NYとBroadwayと経済
日本人であっても一度くらいはNYのBroadwayの名前は聞いたことはあると思うし、ライオンキングやオペラ座の怪人の写真ぐらいは見たことがあると思う。
現在NYの全てのBroadwayのショーが3月12日から予定では9月6日までクローズになってしまっているんだけどこれがどれくらいの経済的損失を生んでいるかちょっと調べてみた。
その前に少しだけNYのBroadwayの規模を説明したいと思う。
主に一般的にイメージするBroadwayの劇場街と言われているのは上の写真だと思うがこのエリアには
タイムズスクエアを含むミッドタウン・マンハッタンの6番街西から8番街東の40丁目から54丁目までの地区を指しそのエリアを中心として、40個のオン・ブロードウェイ劇場と8個のオフ・ブロードウェイ劇場が存在している。
またこのエリアの少し周りのエリアには通常のブロードウェイの劇場の規模より小さいオフ・ブロードウェイ劇場やオフ・オフブロードウェイ劇場も多数存在している。
ちなみにオンブロードウェイと呼ばれる通常のブロードウェイは客席が500席以上の劇場を指し、オフブロードウェイは499〜100席、それ以下をオフオフブロードウェイと呼んでいるます。
もちろん劇場規模が小さくなると劇場費などのコストも安くなるから僕みたいに舞台を作りたい立場の人間にとって上演するハードルは低くなる。
けどアメリカは実力社会だから仮にオフブロードウェイからスタートとしても人気が出ればその後オンブロードウェイに昇進するなんて事も夢ではない。
有名(だと思っている)なのはRENTやヘドウィグアンドザアングリーインチ。
これらはオフブロードウェイから始まりその後オンブロードウェイそして映画化までになっている。
夢があるよね〜
僕の作品も映画化まで狙ってます。本気で。
でこのBroadwayが年間でどれだけの経済効果をもたらしているかというと
2015〜2016年の情報になるが
観劇者数が13,317,980人、全作品の総興行収入は1,373,253,725ドル
(日本円に換算すると146,938,148,575円。この数字の並びを見てもパッといくらなのか分からないw 約1500億円みたい)
これは劇場だけの人数やチケットの売り上げに過ぎなくて
やっぱりミュージカルを見た後に近くでご飯を食べたり、中で飲食したりも当然するからそれら全ての経済効果と言ったらとんでもない数字になることは想像がつく。
単純計算でも現在約半年間全ての劇場がストップしてしまっているわけだからこの半額の750億円の損失になるわけだ。
マジでどエライ事がこの街では起きているなと改めて実感する。
そのエンタメの聖地Broadwayの存続が今本当に危ぶまれている。
前回の記事にも載せたが「アナと雪の女王」がこのコロナの影響により上演が打ち切りなってしまった。
これは相当大きな出来事で2018年から上演されて来た「アナ雪」は約2年で130万人の観客を動員してきた人気ミュージカルだった。
しかもアナ雪はディズニーによるミュージカル。
これも大きな出来事の一つで、ディズニー系のミュージカルはプロダクションにディズニーという大帝国がバックが付いているのだ。
(普通のミュージカルではそんなことはない)
この大帝国が付いているにも関わらず経済的に維持が厳しくなったという理由で打ち切りが決まった業界へのショックは物凄く大きい。
現在まだ5月半ば。
9月まで3ヶ月以上ある。
これ以上演劇業界にショックな出来事が起こらないことを祈るしかない。
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