人生において「ポジション」を取ることの重要性
ポジションってご存知でしょうか。
投資の世界ではポピュラーな用語ですが、そういったことに縁がなければ、「なんじゃそれ」という感じですよね。
かんたんに言うと、何らかの投資対象について買う、もしくは空売りするなど何らかの行動を取った状態のことを指します。例えばあなたがソフトバンクの株式を買ったら、それは買いポジションを取った、ということです。
その場合は「ソフトバンクの株価が上がると思っている」という態度の表明ですよね。逆に空売りすることもあって、その場合は株価が下がると思っている、ということです。
そして、この「ポジションを取る」という言葉は、投資用語から転じて「物事に対して何らかの態度を表明する」といった意味で使われることもあります。
僕はいままで、人生において何らかのポジションを取ってうまく行っている人を何人も見ていて、すごく重要だと思っていて。自分はなかなかできないことも多いけれど。
今日はこの「ポジション」について書いていきます。
人生においてポジションを取るということ
「あー、ポジション取るのほんと大事だなー」って思うこと、ちょいちょいあるんです。
ポジションについていままでで印象的だったのが、r-proの岡本さんと話してたときに聞いた、クリスチャンからのトランプについての見方なんですよね(岡本さんはクリスチャンだそうです)。たしか
「クリスチャンからすると、トランプは無宗教なんだよね」
的なことを言ってた(ような気がするんだけど、どうでしたっけ)んですね。飲みながら話してたからちょっと記憶が曖昧ですが、とにかく彼はクリスチャンであることから、僕とは全然違った視点でトランプのことを見ていたわけです。
昨日も、行きつけのボクモで打ち合わせがてら飲んでたんです。そのときのお客さんに、名古屋大学の関係者(のすごく偉い方)が来てたみたいで。
ボクモはオーナーソムリエの岩須さんが名古屋大学出身ということで、大学と一緒にイベントしてたりするんですけど、やっぱりそういう「名古屋大学と一緒に色々やってるよ、大切にしてるよ」というのを表明してるからこそ、そういったご縁ができる。しかもその方NZワインが好みだそうで、「名大関係者×NZワイン」となったら、たぶん名古屋では岩須さんしかいないですし。
他にも、僕の中学時代の同級生がやってる会社が、映画レビューサービスの運営ですごくいい感じになってるんですけど、その会社には当然映画好きのスタッフが集まるはず。しかもサービス運営で得た色々な知見や、その他の資産を使って、さらに関連ビジネスをひろげている。こういったことができるのも、やっぱり「映画レビューアプリといえば」というポジションを取ったからだと思います。
ポジションを取ると基準ができる
クリスチャンである、NZワインを愛している、映画レビューサービスならNo.1である、というポジションを取ると、それらを軸にしたものごとの見方や判断が可能になります。
「NZワインを愛している」というポジションからNZワインを見るのは当然としても、じゃあそれに対してフランスワインはどうなんだ、イタリアは、同じニューワールドのチリやオーストラリアは、などといった見方ができますよね。逆に「NZワイン、イマイチ」というポジションを取った上でNZワインを見ることもできるし、それぞれのポジションから逆を想像することもできる。
周囲からの見方も「NZワインといえば」となるわけで、関連する情報が入ってくるようになるし、ビジネスのお話だって舞い込んできます。ていうか今一緒にやってるNZワインのサイトだって、岩須さんがポジション取ってたからこそ「やりましょー」ってなったわけですしね。
やっぱりポジションを取ると、色々いいことが多いなあというのが率直な印象。というかポジションを取らないのは、ビジネスの上でも人生でも、まあまあなデメリットがある。
これはマーケティングにおける「Stragitec Positioning」のお話とも通じてて、今読んでる本ともコネクティングザドッツです。
とはいえ、やっぱりそんなにきっぱりと態度を表明するのって難しいとも思います。
ポジションを取ることは、一方のポジションを捨てるということ
あるポジションを取ることは、もう一方のポジションを捨てるということ。
例えば「NZワインを愛している」と表明することは、「NZワイン、イマイチ」というポジションを取る人々からの支持を捨てる、ということでもあります。
なるべく八方美人的に生きていきたい凡庸な僕らとしては、これがすごく難しい。
所謂「何でもできるは、何もできないと同義」状態に陥ります。もう僕の人生そのものじゃねえかという自省を込めて書いていますが、ここは勇気を持ってポジションを取るべきでしょう。取れよ俺。
とは言え全然考えてないわけではなくて。
ウチの会社はクリエイティブを業務のひとつとして提供しています。ただ、社内では、めっちゃかっこよくてエモいのは作れません。
でも、自社メディア運営の経験を活かして、どのようにテスト・改修しながら永続的に成果を得ていくかといったことを軸に提案し、それに付随するものとして社内でスピーディにクリエイティブを提供します、というポジションは取っています。
これって「エモいのは他の会社に依頼します」という表明であり、捨てているわけですね。無い袖は振れないので、戦略的にこうしてきたというわけではありませんが、いまのところ上手く行っているのではないかと思います。
今日のまとめ
今日書いた話は、この本にめっちゃしっかり書いてあります。
いまのところ今年一番なので、皆さんも是非読んでほしい。まだ今年一冊しか読んでないけど。でも仕方ないんです。読んですぐ2週目に入ってるので。
最後にざっくりまとめると、勇気を持ってポジション取ると、割といいことあるよね、というお話でした。
明日もなにか書きます。
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