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30人の壁・50人の壁・100人の壁

つい先日、全社の正社員数が100人を超えました。

僕が入社した2013年当時、47はまだ30人程度の小さな会社でした。そこから9年経って、3倍近い規模にまで成長したことになります。事業も1つしかありませんでしたが、今では3つに増えています。

足掛け9年と考えると、けっして「急増」と言えるスピード感ではないものの、着実に組織を大きくしてきたこの数年を振り返ると、なんだか感慨深いです。

正社員だけでなく、契約社員・アルバイトのメンバーも含めて、本当にたくさんの人たちに支えてもらっているのを実感しています。

ベンチャーでよく聞く、3つの「壁」

ベンチャーで組織が拡大する時に起こる問題として、30人の壁・50人の壁・100人の壁というのをよく聞きます。

諸説あると思いますが、僕の理解ではこんな感じです。

① 30人の壁
社長一人でマネジメントしてきたが、さすがに限界を突破。
各所でトラブルが起こってプチ炎上。

② 50人の壁
マネージャーに一定の権限委譲を行う。
しかし、マネジャーのマネジメント能力不足で課題が続出。
「社長が全部判断してた頃の方がよかった」的な不満が出るように。

③ 100人の壁
権限委譲はある程度終わり、マネジャーの能力も徐々に高まってくる頃。
とは言え、まだマネージャー各人の能力や経験値にバラつきがあるのが課題。
また、縦割組織になりすぎて他の部署の様子が見えなくなり、全社の一体感が薄れる。

47でも例に漏れず、すべての壁にぶつかってきました。

マネジメント経験の不足をどう補うか

まず最初にぶつかるのは、マネジメントに関する課題。

自分で言うのもなんですが、47のメンバーは本当にいい人たちが多くて、持っているポテンシャルは申し分ないと思っています。

ただ、マネジメント経験があるメンバーが極端に少ないのが課題でした。これまで長いこと新卒を中心に採用してきた経緯もあるので、マネジメント経験が足りないのは当然ですね。

増員によって押し上げられてマネージャーになったはいいが、どうマネジメントしたらいいか分からない、という人が増えてしまいました。

現場のメンバーから不満が出るのも分かります。でも、経験がない中でマネジメントをしていくのは、本当に大変です。僕も未経験で突然CFOになったことがあるので、その苦労は痛いほどわかります。

経験がない中でもマネジメントを行っていくためには、経験者を伴走させることが第一だと思ってます。外部からマネジメント経験者を採用するなどして、経験不足を補います。そして、それを補完するのがルールやマニュアル。一定の基準をあらかじめ用意することで、マネジメント経験の有無に左右されづらい状況をつくります。

47でもまだまだ試行錯誤の段階ですが、今後さらに現場への権限委譲を進めるためにも、引き続き注力していきたいと思っています。

縦割り組織で失われていく一体感

そして100人の壁で起こってくるのは、縦割りによる組織の一体感の喪失。

権限委譲が進めば進むほど、機能ごとの最適化が図られていきます。それ自体はもちろんベターなのですが、同時に全社の一体感が損なわれていきます。

47の場合、仲介・内装・家具と3つの事業があり、それぞれの判断を事業責任者に委ねています。この縦割りが進みすぎると、事業横断でのコミュニケーションが減ってしまいます。せっかく複数サービスをワンストップで提供しているのに、その強みを十分に発揮できません。

そもそも同じグループで複数事業を行っているのは、お客さまの様々なニーズにお答えするため。たとえ事業は違えど、目的は「より良いワークプレイスを提供する」という一点に尽きます。綺麗事でも何でもなく、提供価値向上のためには事業間連携が欠かせないんです。

この課題を解決するためには、一見無駄に見えるような情報開示やコミュニケーションを根気強く続けていくしかない、と思っています。

各事業部の進捗を当月・四半期・年度単位で開示していく。事業部のメンバー紹介や、部署横断でのディスカッションを積極的に行う。様々な手を使って、壁を取り払っていくイメージです。

組織の縦割りが進むと、どうしても情報がクローズドになってしまう。大事なのは、とにかく意識的に開示をしていくことです。

Slackのオープンチャンネル「thanksカード」や、採用広報として活用しているnote「よんなな通信」。そして、僕が週1で収録している「社内ラジオ」も、すべて情報開示の一環です。

組織づくりは常にトライアンドエラー

以上が、「マネジメント経験不足」と「縦割りによる一体感の喪失」について、いま僕が考えていることです。

企業によっても状況は違うと思うので、あくまで一例として47の話をさせてもらいました。

僕はいま100人の壁と向き合い、絶賛奮闘中ですが、いずれこの壁を乗り越える時が来るでしょう。そして一息ついたかと思ったら、また別の壁にぶつかるのだと思います。組織づくりは常にトライアンドエラーですからね。

どんな状況においても、メンバーへの感謝と信頼、そして敬意を忘れずに、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思っています。