見出し画像

大学生のエジプト旅行記④

朝日に照らされた気球を横目に「死」へ向かった。


合わせてお読みくださいね。


早朝、7時に船を出て、一行は日が昇る東を背に「死」の象徴であるルクソール西海岸へ向かいました。

今日はその西海岸のお話。

気球って天気の良い日で風もない日じゃないと飛ばないんですね〜。

画像1

ルクソールは古代ではテーベの都として栄えていましたが、現在はカイロに比べると随分田舎の地域です。

この辺りの地域で就ける職は、家畜を飼いながら農業をするか、観光業に就くかのほぼ二択だそうです。実際に私が泊まった船には、有り余るほどのスタッフさんがいて、食事の時に毎回お皿を下げに来てくれるスタッフさんが違うほどでした。

画像2

バスに揺られながらまだ眠い目を擦っていると知らない間に辺りが一面岩壁に覆われていました。

向かっているのは

「王家の谷」

西は「死」の象徴。「王家の谷」とは、こうした岩山の谷にある岩窟墓群のことです。

古代エジプトの新王国時代のファラオたちの墓が集中していることからその名がつけられました。

ここには、24の王墓を含む64の墓が現在発見されているようです。(Wikiより)

墓の多くは墓泥棒の被害を受けたようですが、1922年に発掘されたかの有名なツタンカーメンの墓は唯一墓泥棒の被害を受けませんでした。

画像3

この可愛い乗り物「タフタフ」に乗ってお墓の近くまで乗せて行ってもらいます!(手前のおっちゃんどいてw)

画像4

一つのチケットで、三ヶ所ほど回れるのですが、各お墓の内部はこんな感じ〜。

部屋の中心に石棺が置かれていて、壁にはレリーフがびっしりと描かれています。レリーフには、ファラオが神に捧げ物をしているシーンや槍を持って戦うシーンなどが描かれていました。

神と言っても様々な種類の神様がいて、アメンラー神をはじめ、ミイラをつくるアヌビス神や、農耕の神イシス、ハヤブサの象徴ホルス神、愛と母性のハトホル女神などなど…象形文字を手掛かりに顔や王冠などでそれぞれの役割が判明しているようです。

今判明している古代エジプトの文明や人々の暮らしというものは全てこのレリーフとそこに書かれている象形文字によって明らかにされたもので、逆に言えばこの壁画が文明を物語っているということなんですよね。これはまじで感動です。

画像5

こちらがツタンカーメンのお墓。「ツタンカーメン」というのはめちゃくちゃ日本語らしく、現地では「トゥトアンクアメン」という発音みたいですw

画像6

こちらがそのトゥトアンクアメンさんのミイラです。(記事声に出して読んだらここでめっちゃ吹いたwww)

ここでツタンカーメンのお話を少しだけ。

彼のお墓が発見されるまで、彼は今のような人気や知名度は全くありませんでした。それは、このお墓が唯一無傷で残っていたからこそなのかもしれません。今は彼の黄金のマスクが古代エジプトのファラオの象徴とされるようになりましたが、それまでは発掘されるまでは全くの無名だったんですよね。

古代、彼はどんな人物だったのか。歩くために杖をつくほどの貧弱な王だったようです。ミイラをみても分かるように背が低い…。彼の死因は、ミイラから推測するにして様々な謎が残されていますが、今最新の研究によって一番有力な説は、足を骨折し、マラリアによって命を落としたとされています。19歳だったと言われています。今の私と同じ年齢…。

ぞんざいに扱われたツタンカーメン

ミイラから推測、というのも彼のミイラは他のミイラとは全くつくり方が違うようなのです。非常に雑に作られてしまい、保存状態は劣悪だったそうです。ミイラというものは一体作るのに70日程度かかるようです。そう思うとぞんざいに扱われるほどあまり彼自身よくは思われてなかったのかな…とも思ってしまいますね。

ミイラがどうやって作られるかというとまず、腐敗が早い順に脳や内臓を抜く作業から始まります。脳は頭蓋骨を傷つけないために鼻からフック型の器具を使って取り除いていました。

しかし、ツタンカーメンの場合は鼻からではなく、直接頭蓋骨に穴を開けられて取り出されたようです。綺麗に残そうという想いがない証拠。この穴のせいで死因は頭部打撃による他殺という説が浮上したりもしました。

内臓は、横腹の方を少し開けてそこから全てを取り出します。しかし、心臓だけは人の魂が宿っているとされて残されました。

これもツタンカーメンの場合は違いました。まず切ったのは横腹ではなく、。さらには心臓でさえ取り出してしまったと言います。

見栄えも気にしないし彼の魂もまるで無価値かのような扱いですよね。可哀想になってきた…。

彼が古代の当時、周りの王族や市民からどう思われていたのか、そしてそれにしてもどうしてこんなに雑に遺体が扱われてしまったのかは今は謎です…。


さて、今回はこの辺にしておきましょうか。随分ツタンカーメンについて熱くなってしまいました。

次回は西海岸の話の続きからです。

面白いと思ってくださった方はスキとフォローよろしくお願いします。

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?