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木曽熊野ルートS(5) なんかもう、過去はいいやと思った。



この記事は、木曽熊野ルートSの最終章です。



木曽熊野ルートS・バックナンバー





DAY7
8時にチェックアウトすると、雨が降っていた。
昨日の全国制覇の達成感を思い出し、もう無理に旅をしなくても良いのではないかと重荷になる。だけどGoogleマップを開くと、いつかここにまた来る未来が想像ができないような場所にいることに気づく。
好奇心はほどほどに、勿体無い精神が背中を押した。ケチなので。



熊野三山のひとつ、熊野那智大社の近くにある那智滝。近くといっても正確には那智大社の別宮であり、滝そのものが御神体となっている。
雨がザーザーと容赦なく降っているので観光客はいない。水量はおそらく普段より多いのではないかと思う。
この大迫力を独占している。

すげー。

時間に追われているわけでもないので、しばらくボーっと見ていた。
こうしている間にも世界は目まぐるしく変化していくし、身近なところでもある人はある人を愛していたり、ある人はバリバリ仕事をしてたり、または飲んだくれてたりしてる。あたりまえだけど。
逆にいうと、この旅を終えて半年経ったわけだけどこれを書いている今も、この滝は毎秒1トンの水が落ち続けている。何千年も前から。
ヤバすぎる!!!



中辺路をちょこっとだけ歩いてみた。
”道”が世界遺産になっているのは、熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のみ。
およそ1,000年前の道が現存しており、また信仰の対象となっていたという世界的にも価値のあるところ。
靴の中がびしょびしょに濡れている。だが構わない。旅のモチベが上がってきている。



熊野那智大社も独占状態。
境内をぐるっと回ると大きな楠があり幹が空洞になって中に入れるようだった。その前には護摩木があり、願意を書いて奉納することができる。


雨でびしょ濡れになりながら、境内ひとりでこれを書き、狭い幹の中を通り、梯子を登ったりした。
僕には、ここに書いたことが実現するように頑張るしかできない。

あれから半年経ち、なにか変わったのだろうか?






アドベンチャーワールドで有名な白浜までひとっ飛び。
そこからバスで海沿いに出て、オーストラリアのパースから持ってきた白い砂が有名な白良浜へ。
オフシーズンかつ雨が降っていたのでまたも独占状態。
本州でもトップクラスに良いリゾート地だと思うけど、ここで一人は、だいぶ寂しい気持ちにさせてくれる。



日本最古の温泉、崎の湯。
波打つ太平洋が目と鼻の先にある露天風呂で開放感がすごい。
もうこのへんからは、さっき濡れた靴や靴下が早く乾かないかを、どうすれば気持ち悪くならないかを、ずっと考えていた。




和歌山もすっ飛ばして天王寺に到着。
天王寺MIOのABCマートでナイキのスニーカーを購入した。ちょうど靴を買い換えようと思っていたタイミングで丁度よかった。
そこからぐだぐだと散歩しながらアメ村へ。甲賀流のたこ焼きを食べる。
ほいで、懐かしの”酒缶を飲みながら梅田まで歩くヤツ”をやってみる。
阪神のミックスジュースを飲んで、サウナに宿泊した。

翌朝、大阪に住んでいたころによく食べていたうどん屋に行く。
実に2年ぶりくらいだけど、体感的にはもっと前だったような気がする。

なんかもう、過去はいいやと思って、昼過ぎの新幹線で帰宅した。

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