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勝手に10選〜カッコいいアルバムジャケットPart.4(洋楽編)〜


(前記)

このシリーズも4回目となる。

以前にも記している様に、筆者はレコードからCDに移行する時代を目の当たりにしている世代だ。

レコードがCDになって、あら、小さくなって音もデジタルで、なんとなくソフィスティケートされた印象がありつつも、硬いプラスティック製のちっぽけなCDケースにはなんとなく違和感を感じ、反面、聴きたい曲を簡単にスキップ出来る簡便さを、…などなど、まあ一長一短で時代の流れに流されて今を過ごしている。

そんな気持ちをシンパシーしてくださるアーティストは、CDを紙ジャケットにしてくださるが、中のビニールがクシャクシャになって面倒くさかったり、CDを収納すると、あら何処にあるだろうか解りにくくなったり、ライナーノーツが読みにくい、やはりレコードの存在感には屈してしまう、などと、またそれはそれで一長一短が出てしまうのだ。

レコードはカッコ良かった。
重さも、輸入盤を開封する際の香りも、何か音楽に独特の味みたいな事を与え、ジャケットを部屋に飾る事で、自身の好きな音楽に対するアイデンティティをブレずに確認出来ると共に、ジャケットを見る度に自身の気分を高揚させてくれる。

今はサブスクが全盛の時代であり、そこを否定するつもりは無いが、ジャケットにおいて視覚から感じ取れる素晴らしい音楽の予感、ジャケットから感じるパッションなど、名刺がわりのメッセージが確実にアルバムジャケットには存在するのだ。

今回も、洋楽編、放課後編に分けて、そんなアルバムジャケットをを勝手に10選する。

Helen Merrill

ジャズの女性ボーカリストのヘレン・メリルがトランペットにクリフォード・ブラウンを迎えたデビューアルバムだ。

まずモノトーンの色のチョイスが素晴らしい。くすんだ水色という表現が適切であろうか。
熱唱するヘレン・メリルの表情も素晴らしい。

その表情に被る事をせずに、マイクに記された文字のフォントも場所、バランスも素晴らしい。

Birth of the Cool

初期のマイルス・デイビスによる名アルバム"Birth of the Cool"のジャケットだ。

個人的な見解だが、ジャズのアルバムはカッコいいジャケットが多い。
単に趣味嗜好かもしれないが。

モノクロームのマイルスを小さめに配置して、背景の黒に、見事な配置と大きさで白文字のタイトルと名前が映えている。
COOLのみを赤にしているが、実にセンスの良さを感じる。

ROCKER

エルビス・プレスリーのアルバム"ROCKER"のジャケットだ。

ハーレーにまたがるモノクロームのエルビスと黄色を背景に赤で大きくELVISと描き派手にし、対をなす事で素晴らしいバランスなっている。

更に、黒字でROCKERとエルビスの真上に小さめに記しされ、赤のエルビスの上下を黒い線で囲う事で、色合いとしてジャケット全体を引き締めている。

Ramones

ラモーンズのデビューアルバムだ。

レンガの前に、4人共に革ジャン、スキニージーンズにスニーカーを見にまとったモノクローム。頭上に白抜きでRAMONES。

実にシンプルだ。

これだけで、ゴキゲンなロックンロールがジャケットから聴こえてくるのだ。

In the City

ザ・ジャムのデビューアルバム"In the City"のジャケットだ。

ジャケットに白シャツ、ブラックタイで揃えた3人の背後には白いタイル。

その白いタイルに落書きの様なスプレーによってThe JAMの文字が描かれているが、この3人の佇まいと、落書きの様な文字の対比が素晴らしい。

モノクロームに世界観に、さりげなく小さくブルーを用いてタイトルをバンド名の下に記しているところも実にセンスの良さを感じる。

LED ZEPPELIN

レッド・ツェッペリンのファーストアルバム"LED ZEPPELIN"のジャケットだ。

ツェッペリンとは硬式飛行線をしめすが、この元になった写真は1937年に起こったヒンデンブルク号爆発事故であり、その写真を点描したものである。

モノトーンのデザインの向かって左上と右下に題名とレーベルがオレンジ色で対となっており、控えめな大きさながら絶妙なバランス感と存在感を示している。

1999

プリンスのアルバム"1999"のジャケットだ。

プリンスのアイコンカラーであるパープルを背景に、白のドットが無作為に放たれている所がまず素晴らしい。

各文字も実に愉快な自由奔放なイラストであるが、やはり濃淡の異なるパープルと取り入れる事で全体的なバランスを見事に保っている。

"and The Revolution"とさりげなく逆文字で記されているのも、洒落が効いている。

Erotica

マドンナのアルバム"Erotica"のジャケットだ。

素晴らしいジャケットだ。

白の背景に、実に艶っぽいマドンナの目、鼻、口のみを黒との中間色な青を用いてモノトーンで描き、輪郭に沿う様な形で粋なフォントを用いてタイトルとマドンナの名を黒で記す。

実に艶っぽく、カッコいいのだ。

BAD

マイケル・ジャクソンのアルバム"BAD"のジャケットだ。

全身にブラックの衣装を身に纏うマイケルと、対極にジャケットを縦断する形で、マイケルの名前が大きく記されているが、最初のMと最後のNがジャケットの上端と下端の部分だけ太くする事で存在感を増している。

背景の白とのバランスが実にカッコ良いのだ。

そして極めつけは、少し控えめで独特なフォントで記される赤文字のBADである。
位置も最高で、バランスも見事である。

これぞマイケルなのだ、の迫力がある。

Rock 'n' Roll

ジョン・レノンのアルバム"Rock 'n' Roll"のジャケットだ。

古き良きオールディーズ、ロックンロールの曲達をジョンがカバーしたアルバムだ。

アルバムの写真はそんなオールディーズ、ロックンロールが溢れていた時代、ビートルズのデビュー前にドイツのハンブルグで撮影された写真である。

たまたま、ビートルズのファンによるイベントで販売されていたのを関係者が発見したのだ。

前を横切るシルエットは、ポールとジョージと元メンバーのスチュアート・サトクリフである。

奇跡的に当時たまたま見つかった、モノクロームの写真に、さりげなくネオンサイン風にに淡い水色でジョンの名前と、赤でRock 'n' Rollと、実にノスタルジックでカッコいいジャケットなのだ。

(後記)

邦楽編へ続く。

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