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うつ病はともだち #5

 学校に行きたくないからといって、行かなくてもよいとはもちろんならない。私が通っていた高校は私立で、どうしても校風が好きで親に頼み込んで入らせてもらっていた。学費はもちろん公立高校よりも高い。

 夏休み明け。ああ、行きたくないなあ、これなら家でコンサートの準備してたいのになあ、と思いつつ、何とか登校した。

 やはり、友達は私がわからないTHE・JKといった話題ばかり話す。そりゃあ、JKなのだから当たり前だ。私だってJKだ。私がJKに合わせないと、と考えた。


 でも、やっぱり、耐えられない。なぜだろう、とっても苦しい。1人になりたい。笑顔になれない。やばいやばい、涙が出てきそうだ、抑えないと。

 結局私は耐えきれず、授業中にも関わらずトイレに駆け込んだ。
 その瞬間、涙が止まらなくなってしまった。どうしよう、こんなに泣いたら目も鼻も赤くなっちゃう。泣いてたんだって気付かれちゃう。わかっていても、涙は止まらない。結局、どの位トイレにこもっていたのだろう。わからないけれど、きっと、あれ、戻ってこないね、大丈夫かな?とクラスメイトが心配するくらいには長かったはず。


 結局私は、教室には戻れなかった。そのまま保健室に行って、お腹が痛いから帰らせてくれ、と先生に言い早退させてもらった。

 そのころはまだコロナ禍で、体調不良者が早退する際は、公共交通機関を使わないように、先生から言われていた。そのため、母に連絡して、車で迎えにきてもらった。今考えれば、発熱しているわけでもないのに車で1時間もかかる学校に、よく迎えにきてくれたなと思う。


 母が学校に到着して、私は車に乗った。

 母は、全てお見通しだったようだ。
 「本当は、お腹痛くないんでしょ。でもしんどかったんでしょ。とりあえず明日はお母さん仕事休みだから、学校休んでどっかカフェにでも行こう。」



1話からぜひご覧ください⬇️
https://note.com/s_akari_/n/nddd0385953ed

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