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驚異のスピード?炎上事案の拡散と記事化について

こんにちは!デジタル・クライシス総合研究所です。

2019年のバイトテロに始まり、今となっては企業や個人に問わず、日常的に見られるようになった炎上

SNSの利用者も年々増加傾向にあり、特に昨今はコロナ禍による利用時間の増加、ユーザー心理の複雑化から、今まで以上にいつどこで炎上が起きてもおかしくない状況になってきています。

ところで皆さん、もし仮に炎上してしまった場合、どのぐらいのスピードインパクト拡散し、記事化されるかはご存知でしょうか?

特に炎上事案に関しては、できるだけ早いタイミングで問題に気づき、適切な対応を行うことが非常に重要となってくるのですが、では実際に

「どのくらいのタイミングで対応を行うことができればよいのか?」
「気づいたタイミングの状況を的確に把握するにはどうすればよいのか?」
「このタイミングでの適切な対応とは一体何か?」

などを判断するには、炎上のメカニズムを正しく理解しておくことがまず必要になります。

そこで、今回はどういった順序で拡散されていくのか、また炎上件数の推移や拡散スピートについて私たちが独自調査した内容をまとめていきますので、少しでも炎上対策の一助となれれば幸いです!
※参考:デジタル・クライシス白書2021

前年比約+15%、2020年の炎上件数は1,400件以上?

2019年のバイトテロを始め、「炎上」はふとした投稿でも想定以上の損害を被ってしまう可能性があります。

そしてその炎上発生件数ですが、2020年は1,415件となっており、前年の2019年の1,228件に比べ15.23%もアップしているのが現状です。
その中でもコロナ関連の炎上が158件と、新型コロナウイルスの感染拡大が炎上発生件数の増加に影響を及ぼしたと言える結果になりました。

この結果から月平均発生件数を出すと約118件となっており、1日に約3~4件もの炎上が日々起こっていたということになります。これだけ炎上がより身近なものとなっているのです。

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そして、この炎上の原因となる問題行動の主体についても調査をしたところ、月平均にして著名人が60.5件法人等が35.2件一般人が22.3件という結果となり、2019年の著名人42.4件、法人等32.5件、一般人27.4件に比べ、明らかに著名人や法人等の炎上が増加しています。
また、炎上発生件数の最も多かった2020年4月(245件)は、著名人の炎上事案が最も多く159件という結果となりました。

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では、この2020年度で起きた炎上のうち、記事化され、拡散に拍車がかかった件数の割合は一体どのくらいだったのでしょうか?

炎上事案の記事化される割合とは?炎上から拡散までの流れ

炎上事案が記事化されることで、より拡散し、さらに多くの方に認知されてしまうというのはある程度想像がつくかと思います。
では、そもそも炎上はどのようにして起き、拡散していくのか、そして記事化されるに至る流れについて、なんとなく想像はついても詳しく聞くことは中々なのではないでしょうか?
もちろんご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、まずは簡単にこちらについて説明してきます。

■問題となる事象がリアルタイムで露出しているかどうか

炎上というのは発生パターンが2つあります。
①問題となる事象がリアルタイムで露出していない場合
②問題となる事象がリアルタイムで露出した場合

この2パターンのどちらかによって炎上の流れが少々異なります。

①問題となる事象がリアルタイムで露出していない場合
この場合は、問題となる事象(原因)が露出していなくとも炎上してしまうパターンで、原因を第三者が発見する、もしくは自ら公表することで炎上・拡散につながってしまうケースです。流れとしては以下のようになります。

1.問題となる事象(商品の欠陥、ハラスメントなど)が発生
2.炎上の発端となる情報の露出
(SNS/ブログ/掲示板などのCGMに投稿され露出、メディアが独自取材で記事化して露出、公式発表(HP、記者会見など)で露出など)
3.Twitterで拡散、掲示板やまとめサイトで関連ページが立ち上がる
(一次炎上)
4.炎上をまとめた内容をマスメディア・デジタルメディアが放送・記事化
5.Twitterで拡散(二次炎上)

②問題となる事象がリアルタイムで露出した場合
この場合はリアルタイム(テレビの発言やYoutubeなどの動画生配信)で問題となる事象が発生し炎上につながるパターンで、問題の事象を発見した第三者によりそのままTwitterなどで拡散され炎上するケースです。流れとしては以下のようになります。

1.問題となる事象(テレビの発言やYouTubeの生配信など)が発生
2.Twitterで拡散、掲示板やまとめサイトで関連ページが立ち上がる
(一次炎上)
3.炎上をまとめた内容をマスメディア・デジタルメディアが放送・記事化
4.Twitterで拡散(二次炎上)

そして、2020年起きた炎上件数1,415件のうち、無作為に抽出した100件のアウトプット状況(炎上事案の記事化状況)を調査したところ、2019年は50件中28件(56%)だったのに対し、2020年では100件中75件(75%)と大幅に増加したことがわかりました。

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この数が増えているということは、今まで以上に二次炎上へ繋がりやすくなったり、より多くの方の耳に入るため、自分の想定を遥かに超えた損害を被る、または周囲の方にも想定以上の大きな影響を与えてしまう可能性があると考えられます。

できれば「炎上事案の記事化に至る前に適切な対処をしたい」というところかと思いますが、記事化の前に対応するにはどのくらいのスピード感で動く必要があるのでしょうか。拡散・記事化までに至るスピートを見ていきましょう。

SNSの拡散スピードと記事化速度の推移について

ネット上で炎上が起きてしまってから24時間未満に放送・記事化される割合について調査したところ、2019年は21.4%だったのに対し、2020年は48.0%となっており、前年度から倍以上増加していることがわかりました。
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この結果から、炎上が起きてしまった場合、約50%が24時間未満で放送・記事化されるということになりますので、今まで以上にスピード感を持った対応が必要になると想定できます。

また、これらの原因として放送・記事化をするメディアの増加が考えられており、放送・記事化をするメディアの割合について、2020年はマスメディア(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)はほぼなく、デジタルメディア(「J-CAST」「ねとらぼ」などのネットニュースやSNS・ブログ・掲示板等)が98.7%という結果が出ています。
サイト別に分析をした結果としても、2019年はデジタルメディアが13件だったのに対し、2020年は44件も確認され、炎上事案に対する注目度が高まったことで炎上事案を扱うデジタルメディアが増加した可能性が考えられます。

炎上事案の注目度が上がっている今、これらのデータから考えてみても炎上対策の重要性や、炎上した場合の適切な初動対応、スピートが大事だということがわかります。

まとめ

年々増加する炎上件数、炎上のメカニズム、拡散のスピードについてまとめてまいりましたが、コロナ禍の今は特に、先行きの見えない不安や自粛ストレス、さらにお家時間の増加によるネット利用時間の増加も伴い、今まで以上に炎上しやすい状況となっています。

その中で自身を守る、または企業を守るためには炎上のメカニズムや拡散のスピードについて理解し、そのタイミングにあった適切な対応が非常に重要となっており、もし炎上してしまった場合、今や24時間以内に半数の炎上事案は記事化され、さらに多くの方に拡散されてしまいます。

大きな損害を被らないためにも、炎上予防・対策の仕方を定期的に見直し、適切な対応が取れる体制の構築をおすすめいたします。

また、弊研究所では企業の広報担当者などに向けて、最新の炎上傾向を調査・分析し、お知らせしています。
月に1回炎上研究レポートの配信と、会員企業向けの炎上事例勉強会をケーススタディとして活かすことで、自社のリスク対策をより強固なものにできるかと思いますので、もしご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、HPのお問い合わせやフォームからお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。

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