離婚についての考察 その4
※この文章はもちろんビーフストロガノフと関係はありません。今食べたいと思っているだけです。
予想していなかった返答に戸惑いながらも、
「自分のためだしあなたのためだし子どものためだし自分たちの周りの人のため」
と返信するもそこからの折返しはなく、また再び完全に無視されるようになりました。
どうしていいのかわからず、ただ時間が過ぎ、気づけば外は寒くなり。
吐くいきが白くなってきた頃、仕事で青森に行く事があり、その流れのまま、妻の住む家へ向かいました。何事もなかったかのように「ただいま」と玄関のドアを開けると子ども達が「お父さんが帰ってきた!」と、嬉しそうに抱きついてきました。
久しぶりに嗅ぐ子供の匂い。柔らかな、しかしその下にしっかりと肉が詰まっているような生命の力を私は強く抱きしめました。
ああ幸せはここにあったのです。
しかし、そう思った矢先に妻からの叱責。
今すぐ出ていけ、外で話をしようとのこと。
戸惑った表情を浮かべた子供たちの顔は今でも忘れられません。
子供たちの前で揉めるわけにもいかず、外出し、近くの喫茶店でふたりで話すことになりました。
何年ぶりでしょうか、二人で話をするのは。
妻の顔を正面から目を合わせてちゃんと見る事はいつ以来でしょうか。妻が私の目を見ることはいつ以来でしょうか。妻の目に今の私はどのように映っているのでしょうか。
私は妻の顔を久しぶりに見て、やっぱり綺麗なんだなと改めて思いました。
続く
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