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就労支援とアセスメントの話

「アセスメント」は、障害福祉や就労支援の業界でよく聞く言葉になりました。専門性の大切さ、根拠ある支援が必要であること、説明できる支援など、僕らの法人にあるクレド(行動指針)にもそういった言葉が多く書いてあり、事業運営する上でも重要な言葉としています。

アセスメントは、最近になってより重要視されるようになった気がします。それはきっと色んな意味があるんですが、福祉サービスが社会保障費の中で増加傾向にあり、新規参入も増える中で支援サービスの質も問われるようになったのもひとつの要因でありるようにも思います。ちゃんとやってるところもあれば、いい加減なところもある。社会保障費の中で提供される福祉サービスですから、国や地方自治体も支援の質を気にするのは自然なことなんだと思います。

ただ、ちょっと堅苦しくなってきたのも事実です。専門性がないとアセスメントができない風潮というか、検査の結果や特定のツールを用いたアセスメントを行い、それを軸に支援を行っていくことにこだわりすぎているというか、支援サービスの質は落とさずとも、そんなに律儀にしなくてもいいのかなぁと思ったりもしています。

僕の事業所では、職業リハビリテーションの言葉である「ハードスキル」「ソフトスキル」「ライフスキル」といった言葉を使っています。3つのスキルチェックは、日々の職業訓練の様子を行動観察し、ケース会議でスタッフ同士の意見や見立てをすり合わせながら収集したアセスメント情報を整理整頓していきます。まとめたアセスメント情報をもとに、企業開拓を進め、適切なジョブマッチングと職場定着を目指しています。

アセスメントをする目的は、対象とする障害のある人の願いや想いの実現のために行なう手段のひとつです。もちろん、専門的に進め、プロとしていい加減な支援をしないために、いつでも説明できるよう根拠ある支援に努めることは大切だと思います。ただ、そこにこだわりすぎると、目的を見失ってしまうようにも思えたりします。

就労支援をする上での目標や目指すことを考えると、就職後の社会人生活が充実することにあると思います。もう少し深掘りすると、職場でのやりがいや働きがいなどが充実することが大切で、QOL(生活の質)やQOW(仕事の質)をより良くすることが目指すところなように思います。

また、仕事は相手があってはじめて成り立つものであり、誰と働くか、どんな環境で働くかは大切なポイントです。アセスメントは、どうしても本人固有のスキルや障害特性などに着目することが多くなりがちですが、環境との相互作用によって本人の特性や状態像が変わることはよくあるので、「職場のアセスメント」「環境との相性」はとても大切と感じてます。

最近、仲良くさせてもらってる他法人の就労移行さんと自主ゼミを開催してて、次回は「アセスメントってなんだ?」がテーマだったので、まとまりないけど書いてみました。

アセスメントにこだわりすぎず、環境との相互作用による「今」があることも忘れずに、プロっぽさにはこだわった就労支援を引き続き頑張っていきたいと思います。


ちなみに、アセスメントに関する過去のnoteはこちらです。

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