「健康に過ごせるエコな家」に住みたいけど…地域工務店でもつくれるの?【つくり手の現状アンケート調査】

家で過ごす時間が増えたコロナ禍のいま、自然素材に囲まれた健康で快適に過ごすことができるエコな住宅への関心が高まっています。家づくりにおける“最強の天然素材”とも言え、さらには、その特性や扱い方を熟知している地域工務店は、どのような家づくりを行っているのでしょうか。

住宅業界のプロ向けメディア・新建ハウジング(新建新聞社)では、地域工務店など住宅会社がどのような家づくりを行っているかを知るため、工務店や設計事務所などを対象に、自社で手掛けている住宅の性能や素材などに関するアンケート調査を実施し、昨年行った同様のアンケートとの比較検討を行いました。プロ向けのアンケート調査結果から、一部を抜粋してご紹介します。

<調査概要>
【方法】FAXおよびインターネットによるアンケート調査
【時期】2020年9月4日~14日
【対象】地域工務店、設計事務所など住宅会社
【有効回答数】114社


「住宅の性能値」がよくわからない…という方は、この記事を読んだうえで読むと、より理解が深まります▼

断熱性能ってなに? 断熱性能の基本と性能値の読み方


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HEAT20・G2 必要50%

HEAT20で必要だと思われるレベルは?との質問に対し、50%が「G2」と回答しました。昨年の36.2%に対して大きく伸びており、断熱性能に対するつくり手の意識の高まりが表れています。

実際に自社で取り組んでいるHEAT20のグレードは、「G2」が昨年から1.9ポイントの微増の28.1%で、「G1」が5ポイント伸びて21.1%となりました。

断熱工法に関しては、「充填」が82.5%、「外張り」が37.7%と比率も含めて、昨年とほぼ同じ。サッシは、昨年と比べると「樹脂」が10ポイント増の78.1%と大きく伸びている一方で、「木製」が4ポイント減の17.5%。アルミは1.7 ポイント減の11.4%となりました。ガラスは、「ペアガラス」が昨年比10ポイント増の66.7%となっています。


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床下エアコンと2台使用が増加

全館空調を採用しているか?との質問に、「採用している」との回答は昨年から約1ポイント増え45.6%となりました。使用しているエアコンの台数は「2台」が58.1%で最多となっており、昨年に比べ15.2ポイント増と大きく伸びています。床下エアコンを採用しているか?との問いに対する回答についても、台数と同じで昨年に比べ15.2ポイント増え、3割超を占めました。

換気については、昨年は「第一種換気」が56.2%、「第三種換気」が54.6%と拮抗しながらも一種が上回っていたのに対し、今回は三種が64.9%、一種が57.9%と、三種が一種を逆転する結果となりました。


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抗ウイルス建材「ニーズ高まり感じる」は1割余

アンケートでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一般生活者の方からの抗ウイルス・抗菌建材へのニーズは高まっているか?と質問しました。これに対し「高まっている」との回答は12.3%にとどまり、7割近くは「高まっていない」と回答したことから、少なくとも工務店に対する要望としてはニーズが拡大しているとは言えない状況が明らかになりました。

災害が頻発し、一方で新型コロナの影響によって広域避難所での感染拡大が問題視されて「在宅避難」への注目度が高まるなかで、蓄電池を採用しているか?との質問に対しては、「採用している」との回答は昨年から約3ポイント増えて12.3%となりました。


「この工務店は“エコな家”をつくっているの?」と疑問に思ったときに、ぜひこのアンケートを参考にしてみてくださいね。


※本記事は、新建ハウジング/新建新聞社が発行した「新建ハウジングワンテーママガジン10月号 健康・エコな家づくり~木のチカラを再考する~」(発行:2020年9月30日)掲載記事を再編したものです。


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