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ウチの店長さん10iro booksさんの「10年いろいろ」の感想文①

練馬区の江古田で「ぼっとう&よはく」というコワーキングスペース兼一棚本屋さんを運営してしる、s.akkoです。

今日は、予告通り一棚本屋の店長さんの著書の感想文を。
毎日更新できるか?!



ある日、お母さんが泡を吹いて痙攣して倒れた。そんな衝撃的な経験を高校生の時に著者は、経験します。そこから10年間。命は、助かったものの重い障害を追うことになったお母さん。一緒に介護をする父や兄や周りの方達との協力を経て感じた事、成長していく著者の記録というのが、ざっくりとしたあらすじです。

でもそこに書かれているのは、もっともっと深い、生きるという事とは?死ぬという事とは?親子という事とは?支えるという事とは?寄り添うという事とは?色々な?の答えなのか、問いなのか?
自分自身の事や今、起きている社会を取り巻く問題。そんな色々を考えるきっかけになる一冊でした。

個人的な話しになるが、私がこの本を読んだのは、私自身の父が大腸癌の手術をする日の病院の待合室。
父の手術中に家族の誰かが付き添わなければいけなく、その日に都合がつくのが家族の中で私だけだったので、私は、東京から地元のある市内の市民病院へ朝から向かった。父は、前日から病院に入院していた。
折しもコロナ禍。父に会えるのは、手術前の一瞬だけと病院側からは、説明を受けていた。
「もうすぐお父さん、みえますよ」と看護師さんからの声かけに手術室に向かう父を待っていたら、父は、点滴のような何かをガラガラと引きながら、歩いてきた。てっきりテレビドラマのようにベッドに横になって、手術室に運ばれていくのを想像をしていた私は、ちょっと拍子抜けしてしまった。それでも「お父さん、頑張って」と声をかけ、そんな父の姿を動画で撮影した。父は、少し笑顔を見せて「おう」と言って軽く手を振って、手術室に歩いて行った。普段、ほとんど喋らない父のその姿は、とても印象的で思い出しても何だかちょっと泣きそうになる。

そして手術が始まってから、私は、病院の面会に来た家族が入院患者と少し会える待合室のようなところで一人じっと待つ事にした。

その時にこの本を読んだ。一人でじっと父の事を待つのにスマホの画面では、なく何か読みたいなと思っていた。ちょうどこの本を買ったばかりだった。

著者とは、とても親しくしているママ友で私が今のスペースを始めるきっかけとなった人であり心から信頼できる仲間と思える関係だ。私自身は、何度も彼女の言葉に励まされてきた。彼女が20年位ずっとお母さんの介護をしていた事は、本人から聞いていたが、この様な著書を出している事も具体的にどんな介護生活を送っていたのかも、深くは、知らなかった。

ページを開いてすぐに可愛いイラストと一緒に「はじめに」という文章がある。そこに書かれている、お世辞にもプロっぽいとは言えない文章には、彼女のとても強い、まっすぐな気持ちとお母さんのことを書き記して色々な人に読んでほしいという勢いというかパッションに私自身物凄くグッときてしまい、早く、本文を読みたい!!とあっという間にこの本の世界に引き寄せられていった。
彼女のいつも言葉を選びながら、丁寧に話してくれる様子を想像しながら。

今、現在の自分の置かれている父の手術や母のことなどギリギリの気持ちにいた私は、より切実に何かを感じていたのだと思うけれど。

そこから、はじまるプロローグ。
著者のお母さんのちょっと普通じゃない、凄い自己紹介と共に語られるお母さんの仕事や想いがまたとても、心に響いた。

長くなりそうなので、続きは、また明日。

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