした事が無い。
あまりにもビートルズにおけるジョンレノンのアイコンになり、もはやイコール的な存在のギターになっている為だろうか、不思議な相思相愛だ。

1958年にアメリカのリッケンバッカー社から発売するも当時はあまり売れず、ジョンが使用した事でブレイクする。

ショートスケールでセミホロー、シングルコイルのピックアップ3発を搭載したギターだ。
アマチュア時代に、他のアーティストの演奏を観てハンブルクで最初の1本を購入し、その後は3本程所有していた様だ。

・Epiphone Casino

Epiphone Casino

1965年にポールに勧められ購入したギターで、ジョージも同じモデルを所有している。
一見セミアコースティックギターに見えるがフルアコースティックギターであり、ピックアップはシングルコイルだ。

ビートルズの中期、ラバーソウルあたりから、リッケンバッカーに変わりメインギターとなり、解散までメインギターとなる。
ちなみに、日本の武道館ライブでも使用されている。

また、最初はサンバーストであったが最終的に塗装が剥がされナチュラルになっている。


・GIBSON J-160E

GIBSON J-160E

ジョンのアコースティックギターといえば、まさにこの1本である。
1962年にジョージと一緒に購入したこのギターもジョンの代名詞と言える。

ギブソン社から1954年に世界初のエレクトリックアコースティックギターであり、ネックとホールの間にシングルコイルのピックアップが搭載されており、ホールが少し下の位置にある事で実にオシャレなギターとなった。

ビートルズ時代に、1度盗難にあい即座に2本目を購入、その後はサイケデリックなペイントがされたり、最終的には塗装を全て剥がし、ジョンにより、ジョンとヨーコの似顔絵が描かれた。

1962年からジョンが愛し続けたアコースティックギターなのだ。

(George Harrison)


・Gretsch G6128 DUO JET

・Gretsch G6128 DUO JET

1957年頃にジョージ・ハリスンがデビュー前な購入し、1963年頃までライブ、レコーディング使用していたギターだ。

形はレスポール型であるが、ソリッドでは無くホローボディである。
色は黒であるが、通常のJETの黒は裏側が木目であり、ジョージのギターは裏側が黒い為、赤いグレッチのジェットファイヤーバードを黒くリフィニッシュしたものでは、と言われている。

・Gretsch Country Gentleman

Gretsch Country Gentleman

1963年に購入したギターだ。
ホロウのダブルカッタウェイのギターで、ハムバッカーを2発搭載している。
1965年までと意外と短い期間使用されたが、テレビやツアーなどの露出が多い期間に使用していた為、ジョージのイメージが強いのだろう。

・Gretsch Tennessean

Gretsch Tennessean

1964年頃から、レコーディングやライブで使用される様になったギターだ。
映画"HELP!"でも観ることが出来る

ホロウで、グレッチ独特のハイロートロンというシングルコイルのピックアップを2発搭載しており、ハウリングを防ぐ為にfホールは書いてあるだけである。

・Gibson Les Paul Model"LUCY"

Gibson Les Paul Model"LUCY"


1968年に親友エリッククラプトンからプレゼントされたギターで、元々ゴールドトップだったものがリフィニッシュして赤になった。

"Revolution"のPVでジョージが弾いている姿を見る事が出来る。
また、このギターを用いて"While My Guitar Gently Weeps"における泣きのギターをクラプトンが弾いている。
愛称は"ルーシー"だ。

・Fender Stratocaster

Fender Stratocaster

1965年に購入したストラトキャスターだ。
元来フェンダーのストラトキャスターには興味があったものの、関税があまりにも高く購入に至っていなかった。
ジョージ自身によってサイケデリックペイントが施してあり、映画"マジカルミステリーツアー"で見る事が出来る。
愛称は"ロッキー"だ。

(Paul McCartney)

・Epiphone Texan

Epiphone Texan

ポールは左利きであり、ビートルズ時代にはまだ左利き用の機材が手に入りにくい時代であった為、右利き用のギターに右利き用の弦の張り方を逆回転し弾く、という特技を持っているが、基本的には右利き用のギターのナットなどを左利き用に改造していた。

このギターは1964年に購入されたもので、イエスタデイのレコーディングにも使用されて、以降現在もイエスタデイを演奏する時には、このギターを使用している。

・Karl Höfner 500-1

・Karl Höfner 500-1

もはやポール・マッカートニーの代名詞、象徴とも言える、いわゆるバイオリンベースだ。
ポールはこのベースを2回購入している。

最初はデビュー前にハンブルグにて、スチュアート・サトクリフの脱退に伴い、ベーシストに転向する事になり購入した。
理由は左利き用のベースが少なく、安くて、左右対称でビートル(カブトムシ)みたいだった、という理由の様だ。
1963年に2本目を購入する。こちらがピックアップの離れた、いわゆるポールの代名詞として主にTVやライブで使用するメインとなり、今でもバリバリの現役なのだ。

(後記)
世界が誇るモンスターバンドであり、世界の音楽史に革命をもたらし、音楽への追求を求め続けたビートルズだ。

しかし、楽器に関して感想を述べるなら、非常にミニマムで個性的なチョイスである。

従ってメンバーそれぞれに世に知れるアイコニックなギター、ベースが存在するのだ。

無名の楽器に無限の価値をもたらす。
そんなビートルズは実にイカしているのだ。

読んでくださった方々へ。
ありがとうございました。

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