見出し画像

週末読書メモ124. 『トヨタ経営大全2 企業文化』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

稀代なる企業の競争優位の源泉が、本書の中に。


実際にトヨタの競争優位の源泉は、特定のツールや手法ではなくその企業文化そのものである。

先週に続き、『ザ・トヨタウェイ』筆者による『トヨタ経営大全』の第2段、『トヨタ経営大全2 企業文化』。トヨタの競争優位の源泉となる企業文化の真髄・作り出し方が分析された1冊となります。

(前回『トヨタ経営大全1 人材開発』)


人の尊重と継続的改善は車の両輪である。
(中略)トヨタの企業文化こそが同社の業務思考能力におけるグローバルなリーダーとしての成功の重要な要因である。

トヨタ企業文化の肝は、人の尊重、そして、継続的改善の2つと言います。

この2つによって、地方の1町工場から、世界1の自動車メーカーへ登り上がっていったと。


トヨタの企業文化の中で、清潔で快適で安全な環境は全体論的な概念である。それは職場全体を含め、これからそれぞれ説明する次の項目からなる。
1:物理的作業環境
・清潔さ
・照明
・室温
2:物理的な安全プロセス
・人間工学的な作業やローテーション
・標準作業、トレーニング、フォローアップ
・早期兆候調査
3:心理学的な安全性
・安全で人を尊重した環境
・認知の単純化
・安全の文化
4:個人の健康と安全
・作業制限に対して効果的に対応する
・高品質な医療を容易に受けることができる
・適切な薬を容易に入手できる

本書(および本『トヨタ経営大全』シリーズ)の魅力の1つには、抽象的な理論に留まらず、具体的な細部にまで言及されていることです。

「1:物理的作業環境」や「3:心理学的な安全性」だけでなく、「2:物理的な安全プロセス」に「4:個人の健康と安全」か…

トヨタの個性の1つとして、複数の仕組みを複雑に絡み合わせながら、偉大なる強みを生み出すという、他者が模倣しがたい部分に、思わず唸ります。


(、本書を読むと、その企業文化の発現であり、今なお精神的支柱である豊田家に対して、言葉にならぬ感想を抱きます)


トヨタはM&Aや株主価値の急激な上昇について他社よりも上手なわけではなく、他社とは違うゲームをしているだけだ。トヨタにとってのゲームとは、継続的に社会に対して付加価値をつける方法を発見し続けることで人のシステム着実に成長させることである。

企業文化の変革はチャレンジであり、大きな文化の変革は大きなチャレンジである。
(中略)どんな会社にも固有の歴史や事業環境があって、そこで自社なりの企業文化をつくり上げなければならない。あなたの会社の文化の強みや価値観や、その強みの上にあなたの会社の価値観に沿って生きる社員をいかにして育成するかということを、あなたは深く考えなければならない。

自動車が成長産業であった時代において、継続的な進化の連続により、世界随一の存在にたらしめてたトヨタの企業文化。

しかし、そのトヨタでさえ、予断を許さない時代に。

既存の自動車が、成熟・衰退産業に入りつつ中、トヨタが、どのように、その姿・文化を変えていくのかは、注視していきたいです。


【本の抜粋】
実際にトヨタの競争優位の源泉は、特定のツールや手法ではなくその企業文化そのものである。

人の尊重と継続的改善は車の両輪である。
(中略)トヨタの企業文化こそが同社の業務思考能力におけるグローバルなリーダーとしての成功の重要な要因である。

トヨタは、日本のカルチャーと、創業の地・愛知県の特別な環境、豊田家の影響、トヨタの歴史上の偉大なリーダーたち、自動車業界固有の事情との独特なブレンドであるといえる。
(中略)集団と社会への貢献を重視しながら天才的な発明家でもあった豊田佐吉の深い影響によって、トヨタは、個人と集団の功績の両方を尊重するという面で他の会社に比べて突出している。

トヨタの企業文化の中で、清潔で快適で安全な環境は全体論的な概念である。それは職場全体を含め、これからそれぞれ説明する次の項目からなる。
1:物理的作業環境
・清潔さ
・照明
・室温
2:物理的な安全プロセス
・人間工学的な作業やローテーション
・標準作業、トレーニング、フォローアップ
・早期兆候調査
3:心理学的な安全性
・安全で人を尊重した環境
・認知の単純化
・安全の文化
4:個人の健康と安全
・作業制限に対して効果的に対応する
・高品質な医療を容易に受けることができる
・適切な薬を容易に入手できる

トヨタにおけるほかの多くの慣習と同様に、クロストレーニングにも多くの狙いと効果がある。チームメンバーがなるべく多くのスキルを身に付けていて、彼らをチームの中でローテーションさせることでチームワークは向上し、作業ごとに使う筋肉が異なるグループをローテーションすることで人間工学の面からも改善され、チームが自分たちの能力を高め、会社のために生産性を上げることが容易になる。それはまた、社員を異動させる際の人員管理のフレキシビリティも高めることになる。

トヨタはM&Aや株主価値の急激な上昇について他社よりも上手なわけではなく、他社とは違うゲームをしているだけだ。トヨタにとってのゲームとは、継続的に社会に対して付加価値をつける方法を発見し続けることで人のシステム着実に成長させることである。

企業文化の変革はチャレンジであり、大きな文化の変革は大きなチャレンジである。
(中略)どんな会社にも固有の歴史や事業環境があって、そこで自社なりの企業文化をつくり上げなければならない。あなたの会社の文化の強みや価値観や、その強みの上にあなたの会社の価値観に沿って生きる社員をいかにして育成するかということを、あなたは深く考えなければならない。

P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!

学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?

【①インターン】

【②副業・プロボノ】
※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?