勝手に10選〜イカしたラブソング編(前編)〜
(前記)
前に、失恋ソングを勝手に10選したので、では次はラブソング10選を、という運びになった。
しかし、いかんせんこの世には素晴らしいラブソングが溢れている上に、もう終わった恋やら愛などを奏でた、要は失恋後のラブソングなど、様々なシチュエーションでのラブソングが存在する訳で、はてさてどうしたものか、と思案した。
そんなこんなで、今回は現在進行形という枠のイカしたラブソングを前編、後編に分けて勝手に10選する。
・アイ・ラヴ・ユー、OK
1975年に矢沢永吉さんの、キャロル解散後にソロデビューシングルとして発表された曲だ。
実に重厚感が溢れる心に響くラブソングだ。
この曲は、矢沢永吉さんがまだ上京もしていない18歳の頃に作曲し、当初は英語の歌詞であった。
上京後、キャロル結成前にレコード会社に持ち込むも受け入れて貰えず、以降矢沢永吉さんがずっと温めていた曲なのだ。
そしてキャロル解散後に満を持してソロデビュー曲として発表されると、キャロルのファンに受けが芳しく無く、ヒットに至らなかった。
しかし、それでも矢沢永吉さんはこの曲を歌い続けた。
そして徐々に評価を得て、今や矢沢永吉さんというアーティストを語るにかかせない曲となっているのだ。
ロッカバラードの王道を矢沢永吉さんが見事に表現した素晴らしい曲である。
サビ、Aメロの繰り返しと間奏いう実にシンプルな構成である。
演奏も、イントロのホーンなどによる名フレーズなどが散々し、重厚感に溢れるが、矢沢永吉さんの時に優しく、時に情熱的なボーカルを見事に引き立てている。
歌詞はストレートかつタイトなラブソングだ。
時は流れ、矢沢永吉さんの50歳を迎えたアニバーサリーライブでこの曲を披露した際に、長く辛い道も、のパートで涙してしまい、歌えなくなってしまった。
矢沢永吉さん曰く、つい長く辛い道のり、の所で自身が歌詞に重なってしまった、との事だ。
曲の素晴らしい所は、その曲を作った本人に対してまで、その姿を変えて感極まわせる事が出来るのだ。
・LONGER THAN FOREVER
1987年に発表されたBOOWYのアルバム"PSYCHOPATH"に収録された曲だ。
実にオシャレでシンプルかつ、ストーリー性もあり、聴いていて気持ちの良いミドルテンポのロックだ。
BOOWYというバンドは、作詞が氷室京介さんによるものが大多数を占める。
作詞家としての氷室京介さんであるが、筆者の個人的見解として、メタファーを多用し、人間、男の弱さだったり、挫折、やるせなさ、強がりだったり、失恋だったり、負の部分を実に見事に表現できる素晴らしい作詞家である。
楽曲の素晴らしさは勿論、そういった歌詞が人に寄り添い、BOOWYが沢山のリスナーに受け入れられた大きなマテリアルになっているのでは、という印象なのだ。
この曲においても、パーティの後に主人公が自身の弱さや、後悔を吐露してながらもプライドからカッコを付けて、愛を告げるラブソングである。
シンプルでタイトな演奏に、歌詞がストレートにピタリとはまり、サビは実に潔く、気持ちの良いラブソングなのだ。
・夜明けのブレス
1990年にチェッカーズのシングルとして発表された曲だ。
作詞は藤井フミヤ(郁弥)さんによるものだ。
実に重厚感と美しさを兼ね備えた素晴らしいミドルテンポのバラードだ。
作詞家としての藤井フミヤさんは、失恋も含めてラブソングが占める割合が非常に高い作詞家だ。
この曲はそんな藤井フミヤさんの手掛けたラブソングの中で群を抜いた部類に入る、実に素晴らしい歌詞なのだ。
曲は厳格な雰囲気で、実に美しいピアノから始まる。曲はAメロ、Bメロ、サビと王道の構成である。
Aメロ、Bメロは抽象的かつ散文的であるが、疲れ果てた一羽のカモメがメタファーとなり、心が折れかけて疲れ果てた主人公を表現しているとも捉えられ、美しいメロディラインに載せて、サビを迎える。
サビになると、雰囲気も実に力強く美しいメロディとなり、歌詞は実に具体的でシンプルになる。
君の事を守りたい、その全てを守りたい、というフレーズが主軸となり実にシンプルかつストレートで心に響く歌詞となる。
例え、翼が折れかけても、疲れ果てても。
サビを具体的に、他のパートを抽象的にする事で、緩急が付き、サビのフレーズがより際立ち、胸に刺さると同時に、抽象的なパートのフレーズが人々それぞれの解釈となり、人々の心を揺さぶるのだ。
チェッカーズを代表するラブソングの1曲であり、歌い継がれて欲しい曲である。
・バンザイ〜好きでよかった〜
1996年にウルフルズのシングルとして発表された曲だ。
作詞作曲がトータス松本さんである。
こんなにストレートで、ピュアかつイノセンスな底抜けに明るいラブソングは他に類を見ない。
イェーイ、君を好きでよかったという、名フレーズのエレキギターによる弾き語りで曲の幕は開け、早速胸を鷲掴みにされてしまう。
曲の構成はAメロ、Bメロ、サビの王道だが、どこを取っても前向きで実に明るい。
Aメロはメロディも安定感も素晴らしく、Bメロになると、少しマイナーな印象となるが、最終的に盛り上がり、サビへの見事な架け橋となる。
サビは、イェーイ、バンザーイなどのシャウトを絡め、実に明るく気持ちの良いメロディラインで、ラララ2人で、と締め括る、もうパーフェクトと言っても良い。
間奏のギターリフも軽やかかつキャッチーで実にイカしている。
歌詞の通り、時間なんてあっという間に過ぎるのだから、この曲の様な気持ちや幸せな時間を少しでも多く、沢山過ごしたいものだ。
イェーイ、バンザーイな大名曲である。
・歌うたいのバラッド
1997年に斉藤和義さんのシングルとして発表された曲だ。
筆者はシンガーソングライターには常に一目置いている。
自身の中から溢れる音楽に、自身で綴った歌詞を載せ、自身で歌うという事は、その曲にシンガー自身の魅力がより凝縮され、曲の中にシンガー自身による深みがでるものだ。
歌詞、曲、歌、全てがそのシンガー自身によるもの曲だからだ。
もっと言ってしまえばミュージシャンとしての究極のあるべき姿の1つである。
そんなシンガーソングライターの代表格である斉藤和義さんの楽曲であり、タイトルから自身を、歌うたい、を名乗れるべき存在なのだ。
歌うたい、である斉藤和義さんによる見事なバラッドである。
曲の中で、自身がラブソングを作る過程、意義について歌いながら、同時にラブソングを奏で、サビの最後に全てが帰結する、という唯一無二のパーフェクトなラブソングなのだ。
実に美しいギターのストローク、スライドギター、オーケストラ全てがメロディラインに沿う様に、時に融合し、美しく壮大な名脇役となり、この素晴らしい大名曲が存在する。
シンガーソングライター、という観点から聴いてみると、歌詞も曲も、ラブソングとして金字塔の1つと言える大名曲なのだ。
(後記)
後編へ続く。
・LA・LA・LA LOVE SONG
1996年に久保田利伸 WITH ナオミ・キャンベルのシングルとして発表された曲だ。
・幸せな結末
1997年に大滝詠一さんのシングルとして発表された曲だ。
・キセキ
2008年にGReeeeNのシングルとして発表された曲だ。
・マリーゴールド
・I Love You
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