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創業の想い【株式会社PxCell】

はじめに

初投稿になります。株式会社PxCell代表取締役の川又龍人です。
細胞のマーケットをつくるスペキュラティブデザイナーです。

一言で言えば、世界初の細胞のアクセサリーをつくっています。

世界初の細胞アクセサリー『PxCell Wear』(赤い部分の中心にある白い点がヒトの口内細胞)

2023年7月にパナソニックの「100BANCH - 未来をつくる実験区」のGARAGE Programに採択して頂いてから約6か月が経ちました。
元々、プロジェクトとして始めたこの事業ですが、起業してから楽しいことや苦難が雪崩のようにありましたし、色んな人たちとの出会いや自分自身の成長を感じるイベントが沢山あり、半年が数年の長さに感じます。

執筆日の2024年2月5日の時点でPxCellシリーズは販売されていませんが、
これからPxCellシリーズが世の中に出ていく上で、様々な反響や反応があるかと思います。そしてそんな中で、表層だけが抜き取られて一人歩きをすることもあるかも知れません。少なくとも創業者はこんなことを考えていたということをnoteに記します。

株式会社PxCellについて

私たちPxCell(ピクセル)は、ヒトなどの細胞をファングッズやお守り、形見としてブロックチェーン技術を用いながら商品化することで、遺伝子の無断採取や細胞の所有権などルールメイキングを行うと共に細胞で想いを繋ぐ社会の実現を目指しています。

『PxCell Wear』リングの中には自分と婚約者の細胞が入っている

事業としては、2024年1月に渋谷区主催のアートイベントDIG SHIBUYAにて細胞アクセサリー「PxCell Wear」を初公開しました。
展示したPxCell Wearの中には私と婚約者の細胞を封入し、ブロックチェーンのデジタル証明書を発行することで真贋性を担保しています。

3月頃には著名なアイドルの方の細胞の入ったPxCell Wearのテスト販売を予定しており、購入者の元には推しの細胞の入ったPxCell Wearと推しのNFT、推しの情報が書かれたデジタル証明書が届きます。

もちろん、安全性には細心の注意を払っており、不特定多数の販売を想定しているため、DNAは酵素で破壊しますが、独自のコラーゲン足場技術で細胞の劣化を防ぎます。また、盗難された場合などでも第三者が勝手にデジタル証明書を閲覧できない仕組みも実装しています。

……というような技術も内容もトガっている会社ですが、

私たちが細胞を通じて行いたいことは、想いの形のアップデートです。
誰かを想う人の心は不変で尊いものですが、私は「想いを纏うこと」と「想いを残すこと」にはまだまだ続きがあると思っています。

細胞の原点は、医療従事者の家系に生まれて医師を志すも数学が苦手過ぎて建築学科に進み、そこで出会った藝大出身の先生に「お前は美大に行け!」と言われて2週間で自主退学し、美術予備校で出会った女の子の一瞬を彫刻にしたいと思い、振られたことがきっかけです。
「好きな人の一瞬を止めたい」という想いからすべてが始まりました。

「想いを纏う」

PxCell Wearは大切な誰かの細胞を纏う究極の偏愛アクセサリーだと自負していますが、本質的には新しいモノだとは思っていません。
イギリスのモーニング・ジュエリーなどでもみられるように、文化や宗教などによって異なるものの古来より人類は、大切な誰かの一部をお守りや形見、呪具などとして身に纏ってきました。
そして現代では、ご遺灰をダイヤモンドに加工したジュエリーや、推し活の文脈でライブ会場の空気を集めた「場空缶」なども登場しています。
大切な誰かの一部を纏うことは、大切な誰かへの想いを纏うことだと思います。PxCell Wearや後継のPxCellシリーズでは古来より受け継がれてきた「想いを纏う」という行為をブロックチェーンやバイオテクノロジーを用いて形を変えながらアップデートしていきます。

「想いを残す」

X(Twitter)で「本日、●●が逝去しました」「もっと学校行きたかったな」のような故人のアカウントの最後のつぶやきや、歳を重ねて愛犬や愛猫とお別れしたり、お葬式に参列する頻度が増える度に、いつも思うことがあります。「彼らが生きた痕跡やこの感情すらも、いつかみんなの記憶から消えてしまう」ということです。
現代社会において、人々の生活の営みや想いはSNSを通じて発信されたり、デバイスに保存されたり、クラウド上にアップロードされますが、AIに検閲されたり規格が合わなくなったり、プラットフォームごと消えてしまう恐れがあり、長期的に人々の生きた痕跡を残すことは難しいでしょう。
その一方で細胞の中にあるDNAには研究段階ではあるものの、大量の情報を数千年に渡って記録することが可能とされています。
今はすぐは難しいですが、未来のPxCellシリーズで私たちは、その時代を生きた人たちの記憶や痕跡をDNAに残せるようなアクセサリーやお墓をつくります。

最後に

私たちは、創業間もないバイオファッションテックのスタートアップですが、根底にあるのは『想い』です。人の想いに寄り添いながら「細胞で想いを繋げる社会」を実現します。
一人一人が弔いや想いの形を選択出来て、バイオを身近に感じるそんな世界を目指してこれからも進んでいきます。

著者近影

何かございましたら下記までご連絡ください。
info@pxcell.co.jp

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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