人的資本経営とワークプレイス
最近よく耳にする、「人的資本経営」という言葉。
経済産業省の定義によると、
だそうです。
僕なりの理解としては、
✕ 人材を「資源」として捉え、定年までの限られた労働力として扱う
◯ 人材を「資本」として捉え、投資することにより価値を向上さる
という経営の考え方、だと思っています。
人口減少が止まらない日本社会。残念ながら採用難も続いていくでしょう。従来の生産性を保つためには、従業員に積極的に投資を行う「人的資本経営」が必要不可欠です。
そんな「人的資本経営」を実践するにあたり、カギになってくるのがまさにワークプレイス。ワークプレイスとは「働く環境」という意味で、オフィスだけでなくリモートワーク時の場所(自宅やサテライトオフィス、カフェ等)も含まれます。
経済産業省が2020年9月に公表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」では、「3つの視点」と「5つの共通要素」というものが提唱されていました。このうち、
視点③:企業文化への定着
要素④:従業員エンゲージメント
要素⑤:時間や場所にとらわれない働き方
の3つが、特にワークプレイスと関連していると思います。
たとえば、2020年以降急速に導入が進んだリモートワーク。「要素⑤:時間や場所にとらわれない働き方」に該当します。コロナ禍にならなければここまで浸透することも無かったかもしれません。時差出勤やフレックスタイム制も同様ですね。
また、働きやすいオフィスづくりは「要素④:従業員エンゲージメント」に直結します。人口密度が高すぎる、Wi-Fiが途切れる、会議の声が丸聞こえ、といったオフィス環境の不満は、従業員エンゲージメントの低下に繋がってしまいます。反対に、業務内容やシーンにあわせて適切な場所を選べる環境だと、従業員の生産性が上がり、ストレスも軽減します。
「視点③:企業文化への定着」は、リモートワークよりオフィスワークのほうが促進しやすいと一般的には言われています。多くの企業が悩んでいる課題であり、オフィスの必要性が叫ばれる理由でもあります。理念やコーポレートカラーをオフィスで表現するなど、広範囲で視覚的に訴えかけることができるからです。一方、従業員の自立・自走や、縛られない働き方を文化とする企業にとっては、まさにリモートワーク自体が文化の体現と言っても過言ではありません。
ただ、リモートワークを導入したからといって「どこでも働けるだけで十分でしょ」と軽く見ると、従業員の生産性やモチベーション低下を引き起こしかねません。家でもオフィスチェアやモニターを導入できるような在宅勤務手当を支給したり、通信環境を整えてあげたりと、オフィス以外の労働環境にも気を使うべき。なぜなら、譲歩ではなく投資だからです。
といった感じで、とにかく考えなければいけないことがたくさんあります。「人的資本経営」と働き方の多様化、2つの波が一気に押し寄せているのが現状で、それをワークプレイスに落とし込んで打ち手を練っていくのが経営者・総務担当者の方々の使命になっています。
47はワークプレイスのプロとして、こうした企業のお悩みに日々向き合い、様々な提案をしてきました。固定席からフリーアドレスに変更することで、どんな効果があるのか。どういうルールで運用すれば最も効果的か。ハード・ソフトの両面からアプローチします。また、メリットだけでなくデメリットもしっかりお伝えし、何を選択すべきかお客さまと一緒に考えます。
ワークプレイスへの投資は、時間もコストもかかることが多いです。せっかく投資するなら、意味のあるものにしなければいけない。従業員が幸せになる環境にしなければいけない。そう思いませんか?
改めて、これからの時代は人材への投資が必要不可欠であり、その人材を支えるワークプレイスへの投資も自ずと重要になってきます。一見ワークプレイスとは関係なさそうな経営課題も、意外とワークプレイスの工夫で解決に導けることだってあります。「人的資本経営」とワークプレイスに興味がある方は、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。