人の温もりを感じられた90年代00年代のメディアと僕たち

僕が一番影響を受けた時代は間違いなく平成ど真ん中で、特に小学生〜高校生の間に体験したものの影響はでかい。

携帯電話を持ったのは高校2年の時で、僕たち世代は友達と連絡を取るためにまだ家に電話をかけていた世代で
（好きな子に連絡するのも家電だったから親が出るなんてこともよくあった）

インターネットもなくTVを見て育ち、アーカイブなんてものももちろん無いから
TVを保存するにはビデオに録画をしなければならなかった時代だった
（録画を母親に頼んで母親が失敗してマジでキレた事もあった。あの時はゴメンなさい）

平成10年ぐらいまではまだ昭和から完全シフト出来ていなかったように感じる。

僕はちょーテレビっ子だったから学校から帰ると6時から寝るまでずっとTVを見ていて
6時〜8時アニメ
8時〜11時バラエティかドラマ
11時〜11時30分バラエティ
こんな生活がほぼ毎日小学1年から高校生になってバイトを始める頃までずっと続いていた。

お笑いは　志村けん、ドリフ、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、ナイナイ、さんまさん、紳助さん

音楽は　SMAP、小室ファミリー、GLAY、ラルク、ジュディマリ、B’z、織田哲郎系、ドリカム、ミスチル、ウルフルズ（当時のアニメ、ドラマの主題歌も）

アニメは　ジャンプ黄金期のドラゴンボール、幽遊白書、スラムダンク、るろうに剣心（ジャンプは人生で一回しか買ったことがない。ちなみにその一回は当時大人気だった内田有紀のカラー写真ページがあったから買いましたw）

ドラマは　月9黄金期だからキムタク系ドラマ、僕の人生を変えた野島伸司脚本のドラマの数々、てか週に8本とか違うドラマを見ていたからもう当時のドラマは全て

ゲームはあまりしなかったけどスーパーファミコンやプレステが出てきてマリオカートやスト２などの格闘ゲームが誕生したり、桃鉄やドラクエも社会現象になったのも僕らの時代

TVドラマの視聴率は30％を超えるものもありCDのセールスも200万枚を超えるようなヒット作が生まれていた時代が僕が一番影響を受けた時代になる。


20代の人には多分想像できない時代だろう。
僕にとっての戦後の日本みたいな。
それぐらい違う時代を生きていたなと僕は感じる。


だから当時の影響をめちゃくちゃ受けて育っている僕には
いまだに今の20代の世代が面白いと思うものとのギャップを僕は感じるし
世の中の価値観にも未だにハマらない、理解できない事も多々ある。


今はTVの世界だとコンプライアンスが過剰になりドラマのシーンであっても
タバコを吸う場面があるだけで議論になったり
今では絶対にありえないかもしれないがヌードシーンはもちろんダメ
（バカ殿様でヌードカルタなんてものがあって当時はゴールデンで女性のおっぱいが出ることは珍しくなかった）
いじめやレイプ、暴力描写もかなり制限がかかっていたり


俳優をやっている僕には全く理解できない。（特にTVドラマや映画に対しての制限）

だってドラマだよ？完全なフィクションだよ？
当時それらを普通に見ていた僕らや上の世代は今では問題になるような放送できないシーンを見て育ったけど何か問題を起こしただろうか？問題のある大人なのだろうか？

ついこないだも大学生ら少年がホームレスを殺害したなんて事件があったけど
僕はドラマや映画で表現の制限をかけることは子どもたちに悪い影響を与えるとは思わないんだよね。

むしろ蓋をすることの方がよっぽど悪影響だと思う。


フィクションの中で痛みや苦しみを見て想像し感じることで
人間は人間を学んでいけるようになるんじゃないだろうか。


映画やドラマは僕にとって社会や歴史、人間を学ばせてくれたかけがえのないものだったから
そこに制限をかけるということは大切なものを学ぶ機会を無くす恐ろしいことだなと思っている。

上手く伝わらないかもしれないけど感覚的に
リアルタイムで見ていた当時のTVや映画とかって直接的じゃないんだけど
人の温もりだったり人との距離感を感じられるような
実際に側に人がいるような感覚があったんだよね

それは画面の向こうとではなくそれを見ている同じ時間を
家族や友達と一緒に共有していたからなのかもしれない。

間違いなくTVの前にいた時間は家族団欒の時間だった。


僕は人のリアルな温もりや距離感を感じられないと
人の愛を感じる事も育てることも出来ないんじゃないかなって思っている。


スマホやSＮSが発達しまくって自分1人だけの世界でいろんな情報を得る事も発信する事もできるようになってしまった今だからこそ


その楽しい時間をネットでシェアするのではなく
側にいる人の温度を感じながら共有することを選択するべきじゃないだろうか。


あ〜３密こそ人間にとって一番重要なのに…