二度と行きたくないインド7日間1人旅
今年の4月30日僕は念願のインドへ一人旅に出た。
旅といっても7日間の弾丸旅
バックパック一つで異国を周るのは約11年ぶり。
11年前は1ヶ月間で香港、マカオ、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールを陸路だけで旅をした。
あの旅の約1年後にNYへ渡米し
旅をしたのはあの時以来になる。
※旅行と旅は別
20年以上越しの念願のインド
結論から言うと
行って本当に良かった!一度は絶対に行くべき国
だけどもう二度と行きたくないw
インドは17歳の頃からの夢
僕が高校時代に友達からの勧めで読んだ小説に
沢木耕太郎さんの大ベストセラー
「深夜特急」がある。
当時の僕は読書嫌いで
学校の課題以外で読んだ本はゼロ
そんな僕が初めてハマった小説がこの
「深夜特急」だった。
この本は1986年に第1巻が販売され
その後多くの人に旅のロマンを見せ続けてきた
旅文学の最高傑作と言われる
絶対に読むべき一冊と言っても過言ではない小説だ。
内容をザックリ一文で表すと
かつてのシルクロードを陸路だけで香港からロンドンまで旅をするという沢木耕太郎自身の旅行体験に基づいた物語。
渡米する1年前のアジア一人旅もこの小説に影響され
本に書かれている沢木耕太郎さんが訪れたであろう場所を辿りながら旅をした。
そしてインドに初めて興味を持ったのも
この本の影響
中でもガンジス川を訪れた時の描写が
当時の僕には衝撃的で
いつか自分の目で見て感じてみたい
そんな想いを17歳の頃から抱き続けていた。
今回友達との旅行ではなく
一人の旅を選択した理由は
旅の醍醐味である
全ての時間の自由と行き先の選択の自由が
インドには必要だと思ったからだ
レストランや観光地巡りが一番の目的なら
誰かと一緒に旅行。
ハプニングや未知の経験が目的なら
一人旅がいいと思っている。
とは言ってもたった7日間で
行って見たい場所を巡るには
移動時間、電車やフライトの出発時間なども
ガッチリ調べて準備をしないと無理だと思ったので
大枠だけ決めてあとは
現地で自分の嗅覚に頼って歩こうと考えていた。
ちなみに下記が今回僕が事前に立てていた予定と
旅の最中に付けた日記のタイトル
1日目 NY(12:30pm)ー ニューデリー(12pm)フライト移動「試練の始まり」
2日目 ニューデリー(1am)ー アグラ(5am)Uber移動「珍道中と感動」
アグラ(12pm)ー ジャイプール(4pm)Uber移動
3日目 ジャイプール(7pm)ー ニューデリー(9pm)フライト移動「悪夢再び」
4日目 ニューデリー(10pm)ー バラナシ(12pm)フライト移動「偶然の出会い」
5日目 バラナシ(7pm)ー コルカタ(9pm)フライト移動「夢叶う」
6日目 コルカタ滞在「生と死」
7日目 コルカタ(4pm)ー ニューデリー(7pm)フライト移動、
ニューデリー(2am)ー NY(8am)フライト移動「復活そして終わり」
めちゃめちゃ予定立ててるじゃん!!
と思うかもしれないが今回は事前に
これだけ予定を計画してた事が
自分を大きく成長させたし、
結果的に本当に濃い一人旅になったなと思っている。
ゼロ日目「JFKからインドの歓迎」
今回NYからインドまでのフライトは
Air Indiaを利用した
もちろんAir Indiaは初めて
チケットはNY-ニューデリーの直行便の往復で
$700くらい
4月30日NYのJFK空港から12時30分出発
フライト時間は直行で約14時間
日本に帰国するときとほぼ変わらないくらいの時間だ。
日本に帰国するときはいつも
4、5本の映画を観て過ごすことが多いのだが
搭乗するや否や
僕はインドの歓迎を受ける事になる。
まず座席に着いて驚いたのが
映画などを見る僕用のモニターが
いくらいじっても
ホーム画面から一切動かなかった事。
そしてリモコンとイヤフォンジャックに至っては
動かないのではなく
破損していて完全にぶっ壊れてる状態。
僕の運が悪くたまたまそういう席に着いてしまったと思っていたのだが
隣の席や首を伸ばして他の席も覗いてみると
それは僕の席だけで起きている事ではない事を知る。
(これがインドクオリティ?)
インドの歓迎はそれだけでは無い。
食事の時間になって
折り畳まれているテーブルを開くと
そのテーブルは20度くらい傾いていて
CAさんから受け取った食事をそのまま置くと
綺麗に左に滑り落ちてしまうのだ。
CAさんはそれでもお構いなし
僕はテーブルを並行に保つために
左膝を少し持ち上げテーブルを支えながら食事をしなければならなかった。
フライト中出てきた全ての食事は
説明するまでもなく
カレーとカレー味のおかず
けど味は悪くなかった。
それ以外にもトイレが汚かったり
床に色んなものが落ちていたり
過去の自分の常識や経験と比べると
そこには大きな違いを感じた。
まあこれらのこともこれから待っている
本物のインドのための予行練習だと思い
映画の無い14時間のフライトに耐え
無事予定時刻通りの12pmに
ニューデリー国際空港に到着した。
インド到着
到着したニューデリー空港に着いて驚いたのは
想像以上に大きく
冷房も効いているし
何よりトイレも含めて綺麗だったという事。
さっきまでのAir Indiaクオリティは何だったのか?と思うほど
ニューデリー空港は快適だった。
入国もスムーズに終え
空港で$50をルピーに両替し
空港から出ている地下鉄に乗って
その日予約していた安ホテルに向かった。
ニューデリーには地下鉄が走ってて
空港の地下鉄の駅やホームは
NYの地下鉄よりも全然綺麗
僕が想像していた深夜特急の中のインドと
実際にインドに降り立ってからここまでの間に
僕の目に映ったインドとでは
かなりの違いがあった。
そりゃそうだ
だって当時沢木さんがインドを旅したのは
今から40年以上も昔の1980年代
それから約半世紀で
インドは現在世界第5位の
経済大国までになったのだ。
しかーし
そんな変わってしまったと思ったインドだが
約15分地下鉄に乗り
目的のニューデリー駅で降りて
地上に出た瞬間
僕の目に入り込んできたのは
土埃の舞う路上に寝ている物乞い
裸足で歩く子供や大人
バイク、トゥクトゥク、自転車、自動車が
数センチの車間でクラクションを鳴らし続けながら走り
その中を牛や羊が当たり前のように歩く光景だった
気温は30度超え
異様なスパイスの香りと肉や魚の腐ったような臭い
そこに排気ガスの臭いが
熱風と共に鼻にまとわりつき
道を歩けば何人もの客引きが
断っても断ってもずっと話しかけて付いてくる
まさに僕が17歳の時に小説を読んで想像していた
いやそれ以上のカオスなインドを五感で感じた時に
僕はようやくインドにやってきた事を自覚し
これからの7日間がどんな旅になるのか
心を踊らさせずにはいられなかった。
しかしこの日の夜
僕はこの旅一番の
ハプニングに直面する事になるとは
その時は知る由もなかった。
1日目「試練の始まり」に続く