コミュニティ運営に重要な『ダンバー数』とは?

学校、部活、会社など、私たちは様々なコミュニティに所属し生活をしています。
コミュニティに所属している人が一度は考えたことがあるだろう、組織の団結の難しさや、対人関係の悩み。

今回は、『ダンバー数』という考え方に着目し、コミュニティ運営がスムーズに進むよう考えてみたいと思います。

ダンバー数とは?

ダンバー数とは、1990年代にイギリスの人類学者ロビン・ダンバーが提唱した理論。
人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の、認知的な上限のことを指しています。

ダンバー氏によると、人間が安定的な社会関係を維持できる上限は150人とのこと。この数は、霊長類の脳の大きさと平均的な群れの大きさに、相関関係を見出したことで示された数字だそうです。


「5-15-50-150-500の法則」

150人という数字ですが、さらに細かく安定的関係に分けることができます。

・5~9人=「社会集団(クリーク)」
…精神的な支えとなってくれたり、困ったときに助けてくれたりする人のこと。

・12~15人=「シンパシー・グループ」
…家族や親友ではないが、その人が亡くなるとひどく悲しむような人達のこと。

・30~50人=「一団(バンド)」
…比較的頻繁にコミュニケーションを取る(取れる)人達のこと。

・150人=「フレンドシップ・グループ」
…ダンバーの言う、一人ひとりの顔を覚えていて、名前と顔がしっかり一致できる限界の人数のこと。

・500人=「部族・種族(トライブ)」
…会ったことはあるが、それほど親しくない人のこと。

・1,500人=「共同体(コミュニティ)」
…今まで生きてきた中で出会った人たちで、記憶に留めている人数の限界とされている人数のこと。

この法則を考えると、どんなに人脈があっても一人一人のことを覚えて深くつながることには限界があることが分かります。

ダンバー数から組織作りを考える

上記の法則を考えると、150人を超えるコミュニティになると、一人一人のことを把握することは困難になってくることが分かります。
そのため、コミュニティの団結を維持するためには、規則や強制的なノルマなど、決まり事をきちんと示す必要が出てきます。

また、一人で管理できる人数は4~6人であるとされています。
大きなコミュニティであっても、少人数の班を作成したほうが、動きやすいことが分かります。

少人数で行動することで発揮されるであろう力

5人程度でチームを編成すると、協調行動も取りやすくなります。

協調行動を促進するために必要な6つのルールは、以下の通りです。
1「自分以外との接点」
2「頻繁なコミュニケーション」
3「見える化された状態」
4「信頼される関わり方」
5「価値観の共有」
6「競争しても得しない状況(ゴールの共有)」

6つの要素を見てみると、相手と対話し信頼関係を築くことで、価値観を共有しようと思えるようになり、互いを尊重し合いながら、互いの考えをオープンにして見える化された組織になっていけることがわかります。

考察

この法則を知り、今までのコミュニティを振り返ってみると、学生時代の班の人数、係の人数、などで4~6人という数字が多く出てきていたことに気づいた。

また、私は学生時代50名以上の部活に所属していたが、その際にも円滑に部活動を運営していくために、複数の係が存在し、それぞれ4~6人程度で係の業務を進めていた。
小さい集団が、それぞれ、相手を深く知り、安心して過ごすことで団結力が生まれ、細かな結束が大きな結束に繋がっていくことが実体験を通しても大切であったことが分かった。





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