都会から田舎に移住した親たちに言いたいこと。
始めに言っておきますが、僕には子供もいませんし、両親は田舎育ちの人間です。
(僕のプロフィールはこちらから。)
でも、田舎で育った僕だからこそ、「都会から新しく田舎にやってきた親」たちに言いたいことがあります。
(この記事中の「親」とは、子供連れで移住してきた人だけでなく、まだ子供がいないカップル、夫婦、また移住先で結婚相手を見つけようとする人も含みます。)
「移住してきた」のは自分だけじゃない
あなたにとっては、「移住」で田舎にやってきたのは自分の意思、またはパートナーとの合意があってのことだと思います。
しかし、あなたの「子供」は、その意思決定をしていないですよね?
そう、あなたの子供は、意思を尋ねられることもなく、強制的に田舎の環境に入れられるわけです。
「子供のため、、、」という大義名分自体が、子供の意思を無視したものである、ということは必ず頭に入れておいてほしいです。
子供にかける願いがかなうわけではない
「子供には、田舎の環境でのびのび育ってほしいんです!」
のびのびしません(怒)
田舎でも、遊ぶときは家に入ってゲームします(怒)
「自然の中で楽しく暮らしてほしい!」
自然の中で遊べません(怒)
クマ、イノシシ、ヘビが出ます(怒)
学校からも「川や山で遊ぶな」と注意されます(怒)
「田舎のようなおおらかな人間になってほしいんです!」
人によります(怒)
心の狭い田舎者もたくさんいます(怒)
親の仕事は、子供に広い視点を与えること
田舎の子供たちは、社会、特にキャリアに対する視野が狭くなりがちです。
コミュニティの中のプレイヤーの数は、都会に比べて明らかに少ない。
ということは、視点の数自体も格段に少ないわけです。
あなたたち「移住組」は違いますが、田舎ではまだまだ「生え抜き」の親がたくさんいます。
そういう人たちは、言い方は悪いですが、キャリアに対する考え方が硬直しているわけです。
そして、その硬直した考え方は、教育現場でもまだまだ残っています。
「いい高校に行って、いい大学に行って、いい会社に行けば安心」という考え方がまだ主流なんです。
もちろん、あなたたち「移住組」は、それは違うな、と思っているはずです。
しかし田舎では、キャリアに対するオールドファッションな価値観、考え方が大多数を占めているんです。
その中で育った子供たちは、そのようなキャリア形成しかできないんだ、と勘違いしてしまいます。
それなら、あなたたち「親」にできることは、子供たちにさまざまな視点を与えてあげることではないでしょうか?
一面的でありきたりな考え方だけでなく、「田舎と都会、日本全体」や、「自分の町と世界」など、多様で、広がりがある視点を与えること。
具体的に言うなら、
・自分たちの町の社会問題、日本の社会問題の両方に目を向けさせること
・自分たちの町が、日本の中でどういう役割を果たしているか考えさせること
・自分たちの町は、外国とどのような関係を築けるか一緒に考えてみる
・あなたが実際に体験したキャリアや、知り合いの生き方と、自分たちの町を比較してみる
といったところでしょうか。
それを支えるのは、あなたたちの経験と視点です。
もちろん、押し付けはダメ。
自己満足で終わるな
以上、「田舎に移住してきた親」に対する、僕なりの注意点を挙げました。
絶対に、「都会とは違う、これで安心だ」と思わないこと。
田舎の環境にも、いい面、悪い面があります。
そのいい面だけに気を取られていると、あなたの子供は「絶対に」幸せになりませんよ。
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