![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107902726/rectangle_large_type_2_a5f26a1b87225bebdbc7d93dc31cc9fd.jpeg?width=800)
週末読書メモ115. 『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』
(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
「書くこと」、「つくること」と向き合える1冊。
この一冊だけでいい。100年後にも残る「文章本の決定版」を作りました。
そう帯に書かれた本書『取材・執筆・推敲』。
編著書累計93冊、1100万部超。代表作にはベストセラー『嫌われる勇気』があるライター古賀史健さん。
古賀さんが、「書くこと」「伝えること」を本気で向き合おうとする人へ綴ったのが本書となります。
ライターという肩書きにつきまとう「文章」や「原稿」のことばを一旦、きれいに取り払おう。書くことを通じて自分がなにをやろうとしているのか、もう一度考えてみよう。
われわれは、書く人である以前に、つくる人なのだ。
じゃあ、どうすれば「文章を書くだけ」のライターから、「コンテンツをつくる」ライターへのジャンプができるのか。
その鍵になるのが、「編集」という概念であり、プロセスである。
本書で節々から伝わるのは、「書くこと」は「つくること」だと。そして「つくること」の鍵は編集だと。
編集者とは「誰が、なにを、どう語るか」を編集する人だ。
(中略)それでは、ライターにとっての編集とはどのようなものか。ぼくは次の3つが揃ったとき、価値のあるコンテンツが生まれると考えている。
①情報の希少性
②課題の鏡面性
③構造の頑強性
「誰が、なにを、どう語るか」、「①情報の希少性②課題の鏡面性③構造の頑強性」。
自分が何かのメッセージを書く(つくる)とき、この2つを心の中で反芻したいものです。
本書は、これまでの筆者のライター人生を凝縮したようなものであり、随所に参考となる箇所があります。その中でも、特に印象的であったのは、取材、つまり、執筆以前のインプットに関する内容です。
取材者にとっての「世界」とは、開かれた一冊の本である。
取材者は、一冊の本を読むように「人」を読み、そのことばを読まなければならない。
取材者は、一冊の本を読むように「コト」を読み、その奥底まで読まなければならない。
取材者は、一冊の本を読むように「世のなか」を読み、その流れを読まなければならない。
徹底した取材者であれ、とぼくは言う。
自分のあたまで理解できたことだけを書け、とぼくは言う。
自分のことばで考えろ、とぼくは言う。
それはひとえに「すべての人に読まれたい原稿」をつくるためだ。
自らが世界と向き合い、自らが世界を捉える必要性。
「書くこと」に関して、昨今の話題書としては『読みたいことを、書けばいい』が思い浮かびます。こちらの筆者(田中秦延さん)は、本書と比べると、もう少し気軽な気持ちで書くことと向き合う尊さを綴っていました。
しかし田中さんも同様に、読み手の目線は全く気にする必要がないと言うスタンスであっても、「好き勝手書くな、徹底的に調べる努力をしてから書くべき」と強調する箇所は、古賀さんと共通しています。
つまらない人間とはなにか。それは自分の内面を語る人である。少しでもおもしろく感じる人というのは、その人の外部にあることを語っているのである。
(中略)随筆とは、結局最後には心象を述べる著述形式だということは述べた。しかしそのためには、事象を提示して興味を持ってもらわなければならない。事象とは、つねに人間の外部にあるものであり、心象を語るためには事象の強度が不可欠なのだ。
「徹底した取材者であれ(古賀史健)」
「心象を語るためには事象の強度が不可欠(田中秦延)」
「書くこと」を生業とし、人生をかけ「書くこと」に向き合ってきた方々が、インプットに重きを置いていること。これが、何よりも心に残ります。
「ニュートンにとって自然は、開かれた本で、そこに記された文字を苦もなく読めた」
(あー…既視感があると思ったら、星野道夫さんだ。星野さんもまた、優れた観察者であり、優れたつくり手(写真家)であり、そして書き手(詩人)だった)
何かを言葉にする(書く)者として、何かをつくりだす者として、人・世界を読むことへ徹底的に向き合っていきたい。そんな気持ちにさせられる1冊でした。
【本の抜粋】
ライターという肩書きにつきまとう「文章」や「原稿」のことばを一旦、きれいに取り払おう。書くことを通じてジブがなにをやろうとしているのか、もう一度考えてみよう。
われわれは、書く人である以前に、つくる人なのだ。
じゃあ、どうすれば「文章を書くだけ」のライターから、「コンテンツをつくる」ライターへのジャンプができるのか。
その鍵になるのが、「編集」という概念であり、プロセスである。
編集者とは「誰が、なにを、どう語るか」を編集する人だ。
(中略)それでは、ライターにとっての編集とはどのようなものか。ぼくは次の3つが揃ったとき、価値のあるコンテンツが生まれると考えている。
①情報の希少性
②課題の鏡面性
③構造の頑強性
「ニュートンにとって自然は、開かれた本で、そこに記された文字を苦もなく読めた」
(中略)取材者にとっての「世界」とは、開かれた一冊の本である。
取材者は、一冊の本を読むように「人」を読み、そのことばを読まなければならない。
取材者は、一冊の本を読むように「コト」を読み、その奥底まで読まなければならない。
取材者は、一冊の本を読むように「世のなか」を読み、その流れを読まなければならない。
(中略)すぐれた書き手たちはひとりの例外もなく、すぐれた取材者である。
相手を評価しないこと。
それは相手のことをどこまでも考え続け、もっと深く知ろうと耳を傾ける、「聴くこと」や「読むこと」の大前提なのである。▲
「10年先を見たければ、10年前を見よう」だ。「100年先を見たければ、100年前を見よう」だ。いまの読者にしか通用しない、期間限定のことばを使っていないか、期間限定の議題に終始していないかチェックしよう。そして未来を見るのではなく、それが「10年前の読者」や「100年前の読者」にも届くものなのか、考えるのだ。
徹底した取材者であれ、とぼくは言う。
自分のあたまで理解できたことだけを書け、とぼくは言う。
自分のことばで考えろ、とぼくは言う。
それはひとえに「すべての人に読まれたい原稿」をつくるためだ。
P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!
学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?
【①インターン】
【②副業・プロボノ】
※どちらも個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?