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【2808字】2024.06.09(日)|酒を飲んだ後の話

【1】

土曜日の晩御飯どきに「チートDAY」と題して、お酒を飲むことが多いのだけど、その翌日の日曜日は、あまり体調が優れないことが多い。これは明らかに”飲酒”が関係していると言わざるを得ないと、僕は内心、気にしている。

まず、寝つきが悪い。よく「寝付きが悪いから寝酒代わりに酒を飲むぞ~」と言う人が居たりするが、僕の場合、逆なのだ。酒を飲んだ日の就寝時はいつもと比べて寝付きが悪くなる。これはなぜか?

僕の中では結論が出ている。酒を飲んでベッドに入ると、酒を飲んでいない時と比べて、色んな考え事が、浮かんでは消えて、浮かんでは消えて、を繰り返して、思考が散漫になって、”頭の回転が鈍い癖にフル回転してる”といった、奇怪な状態に陥り、最終的には、自らの考え事によって、目が冴えてしまうからだ。

これは、飲酒中の時点で起きるのだが、僕は、酒を飲み出すと、ありとあらゆることに対して、感覚が鋭敏になる。酒を飲んでいなければ、何事もなくスルーしていたであろうことも、「んっ」と、引っ掛かりを覚えて、ウンウンと考えてしまう。良く言えば、アイデアが舞い降りてきやすい精神状態とも言えるが、悪く言えば、ノイローゼ気味の精神状態とも言えよう。

その感じが、ベッドに入ってからも、続くのだ。目を閉じると、たちまち、種々雑多な出来事が、回顧されては消え、回顧されては消え・・・、大抵の場合、過去への後悔の念に苛まれたり、未来への漠然とした不安に襲われることが多い。まぁそれも、寝て起きたら、綺麗サッパリ忘れ去っているので、我ながら、笑えない話ではあるのだが。

付け加えておくと、”綺麗サッパリ忘れ去った”としても、”自分の深層心理から完全に消え去った”わけではない。僕は「忘れる」ことと「消える・無くなる」ことは、明確に区分している。そうして、人生体験を積み重ねるごとに、日々、”トラウマ”を、飼い慣らしているのだ。どうやら、僕の「トラ」と「ウマ」は、少々、暴れん坊で、手がかかるみたいだが。


【2】

寝付きが悪いながらも、なんとか眠りについたとしても、アラーム前に目覚めてしまうことが多い。元々、アラーム音で目覚めることが少なく、10分前ぐらいに、自然と目が覚める(この状態を「過緊張」と呼ぶらしい)ことが多いタイプなのだが、酒を飲んだ翌日は、10分ではきかず、1時間前とか、ひどい時は、2時間前とか3時間前に、目覚めることがある。

あと、たまに、悪夢にうなされて、4~5時間前に目覚めることもあるが、これは、酒を飲んでも飲まなくても、起きる時は起きるので、今回のテーマとは関係なさそうだ。まぁそれも、問題アリと言えば問題アリな気もするのだが。

アラームの1時間前に起こされるのは、結構面倒臭い。であるならば、いっそのこと、2~3時間ぐらい前に、起こしてもらいたい。その方が、二度寝しやすいからだ。1時間前だと、寝付いてすぐ起こされた、みたいな感じになりそうで、嫌だ。また、それを気にしていると、寝付きも悪くなる。結果的に、1時間ずっと、ベッドで目をつぶったまま、悶々としていて、アラーム音を聞いたこともある。こうなると、一日の始まりから、気分はドン底だ。「あ~あ、今日は厄日だなぁ…。」と思ってしまう。

「今日は厄日だなぁ…。」と思うたびに、何かの自己啓発本で「厄日だと思うから本当に厄日になってしまうのです」と説いていた一文を思い出す自分が居る。要するに、「悪い意味で思考を現実化させるな!」と警鐘を鳴らしているらしい。

言わんとすることは分かる。「今日は厄日だなぁ…。」と思いながら一日を過ごすと、込み合った電車の中で、車内が揺れて、誤って足を踏まれたりすると、「やっぱり厄日だなぁ…。」と感じそうだ。さらに、我関せずの状態で居られると、「ほうら、やっぱり厄日だよ…。」と感じそうだ。想像するだけでも、どんどん、負のスパイラルに陥ってしまいそうだ。

にもかかわらず、僕は、アラーム前に目覚めて、二度寝することが叶わぬまま、アラーム音を聞いてしまうと、「今日は厄日だなぁ…。」と感じてしまう。頭では分かっているはずなのに、自らを不幸の入り口へと招待してしまう。そういう悪癖が、僕にはある。

思えば、「遊戯王」のカード「薄幸の美少女」も好きだった。思えば、「好きな異性の好みは?」と聞かれて「幸が薄いタイプの女性に惹かれる」と答えたこともある。いつからだろう・・・。物心が付いた頃からそういうきらいがあった。生まれつきなのかしら。生まれつき、僕は、不幸を、心のどこかで、求めて、生きているのかもしれない。


【3】

どうにかこうにか、目覚めて、ベッドから出て、活動モードに入っても、全体的に、身体が重たい。「二日酔い?」と言われることも多いが、僕の感覚で言えば、ちょっと違う。なぜなら、そんなに深酒していない日でさえも、身体が重たい気がするから。とにかく、酒を飲んだ翌日は、体調が優れないのだ。

もちろん、酒量に左右される面は、多分にある。しこたま飲んだ翌日は、やっぱり、使い物にならない。というか、そういう日は、そもそも、ベッドから出る気がしない。それに、はなから、二日酔いになることが分かった状態で、しこたま飲んでいる。だから、そこまで落胆しない。むしろ、「オ~!キタキタ~!」と、おかしなテンションになっていることすらある。それもこれも「不幸願望」の賜物かしら・・・?

今回の話は、ソレではない。人並みにお酒をたしなんだだけなのに、翌日、目覚めてみると、上手く身体が動いてくれない、そういう感覚を覚えるようになったので、僕は頭を悩ませている。いわば、”毎週日曜日はポンコツDAY”みたいなものなのだから。

無論、僕なりに、やるべきことはやっている。だが、他の曜日と比べると、明らかに、モチベーションやパフォーマンスは、低下している。はたから見れば、あまり変化は感じないかもしれない。だが、僕の感覚は、大きく異なる。日頃は何の気なしにやれていることですらも、心の中で「ヨイショ!ヨイショ!」と、自らを鼓舞しないと、取り組めなかったりもするのだから。

元来、意志薄弱な僕は、隙あらば「もういいんじゃないかな…。」と、弱気の虫が顔を出す。周りの人から「ポーカーフェイス」だとか「狼狽した様子を見たことがない」などと評されたことがあるけれど、フタを開けてみれば、自分でも笑えるぐらい、正反対なのだ。葛藤の連続。それを、他人に悟られるか、悟られないか。その違いしかない。

ゆえに、たまに、ホントに、たま~に、なのだけど、「あの時、ちょっと沈んだ表情してたね。なにかあった?」などと声をかけられた時には、一気に、その人のことが、好きになってしまいそうになる。「あぁ、この人は、僕のことを、ちゃんと見てくれているんだ…。」と、感慨に耽る心持ちになるからだ。

そういう者に、私はなりたい。

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