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家なき子(25歳 男性) 実家へ

連休最終日。休みが終わる。残念だ。
無為な時間を過ごしたように思うが、友人と会ったり、1人でぼおっと考えたり、有意義だったことも多い。意外と無駄に過ごした時間は少ないのではないか。

今日は眠り続ける彼女を叩き起こし、ランチを食べに彦根へ。学生時代に自転車で通ったお店に、今では大阪から車で通っている。昔みたいに毎週末食べに行ければいいのに、流石に今となっては8ヶ月に1回食べに行くのがやっとだ。

安定の美味しさ。メニューの更新されなさも安定している。一応季節ごとに変わるはずだけど、更新頻度はめちゃくちゃ遅い。でもこのお店のご飯を食べることを目的としているところもある。文句は言えない。

腹を膨らませて北に向かう。水晶浜へ。
満腹になった彼女は助手席で眠る。羨ましい。僕は助手席に限らず、他人が運転する車で寝ることができない。ある友人は「ドライバーを信用してないんでしょ」と言い切る。

彦根から木之本まで少し混む。いつもはすんなり行けるはずなのに。日が短い季節なので、少しやきもきする。
福井に入ると道路はガラガラだ。うねうねと海岸をなぞると目当ての水晶浜に着く。今日は季節の割に暖かいからか、いつもより人が多い。5人くらいのサーファーが波間に浮かんでいたし、浜辺にもカメラを持ったカップルがいる。今まで見たこともない、バイク乗りなんかまで駐車場にいる。それでも夏場のピークに比べたら、全く人がいないも同然だ。

水晶浜に始めてきたのはいつだったろうか。彼女と付き合い始めて2、3ヶ月経った頃だったろうか。レンタカーを借りて夏前に訪れた覚えがある。日本海側に、南国のビーチみたいな場所があるなんて知らなかったので柄にもなく景色に見惚れたりした。それ以降、夏以外の季節に訪れるようになった。

来て何をする、という場所ではない。ただ波を見ながら鳥居のある岩場辺りまで歩いて終わりだ。寒くなければ脚くらいは浸かるけれど、今の季節は指先を濡らすくらい。ここまで来るコストに比べると、少しキザで贅沢だ。僕が外野なら野次る。

今日は来た時間がいつもより遅い。加えて日が短い季節なので夕日を見ることができた。誰が見てもきれいだと感じるであろう風景。多分にもれずスマホで撮る。

夕日に文句つける人間はいないだろう。

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