(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
日本最強企業の今が、ここの本の中に。
名実ともに日本一の大企業、トヨタ自動車株式会社。
日本、そして、産業を超え、世界のTOYOTAとして知られる世界一の自動車会社。その社長、豊田章男さんの経営とリーダーシップについてまとめた一冊が本書となります。
始祖豊田佐吉が織機で大成功をし、TOYOTAの礎を作り、その息子であり、トヨタ自動車の創業者であり、純国産車に人生を懸けた豊田喜一郎。豊田章男さんは、トヨタグループの11代目であり、豊田喜一郎の直系3代目。
日本最大の企業を背負い、章男さんが多大な苦難の末辿り着いたのは、”家元”という手法でした。
自動車・トヨタを愛し・信じ、世の中の幸せへ貢献するという思想。その根底の手段となるTPS(トヨタ生産方式)という技。そして、思想と技を結果に繋げる日々の所作。
グループ総勢30万人以上、関わるステークホルダーに至っては500万人を越える人数を背負う経営手法の要諦は、その3つを非凡なレベルで実現するリーダー(家元)と自らを成したことでした。
日本古来、お茶をはじめ、芸や武の世界で、永続する組織の運営手法として存在していた家元方式。それを、日本最大の企業で行う凄まじさ…
家元組織の詳細は、本書に譲るとして、特筆すべきは、豊田章男さんのリーダー、トップとしてのあり方です。
章男さんと言えば、積極的なメディアでの発信、そして、過酷なテスト・レースに自らマスタードライバーとして車と接していることが挙げられます。
しかし、この本に併せ、読んだ6年前の週刊東洋経済でのインタビューに、目を覚まされるような内容がありました。
なんとまあ(笑)
今はどちらの活動も、その実績から価値を認められているものの、当初は周りからも決して賛同は少ない(ないしは大反対の)中から始められたと言われます。その上、本人自体も好きではなかったと。しかし、その価値を見通していたからこそ、逆風の中でも10年以上も続けられてきたその姿に背筋が伸びます。
思えば、豊田章男さんが大御曹司であることは事実である一方で、その人生は苦難に満ち溢れていました。
上記の動画にもある通り、入社時より嫉妬や羨望、軽蔑から人並みのように扱われず、一時は苗字を捨てることすら本気で思い悩むほどに。
章男さんがトヨタに入社したのは1984年。社長になったのは2009年。自分の記憶だと、圧倒的な実績をもとに、世の中から偉大なリーダーとして言われ始めたのがこの5~6年のことだとしたら、その半生30年以上、苦難の中を戦われていたと。
章男さんがの辿り着いた先が家元経営。さながら、これはプラトンの言う哲人政治の現代企業版とも感じる部分があります。
であるならば、その注目すべきは次世代。哲人政治を実現できたマルクス・アウレリウス・アントニヌスからコモンドゥスとなるか、それとも、家元制度を継続できるか。芸や武の世界と経済の世界での最大の違いは、競争の有無。勝たなければならない、生き残らなければならない、その中で、トヨタはどんな歴史を紡ぐのだろうか。
古今東西いななる存在も盛者必須、万物流転の真理からは逃れられません。
しかし、その中でも、創業80年を超えた今なお、一度曇りかかった中で、再び日を登らせたトヨタがどう道を切り開いていくのか。大先輩として、その姿を追い続けていきたい。
P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!
学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?
【①インターン】
【②副業・プロボノ】
※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。